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第8話 冒険者になろう

前回のお話し


ミーティングよ!ミリーは高らかに宣言した。

ふーお腹いっぱいだ。

僕らはミリーの眼中にないことが分かってシュンとした。



朝僕らは2階の『新規登録・登録』の部屋のテーブルでアカネさんから話しを聞いていた。

「最短でC2になるには?ってことね。いい考えだわ。こちらとしても冒険者が増えることは歓迎だしね。ただそんなに基準がしっかり決まってるわけじゃないの。ミリーが言うように冒険者見習の制度は職場経験の意味合いがあっるのよ。で、今の君たちは職場経験の前の体験という感じね。で、冒険者としてC2になるってのは一人で魔物に立ち向かえる実力があるってこと。でもその先もあるの。ギルドとしては一般の人が町を出る時に護衛ができることがひとつの目標ね。」

ギルドとしては護衛依頼を任せられる人材が必要でC2クラスはまず自分の命を守ることが出来ると言うのが条件だという。ぶっちゃけ何となく大丈夫だってみんなが思う実力というなんとも微妙な基準だそうだ。


「モンクレールの時はアカネさんが指名依頼を出してそれを条件にしてたんですよね。」

ミリーが食い下がってるぞ。


「モンクレールは力もあるし多分弱い魔物ならやられたりしない。それは誰でもそう思ってたの。だけど指名依頼ってこの人に頼みたいとかこの人を応援したいって人が必要で、そういう信頼関係が築ける人じゃないと護衛依頼ってうまくいかないものなの。モンクレールってなんだかお調子者でしょう。だから。ね。」

だから。ね。って何でしょう?


「そうするとアカネさんに認めてもらえば良いんですね!」

ミリー。そうなのか。いい突っ込みだな。


「いやー。そうじゃないけど、まあC2クラスになるのを決めているのは私だわね。あーだけど実力がないあなた達を町の外に出して魔物にやられちゃったら困るわ。それは分かるでしょ。」


「はい。分かります。それだけの実力があるってことを示せばいいんですね。」

アカネさんはミリーのやる気に苦笑しながら条件を決めてくれた。


ファイルの依頼をあと5つ受けて完了報告ができたら研修は終わり。魔物の生態を知るため解体のマクガンさんに認めてもらうこと。体力があることと弱い魔物を倒せること強い魔物から逃げられることをチャックさんに認めてもらうこと。装備も含めて冒険者としての信頼ができるかどうかアカネさんが認めること。そのためにはギルドの解体と倉庫を中心に最低半年毎日依頼を受けること。また町ひとから信頼を得るために受けた方が良い依頼があればアカネさんが教えてくれるので依頼を受ける。秋のお祭りが終わったら試験をするからそれに合格することを条件としてくれた。

「ミリーがいるから指名依頼は条件にならないしね。半年の間に試験の内容を考えておくわ。半年じゃ、ちょっと不安だけど、まあ頑張って!」

そう言うとミリーさんは話しは終わりよ。っと僕らを追い出して仕事に戻った。




そのあと解体のマクガンさんのところに行き。僕らがC2冒険者を目指して半年間解体と倉庫を中心に依頼を受けること。アカネさんが試験をしてくれることなどを話した。

「そうかC2冒険者に半年でなるのか。ちょいと早すぎる気もするが、まあこんなご時世だ冒険者は必要だし、応援するぞ。そうだな基本は倉庫で依頼を受けてくれ。覚えてほしい魔物の解体が入ったら連絡するからその日は解体に来てくれ。チャックさんには俺から話しを通して、いや今から倉庫に行って話すとしよう。」



そうしてマクガンさんは僕らと一緒に倉庫に行ってチャックさんと話してくれた。チャックさんは僕ら3人をマジマジとみてからマクガンさんに頷いた。

「マクガンよ。儂に預けてくれるってことか?」


「ああ頼めるかな?」


「いいともさ。オル・・だっけな。ストレンジャーの息子じゃないか?面影がある。」


「はい。父さんを知ってるんですか?」


「お前さんの父さんだけじゃない。ミリーは宿屋のお嬢だし、マッシュくんだっけ・・は御者のハイクの息子だろ。小さな町だ、町の子供は大体わかる。それに・・・お前たちには見どころがある!」

見どころ!え?そんなこと初めて言われた。


「チャックさんこいつらに見どころが!!剣か魔法の素質があるんですか!!」

マクガンもびっくりだ。え!剣と魔法の素質!!って何?


「そんなことは分らん。本格的な冒険者を目指そうという心構えのことじゃ。」





ああ。びっくりした。そう言うことですか。異世界ファンタジーキターとか思っちゃったよ。マッシュは完全に期待してるな。ミリーの口が魔法のまーで止まってるよ。

「そ、そうですね。冒険者に心構えは大切ですよね。」


「そうじぁ。冒険者の心得 その18 冒険者たるもの冒険者であることを名誉をせよ。じゃ。」

ん。なんか微妙に違うような。たしか18は、、、僕が手帳を取り出すと


「ん。違っとったか。なんだったかの。」

「冒険者の心得 その18 冒険者たるもの冒険者の名誉を守れ ですね。」


「そう? 冒険者の心得 その18 冒険者は冒険者の名誉のために守れ じゃない。」


「俺のは 冒険者の心得 その18 冒険者は冒険者の栄誉を名誉とせよ  ですね。」


みんなで顔を見合わせていたらマクガンさんはどれでも大体一緒だなっと解体に戻っていった。




それから僕らは倉庫の荷物を運んで一日を過ごした。訳じゃなかった。



高床になっている倉庫の荷物を指示された別の倉庫に移動して、その大きな倉庫の床を掃除をした。床板がすっかりきれいになったところでチャックさんと僕らは円になって話した。


「子供が半年で町の外に行くってのは正直関心せんな。だけどギルドが冒険者を増やしたいと思っているのも分らんでない。お前らにひとつ約束して欲しい。儂が良いというまではC2冒険者として町の外に行かんで欲しい。」

僕らはそもそもチャックさんに力があることを認めてもらわないとアカネさんの試験が受けられないので素直に「はい。」と頷いた。


「そうか素直で良い子たちじゃ。年長者のお願いを聞いてくれるのも冒険者としての素質ありじゃ。」

にっこりと笑ったチャックさんは褒め上手だ。


「倉庫の仕事や解体の仕事が忙しくない時はここで稽古をつけてやる。体術、棒術、剣術じゃ。弓は扱い方だけしか教えられん。本当に基礎だけじゃ。あとは自分たちで稽古を続けて行くのじゃな。」

急展開だな。チャックさんは元冒険者であったとき若い冒険者がすぐ死ぬのが嫌で、C2冒険者になりたての見込みのある若いのに声をかけては稽古を付けていたと話してくれた。

見込みがあるとか本当に褒め上手だ。


で、その日の午前中は腕立て伏せ、スクワット、腹筋、正拳突き、蹴りなどを教えてもらった。


午後からは荷物が運び込まれたのでそれを運んだ。夕方仕事終わりに道場(僕らはそこを道場と呼んだ。)に戻って突き、蹴りを繰り返した。僕ら3人はすっかり無口になってしまって、チャックさんの明るい指導の声だけが道場に響いた。


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