二章 ❷ ミョルニル槌と装備の改修
新装備の説明です。
出来れば簡単なご意見、ご感想をお願いします。
何と伝えれば良いのだろうか…。ギルマスの執務室を出たその場で5分は考えている。
答えは出ないのでそのまま伝えるしかない。まったく…昨日の今日で誰が信じてくれると言うのか…。
ゆっくりと一段一段踏みしめて降りる。難しい顔をして降りてきた俺をニコニコと2人の笑顔が出迎える。
「レンさん!鑑定終わりましたよ!バッチリです。」
「そっかぁ、良かった。」
「じゃぁこれが、今回の報酬と褒賞の内訳です。確認して下さい!」
「えっ?なに褒賞って?」
思っていた賞金の額の倍以上が合計欄に書かれて有り、正直どう反応して良いのか分からない。
「特別手当?何だこれ?」
「ん〜、これについては15時頃にもう一度来て欲しいとの事です。」
「ん〜。分かりました。15時ですね?」
「えっと…支払いは何時ものハンターズバンクに振込みでいいですか?」
「はい。」
「次にハンターズリングを外して頂いて良いですか?」
「はい。」
「これからこちらがレンさんのハンターズリングになります。」
「へぇ…新調するのか…」
「ん?なんか今迄のとは違うね?」
「はい。新型です。この説明ももう一度来て頂いた時に行います。それでは以上です。」
「有難う御座います。」
カウンターを離れようとした時、かなり小さい声で
「「フォース昇格おめでとう御座います。」」
と、2人分賛辞をくれた。
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さて、ハンターズギルドを出て真っ直ぐミョルニルの槌へ向かっている。壊れてしまった武器のことを考えるといくら倍以上の報酬が入ったとしても頭がいたい。
「只今でーす。」
「あっレン君お帰り。聞いたよー?災難だったね。」
退屈そうに店番をしていたリーンさんが出迎えてくれた。
「あぁ、直ぐに工房の方に回って?お父さんが帰ってきたら来る様にって言ってたよ。」
「はい。丁度相談しようと思ってたところなんです。」
カウンターの横を通り抜け、裏の鍛冶場に顔を出すと
「あーレン君。お帰り〜。」
「おぅ来たか。」
「はい、只今です。」
「レン。そこ座れ」
「はい。」
「確かに魔化オーガを相手にして3匹も仕留めるたぁ、おめぇも強くなったもんだ…」
「はい。」
「けどな!武器はもっと上手に扱え!武器が使えなくなりゃぁ、お前は素手で戦わなきゃならねぇんだぞ!!」
「はい…。」
「今日の説教はここまでだ。それより直ぐに武器が欲しいんだろ?」
「はい。」
「ミラとヴェールからなグレイブと太刀、そして魔化オーガの素材を預かってる。」
「えっ?魔化オーガの?」
あの爆撃の中よくもまぁ残っていたものだ…
「魔化オーガ自体、オーガの素材とは比べ物にならないくらい魔素の変換効率が良い。」
「はい。」
「その特性を活かして、柄はこん棒から削り出し、刃の部分には形状変質させた牙をベースにグレイブの刃を纏わせた感じだ。持ってみろ。」
「これは…何だろうこれ自体に力が宿っている?」
「そうだ、魔装化した。加えて強度を上げる為、概念付与術式で『柔軟』をベースに『堅固』を載せ、更に『収集』を重ねた。そう簡単に折れたり曲がったりはしねぇ…。更に刃の部分には『堅固』『鋭利』『放出』の三段構えだ。太刀もコレとほぼ同じだ。」
「な、何ですか…それ…?最早一介のフォース如きが持つ武器ではなさそうな気がします…。」
「じゃぁ聞くが、一介のフォース如きがサードクラスが相手する魔化オーガを三体も潰すってのはどう言う了見だ?あぁ?」
「すみません。」
「解りやぁいいんだよ。ヴェールからな、圧倒的に防御力が低過ぎるとも聞いてる。」
やっぱり何処かで見られてたんじゃないか?
「そこで、だ。昨日ぶち壊れた試作円盾も、魔化オーガの骨と皮を使って強度を高めた盾を作った。カードの発射の安定性のために台形にはなったがな。」
「はい。」
「更に、魔化オーガの皮を鞣して防具の下に着込むアンダーウェアとマントを仕立て屋に依頼してる。数日のうちには届くはずだ。まだお前は成長期だし背丈も伸びる気がするから、概念付与術式で補填はするがな。」
「まぁこんな所だ。裏庭に出ろ。」
盾の性能試験は頗る順調だった。が、問題は武器だった。
柄に付与された『収集』の効果で、絶えず魔素が刃先に伝わって行く。それを受けて『放出』が発動し、『鋭利』で魔素の刃が薄く作られる。ハッキリ言ってもう魔剣の類だ。
「こんなん量産されたら怖いですねー。」
「じゃぁお前、魔化オーガを大量に狩ってこいよ。」
「あんなのそうそう無いですねー。」
「じゃぁ量産はないってことだな。そもそも付与術式自体が、素材の許容範囲を超えて付与は出来んからな。」
「つまりは?」
「今のところ、お前専用の装備って事だ。」
次は薬師ギルドへ
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