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第十三話 メルリラス王国に入国する

 冒険者パーティー希望の盾のメンバー達の旅の順調に進み、途中で野営を二夜ほど経験したセイナは疲労の色が見えかけていたが、いよいよエルディラン王国の最端の国境の街に後もう少しで辿り着く所まで来ていた。


「セイナは少し疲れているみたいねぇ、後もう少しで、国境の街に辿り着くから、我慢してね」

エルミナはセイナに様子を見て、励ます様にセイナに知らせた。


「はい、頑張ります。やはりこんなに長い旅は初めてなので、精神的に疲れたみたいです」

セイナは身体の疲れより、精神的な疲労だと自身を診断した。


「セイナの居た世界では、余り長旅はしなかったの」

エルミナは素朴な疑問を抱き、セイナに尋ねた。


「はい、距離的には長旅はした事は有りますが、移動手段が物凄く速い乗り物がありまして、ここで言うと、王都から此処まででしたら、数時間で着きます。一日もかかりませんよ」

セイナは自分がいた世界の事をエルミナに教えた。


「えっ、そんなに早く着く乗り物があるのですね、セイナの居た世界は随分と先進的な文明なのでしょうね」

エルミナは驚き、感心をして、セイナの居た世界の文明に興味を抱いた。


「そうだよねぇ、そんなに速く移動できる乗り物があるのは素晴らしい」

ダイナスもセイナの居た世界に興味を抱いた。


「そうですねぇ、私の居た世界は魔法は無いですけど機械文明と云う処でしょうか、科学と言うものがあり、その発展で可成り便利な世界に成ってますね」

セイナは自分がいた世界を簡潔に説明をした。


「そうなのねぇ、セイナにはその一端でも、この世界の発展に役立つ物を造って貰えたら、好いわね、私で協力出来る事が有ればするわね、例えば、あの下着は素晴らしいもの」

エルミナはセイナから貰った下着を気に入り、今でも身に着けている。


「あっ、エルミナさん、もし欲しければ言ってくださいねぇ、何時でも差し上げますから」

セイナは笑顔でエルミナに伝えた。


「あっ、エルミナの着けている下着か、あれは凄いねぇ、エルミナは元々綺麗だけど、更に美しくさせてくれるよ」

ダイナスがエルミナが、着けている下着の事を色んな意味で褒めていた。


「あら、そうなのねぇ、それじゃ、宿に着いたらセイナ、お願いねぇ、私、あの黒に下着がお気に入りなのよ、でも白も欲しいかなぁ」

エルミナはダイナスに視線を送りながら、セイナにお願いした。


「はい、分かりました。エルミナさん、黒と白ですねぇ、ついでにピンクも用意しておきますねぇ」

セイナは笑顔で引受けて、きっと夜の営みに、可成り貢献していると確信を持った瞬間であった。


 そんなセイナの居た世界の話をしていると国境の街の入場門に何とか日が落ちる前に着いて、幌馬車は止まって、セイナは腿の上で寝ているコハクの頭を撫ぜながら、検問の順番を待つ事になった。


「セイナ、明日には私達の母国の国境に入るからねぇ、そこから王都まで行くのだけど、だいだい五日位係るから、今晩はゆっくりと休んでねぇ」

エルミナは母国に入ってからの日程をセイナに知らせた。


「はい分りました。今晩はゆっくりと休む事にします」

セイナはコハクの頭を撫ぜながら、エルミナに答えた。


 待つ事数分経って検問の順番が回ってきて、冒険者登録証を全員が見せて、コハクとクインも従魔登録の首輪を見せて、其れから荷物検査を終えて、そして街の中に問題無く入る事が出来た。


 街の中に入ると、其のまま泊まる宿を目指して幌馬車は進み、そして宿屋の近くになり、サンタナが宿屋に先に行き、泊まれるか確認を行いにいき、そして大きな丸を両手を使い描き、そして幌馬車は宿屋の前に進み、そしてエルミナが何時もの様に手続きをして代金を前払いをした。


 セイナは手続きが済んだ後に自分が泊まる部屋に行き、身体を浄化魔法で綺麗にしてから、ジャージに着替えて、夕食の時間まで、ベッドでコハクを抱いて横になり、クインも傍で横になり休む事にした。


 因みにメンバー全員に黒のジャージを支給して、宿屋に居る時はジャージで居る様に、エルミナの提案で決まり、メンバー達もジャージの着心地が良いと云う事で全員が賛成した。


 夕食の時間になり、メンバー全員で黒のジャージを着て食堂に行き、夕食を頂き、何時もの様に雑談に花を咲かせてた。


 明日は母国に入国と云う事で、何時も以上に他のメンバー達は明るく、そして食事が済んで、メンバー達は自分の泊まる部屋に行き休んだ。


 セイナは部屋に戻り、エルミナの頼まれたものを紙袋に入れてから、エルミナの泊まる部屋に行き、下着の入った紙袋を渡した時に、エルミナから明日の早朝訓練はお休みと言われてので、セイナはコハクを抱きながら、ゆっくりと休んだ。


 そして朝を迎えて、セイナはコハクを抱き、クインを連れて、メンバー達と共に直ぐに食堂に行き、朝食を摂り、そして早々に身支度を整えて、母国に入国する為の準備を始めて、宿屋に精算を済ませて、宿屋から出発した。


 そしてメルリラス王国の入国の検問所に着くと、検問の役人の審査は実に簡単にアッサリと終わり、エルミナが挨拶すると敬礼をして、直ぐに通して暮れた。


「あれ、随分とアッサリと云うか、何か審査をしました?私は冒険者登録証も何も見せてませんよ」

セイナは不思議になり、エルミナに尋ねた。


「えっ、アハハ、実は私はこの国の第二王女なのよ、まさか自国の王女の検査なんかしないでしょう」

エルミナは苦笑いをして、自分の正体をセイナに教えた。


「えっ、ええー、エルミナさんが王女様なのですか」

セイナは大声を出して驚いた。


「そうなんだけどねぇ、本当はダイナスと婚姻する時に王族から籍を抜く積りだったけど、ダイナスと婚姻する条件が、王族の籍を其のままにするなら許すと云われてねぇ、だから私は王女様なの」

エルミナは頭をかきながらセイナに説明をした。


「セイナさんが驚くのも無理もない、俺もエルミナと婚姻を決意した時、初めて聞かされたからなぁ」

ダイナスも苦笑いをしてセイラに話した。


 そんなショッキングな事実を知らされたセイナのメルリラス王国への入国となり、これからの生活が如何なるのか不安と期待が入り混じる出来事であった。

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