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幸福の庭  作者: はつしお衣善
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星を継ぐ子どもたち

   ◆ 星を継ぐ子どもたち


 長い、とても長い時間が過ぎた。星は幾度となく回り、銀河は幾度となく宇宙を巡る。宇宙はあまりに広大で、時に果てはない。人の想いも、また――。

 ――――それは、夢か現か、それとも泡沫の幻想か。

 星の光に誰かが願い、誰かが祈った桃源郷。

 果てのない祈願に応えたひとつの奇跡。

 星の海の片隅だ。

「やっほー! 一番乗りー」

「ちょっとリク。ちゃんと足並みそろえなさいよ。みんなで一緒に降り立つって、散々言ってたじゃないか」

「何をー。ヨウコちゃんだって先走ろうとしたじゃんか。うずうず、うずうずってさ。足並みそろってないのは、あたしだけじゃないもん」

「ぐ……。そ、そんなわけないって」

「おふたりとも、あまり遠くへ行ってはいけませんよ。さぁ、フウカ。足元に気をつけてください」

「ありがとう、ミナミ。わぁ、きれいなところだね」

「ええ、本当に。……なんだか涙が出てきました」

「泣き虫だなぁ、ミナミは」

「ふふ、そうですね。でも、リクさんも泣いていますよ」

「あれれ? ほんとだ」

「やーい、泣き虫」

「だから、ヨウコちゃんもだってば」

「え、嘘? なんで?」

「えへへ。おかしいね。みんな泣いちゃって。でも、感動しちゃうのも無理ないよ」

「まぁね。こんなきれいな風景なんだもん。……あれ? あそこに誰かいるよ」

「本当だ。誰だろう」

「おかしいですね。この星には誰もいないはずですが」

「ああ――――長かった。やっと、やっと会えたんだね、私たち。お互い、ずいぶん遠回りしちゃったね。でも、これからはずっと、ずっと一緒だよ」

「アイリ……それ、船で書いてた手紙だよね? なんの話?」

「あの子、知ってるの? アイリちゃん」

「うん。顔は知らなくても、会えばわかる。ね、そうでしょ?」

 ――――そして、彼女はその名前を呼んだ。

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