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オレをスキ過ぎる姉達がマジで怖いんですが!!?  作者: 低脳イルカ
ブルガルド王国行脚編 旅立ち編
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六章 ❻ レーテの村と新畑創造

土日はお休みしてました。

「取り敢えず、この4枚の畑の中心に簡単な社を建てたいと思います。


 そして、コレを奉納してください」


 小さな袋を渡した。


「こりゃあなんだ?石ころが六つ?」


「はい。白色は結界石。翠色は木気石。茶色の物は土気石です」


「はぁ〜」


 ちんぷんかんぷんな感じだ。


「結界石は周囲の魔素を安定させ、木気石は周囲の土気を集めて、木気に変えて行きます。


 その過程で草花などの植物がよく実ります。


 けれど、大地の気を消費していくので土地がやせ細ります。


 それを長い時間防ぐために、四個の土気石でエネルギーを充填します」


「これは魔術か?こんな使い方見たことないぞ?」


「本当はこういう使い方をするべきなんでしょうがね。今は魔族との戦いが起こっているから、みんなそこまで頭が回らないんでしょう。


 これと貝殻とかを焼いてすり潰したものを、時々撒いてあげるだけで、こう言った薬草ならどんどん成長してくれますよ」


「じゃぁ何か?簡単に言うと収穫が早くなるってことか?」


「まぁそんな感じなんですけど、勿論デメリットもあります。


 成長が促進されるのは、草花全体なんです」


「ん〜、お、雑草も増えるってことか?」


「はい。なのでちょこちょこ雑草を抜かなきゃなりません」


「まぁそこは問題ない。


 今だって孤児の連中を中心に、街のこども全体で雑草取りをやってもらってるからな


 そこまで生育が難しくないなら任せてもいい」


「基本的にはムンティスの薬師ギルドが全部引き取ってくれるので、収入は安定するはずです」


「そうか、それなら村の規模を拡大しても何とかやっていけそうだな」


「ジェイムスー!」


 畑の向こうでトマスさんが叫んでる。


「何だトマス騒々しいな」


「い、いや、お前の家に今、国の偉い人が来てるぞ!?」


「何だと!?」


 ジェイムスさんは俺の方を向く。ちょっと考えて口にした。


「レン。一応お前も来い」


 ◆◇◆◇◆◇◆


 ジェイムスさん宅に入ると、そこには見知った顔があった。


「スルートスさん!」


「お早うレン君。お早う御座います。ジェイムス様」


 ソファに腰掛けたまま挨拶をされた。


「お早う御座います。どうしたんですか?」


 俺とジェイムスさんはソファーに座る。


「うん。今日はドレファン様の代理で来たんだ」


 懐から包みを取り出す。


 その包みを丁寧に開けると、小さな水晶が出て来た。


 俺とジェイムスさんがそれを見ているとぼうっと光る。


 すると、水晶の上に上半身だけのドレファンさんが映し出された。


「やぁ、お早うレン君。そしてジェイムスさんだったかな?」


「おぉ!ドレファンの旦那じゃねぇか!」


「今日はね、レン君がやっている事や、そして、レン君がやっている事がどこまで進んでいるのかを知りたくて、こんな形を取らせてもらったんだ」


「そうだったんですか」


「それで今朝、ファティナ様からお伺いしたのだけど、もう薬草の量産の一歩手前まで来ているそうだって?」


「はい。昨日、薬草の栽培方法を知っているお婆さんを紹介していただいて、畑も開墾して頂いています。今育成の秘策をお渡しして、これから水路拡張を行おうとしていました」


 水晶に映るドレファンさんは、一旦目を閉じた。そして、


「一つづつ聴いていきたい、開墾の費用はどうしたのかな?」


「自腹で渡しました」


 ん?何でそんな事を?


「育成の秘策とは?」


「結界石と木気石、土気石を1:1:4の割合で開墾している畑の中心に置きます」


「水路拡張は?」


「そうですね…これはもう見ていただいたほうが早いと思います」


「時間は掛かるのかい?」


「いえ、そんなにかかりません」


 そう言いながら席を立ち、村の外の森から続く水路に来た。


「ジェイムスさん。あそこでいいんだよね?」


「あぁ」


 開墾している畑の近くまで一気に水路を掘る。


 と言うより削る。


 木剣を抜く。


「まさか…」


 ドレファンさんは勘付いたようだ」


「爪破!!」


 爪破の角度と範囲を調整して解き放つ。


 爪破は以前開発して、あまり使っていなかった技だ。


 それが一直線に、畑の外郭の一辺を削っていく。


 ガガガガガッ!!


 すると、一気に幅1メートル深さ1メートル全長五十メートルの溝が出来上がった。


「と、こんな感じで森までの水路を拡張します」


「ちょっと待ちたまえ、水路の拡張は出来ても水量は一定のはず…」


「はい。それにはこの水気石を使います。


 コレを森の湖に一個投げ込んでおきます。


 コレで一時的に水量は増えて、拡張した水路が安定するまでは水を維持できます。


 後は畑と同じ様に社を建てて、水気石を五個ほど設置します。


 定期的に魔力を供給すれば、この森から良質な水を一定量確保できます」


「定期的とはどの位かな?」


「大体十年位でしょうか」


「ふぅ〜。まさかこんなに早く…」


 ドレファンさんは目を伏せて溜息をついている。


「取り敢えず、ジェイムスさんに支払った分はこちらで都合をつけるよ。


 あと、レン君の動きが早すぎて、こっちでも追い切れないから、何か行動を起こす時は先に言って欲しいな」


「済みません」


「怒ってるわけではないんだ。


 レン君の発想に皆がついて行けないだけなんだ。


 そして、その発想は私達が思い付かなかった事が殆どだから、心の狭い人だと受け入れられない。


 私はね?それが怖いんだよ」


「はい」


「まぁ、この話はまた別の機会にしよう。


 後で木気石や水気石、土気石の作り方とか教えてもらえると助かるな。


 色々と使い道がありそうだ」


「分かりました。後でスルートスさんに伝えておきます」


「スルートスは今日一日、レン君の動きを見て置いてくれ


 今迄とは違った何かをしていれば報告を頼む」


「畏まりました、ドレファン様」


 スルートスさんは、水晶を綺麗に仕舞った。


「ではレン君、本日はよろしくお願いします」


 深々と頭を下げるスルートスさんに合わせてこちらも頭を下げる。


 ◆◇◆◇◆◇◆


「じゃぁ、ジェイムスさん。何から行きます?」


「そうだな…これだけの戦力になっちまうとやらせたい事が多過ぎて困るな…。


 おーい、トマス!お前こっちを見ててくれ!」


「わかったー!」


「頼んだー!」


 畑でのやり取りは基本的に大声だ。


 何か、改善できる事はないかな?


「よし、先ずは水回りかな。どういう風に指示すればいいんだ?


「はい。横幅と深さ、後は全長を下さい。


 基本的にカーブは難しいんですが、試し打ちするので一応言うだけ言ってください」


「そうか、じゃぁ今森から来ている水路がある。


 あれの通りに両幅を一メートル増やして、0.五メートル深掘りしてくれ」


「分かりました。マハ!」


 今迄俺の方に乗っていたマハが、大きなハヤブサとなって上昇する」


「レン殿は魔物使い《テイマー》何ですか?」


「はい。テイマーですよ」


 マハが見ている状況を感覚共有で確認する。


 成る程真っ直ぐではなく、所々曲がっている。


 今迄は何も考えずに真っ直ぐ飛ばしていたが、果たしてどうなるだろうか?


 先ずは飛燕で何も無い空中へ放ってみる。


 飛燕は基本的に横一文字だ。


 放つ瞬間に手を下に落とせばどうなるだろうか?


 ヴゥァァアアア!


 ほんのちょっとずらすだけで結構曲がる。


 それから数回放ったあと今度は爪破を試す。


 爪破は大地を走らせるために、いつも切り上げている。


 コレは大地を掘削してしまうから狙いをいつもより上にして試す。


 流石にS字は難しいがカーブなら問題なくいけそうだ。


「やります!」


 ◆◇◆◇◆◇◆


「早いですね…まだ、一時間も経ってない気がするんですけど?」


 スルートスさんもビックリだ。


 あっという間に終わってしまった。


 以外にやり出すと楽しくて色々工夫もしてみた。


 例えば、掘る地面と水底の水平にして壁を直角にとかやってみた。


 ただ水路脇には、爪破による巻き上げられた土がある。


「あぁ、そりゃこの水路の縁を作ったり色々必要なんだ。


 だから、そいつはそのままでいい。


 流石にそんな事までは出来んだろ」


 ん!?今中の人が反応した。


『ふんっ。出来ないわけねーだろ。


 この間煉瓦の作り方も聞いてるしな』


 以前、俺がミョルニルの槌の親父さんに、建材のことを聞いていたのを言ってるんだろう。


 おっと?まさかこの状況?


『やるぞ馬鹿弟子!』


 このパターンか…。


「ジェイムスさん」


「ん?何だ?」


「もしですよ?この土が煉瓦になったらどうします?」


「そりゃー嬉しいに決まってるだろ!出来んのか?」


「やるだけやってみます」


 水術で一定量の水分を土に含ませ、木術でかき混ぜる。


 火術で乾燥させ、煉瓦を生成する。


『ま、俺にかかりゃ簡単よ』


「『四行相生!煉瓦創造!』」


 俺の周囲を青白く輝く陣が浮かび上がり、水路周りの掘削によって出来た土を発光させる。


 すると、


 目の前から、森の湖に至るまでの土塊つちくれがみるみる長方形の煉瓦へと姿を変えていく。


「「なっ!!?」」


 ジェイムスさんもスルートスさんも口を開けている。


「何とか行けました。あの煉瓦を使ってどうするかはお任せします」


「お、おう…」


 ジェイムスさんもスルートスさんも、煉瓦の感触と質を確かめている。


「さて、他にありますか?」


「いや、こんなとこだな」


「じゃぁ、水を増やして来ますね?今の川幅拡張工事で水まで吹き飛ばしちゃったんで」


「なんかもう至れり尽くせりだな…」

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