第0話
初投稿。後から後から修正する可能性大です。
なろうの機能もよく分からないんですが、少しずつ慣れるといいなー(低モチベ)
気がついた時には、そこにいた
辺り一面まっしろな空間。
右も左も上も下も真っ白で、果たして自分が立っているのか、寝ているのか、体操座りをしているかもわからない
いや、体操座りはしていない
そんな風に自答していると声が聞こえてきた。
「ようこそ、選ばれし者たちよ……」
女の人の声だ
選ばれた者たち??
周りを見渡しても自分以外誰もいないように見えてるんだけど?
「あ、あの〜ここは、一体どこなんでしょうか!?」
人見知りの僕だけど、さすがに異常事態だ
聞こえてきた声に対し質問する。
「ココア?ふふふ、さすがは選ばれし者。この、いきなりでの状況を整理するためのコーヒーブレイクというわけですね。冷静ですね」
……駄目だ、話しが通じてない!
「嘘ぴょん。冗談冗談っ」
戯けた声を出しながら、その声の主と思われる女性が、目の前に突然姿を現した。
その姿はまるで天使の様な羽を生やした
透明感溢れるウサ耳の美少女だった。
「申し遅れましたぴょん、私は六大天使の一徒、ウサエル。あなた達、選ばれた者たちの……ってあれ?アンタ誰ぴょん!?」
ウサ耳をピンっと立てて心底驚いた表情をしている。
というか天使なんだこの人。
「誰!?って……僕は、黒井ユウです。ここは、一体どこですか!?」
ウサ耳天使?のウサエルさんに質問すると
この白い空間に来る前の事がだんだん鮮明に浮かんできていた。
「黒井ユウ?ウサエルの推しメン達はどこピョン?
イケメンや、美少女はどこピョン??なんかモブがいるんですけど〜……アイドルグループのプリンス&プリンセスのメンバーは!?」
なんだその安易なグループ名。
「知りませんよ、そんなの……」
いや、待て……確か、僕の愛するお嫁さんの推しアイドルが確かそんな名前だった気がする。
そうだ、僕は休日に新婚のお嫁さんに頼まれて、そのアイドルグループのライブ会場までの運転手をして……それでライブが終わるまで適当にコンビニでプリン食べながら時間を過ごしていた……
そして気付いたらここに
「ってうわ、食べかけのプリンが服に」
べっとりと着いていた。
「あ、あはは、プリンス&プリンセスのメンバーを喚び出したつもりが、プリン付けた一般人のクソ雑魚モブを喚んでしまったピョン。」
うわ酷っ
いや……確かに僕は、給料もお嫁さんより低いし、顔も体格も普通で取り柄も特にないクソ雑魚モブ。
よく結婚できたなと、周りからも言われるほどだ。
しかし、そんな事はどうでもいい。
早く元の場所に帰りたい。
お嫁さんが……アイちゃんが
待ってるんだ!
「ま、間違いなら元居た場所に返してくださいよ!そろそろ戻らないと、ライブも終わってアイちゃんも僕の迎えを待ってるだろうし!」
僕はそう言いながら
ズボンのポケットに入れてある携帯端末を取り出して、メッセージを確認しようと画面に目をやると
「えっ」
その画面には
圏外のマーク
「元の場所には戻せないピョン」
「えっ」
端末の画面から顔を上げると
うなだれている様子のうさ耳天使。
「ここは所謂あの世とか神界とか言われている場所ピョン。ここに来た時点であなたの現世での肉体は消滅。今、あなたは魂だけの状態って訳ピョン。つまり、もう元の場所には返せないピョン」
は?え?
今なんて?
いやいや急展開すぎて……
いやいや嘘でしょ、いやいやそもそも……
この空間といい
ウサ耳の天使といい
全部、夢に決まってますよねー
「 夢ではありません 」
「うわっ」
突然、白い空間全体に響くような、いや自分だけに囁かれているような、なんだか不思議な声が聞こえてきた。
「ひぃ、神様っ」
目の前のうさ耳天使は急に大声を出し、半ベソで怯え出した。
それより神様って?……あの神様?
「 その神様です、黒井ユウ。 」
ナチュラルに心を読んでくる……
姿は見えないけど確かに神様っぽいな
「か、神様、僕は本当に元居た場所に帰ることは出来ないんですか!?」
無我夢中で何もない白い空間に向かい話しかける
「神様に馴れ馴れしく話しかけるなピョン!クソ雑魚モブ!人見知りのくせに、神見知りはしないってか?」
いや辛辣すぎません?
美少女ウサ耳天使。
「 ウサエル、黙りなさい 」
「ひぃっ」
秒で半ベソに戻るウサ耳天使。
「 元居た場所に帰ることは可能です 」
……あぁよかった
ウサ耳天使の虚言癖だったみたいだ
何か言い方が引っかかるが……
「よ、よかったです。それなら今すぐお願いしてもいいですかね?」
「 私は、"姿のない神"。魂を司る神です。魂のあなたを魂の状態で元居た場所に戻す事は可能です。しかしその場合あなたは地縛霊としてその場所にとどまり続ける事になります。肉体は消滅しているので。 」
えぇ……、それは嫌すぎる。
というか、ウサ耳天使の言ってる事マジでしたか。
ぬか喜びさせやがって
「 肉体や物質を司る神"姿ある神"が、この生死の間からいなくなり幾星霜。八つの生命ある星から、徐々に"いのちの灯火"が失われつつあります。私の力で、魂を輪廻転生させ、終わりの時を伸ばし伸ばししていましたが、既に魂の消耗はあちこちで限界がきています。例えば、あなたが住む星"アース"では、後二百億年後にはもう生命は存在しないでしょう 」
めっちゃ語り出した神様。
というか二百億年後とか知らんし。
「え、と、よく分からないんですけど、その話を聞いて僕はどうしろって言うんですか?」
「えぇ〜、コイツ察しが悪いピョン。所謂ラノベとかの異世界転生物ピョン。」
ウサ耳天使がジト目でこちらを観てくる。
こいつ、ラノベとか、アイドルグループとか、天使なのに俗っぽいな
「はあ、意味が分からないんですけど」
本当に意味が分からない。
「つまり、お前はこれから色々な惑星に転生して、姿ある神さまの痕跡を探して集めて、最終的にはこの生死の間に連れ戻してほしいピョン。それは結果的に星の生命を救うという、壮大な物語の始まりピョン。ですよねっ神様っ!」
ドヤ顔で訳の分からない事を言うウサ耳天使。
というかコイツ最初の頃は猫被りしていたのか
だんだんコイツに腹が立ってきた。
「 違います 」
「へ??」
僕とウサエルは同時に驚く。
「 本来ウサエルが喚び出す予定であった若者たちは、異世界というものや、神、天使、転生など、それらに非常に高い興味関心を持ち、そして、ウサエルの言うソレを成し遂げる事が期待できる非常に強い魂の持ち主たちでした。 」
ああ、そういえば今日のライブ
《ファンタスティックファンタジー》とか言う謎のタイトルだったっけ。
やっぱアイドルグループの人たちが本来喚ばれるはずだったのか。
「 間違いで喚び出したあなたには、ソレを成し遂げる程の魂の力がありません。いや、転生に耐えうる魂の残量がないのです。 」
「た、確かに、うす〜い魂ピョン。ある意味奇跡!」
スムーズにディスってくるウサ耳。
「 ウサエル。魂の冒涜は、いけません。 」
瞬間、空気がピリッとする
姿のない神さまの声のトーンは一切変わっていないが、その言葉には何か有無を言わさぬ重みがあった。
手に汗握るような緊張感……
ウサエルはと言うと顔面蒼白でビビり散らしていた。
重い空気の中
僕は口を開く
「か、神様。では僕……私は一体どうしたら良いのでしょうか?」
「 黒井ユウ。あなたには"神"になってもらいます。 」