四章 ❻ ハンターズギルドと緊急クエスト④
いつも読んでくださって誠に有難うございます。
お手数ではございますがちょっとした感想等を
頂ければ幸いです。
街壁外に待たせてあるブラドに飛び乗る。場所は南西の林の中だ。
思った以上に魔獣が惹かれているらしく、二十頭のハイウルフが屯しているらしい。
既にマハを先行させている。感覚共有のスキルはこういう時に本当に役に立つ。
マハとの視覚共有で得た情報によれば、既に戦闘は始まっている。
問題なのはフィフスのパーティーが、シックスのパーティーをフォロー出来ていない点だ。
このままでは怪我人がでるのは時間の問題だ。
ブラドに全速で駆けるよう伝え更に『疾風』をかける。
感覚共有中で近距離のバディには、『一心同体』を用いずとも魄術も共有出来るのは素直に有難い。
そのまま林の中に突入する。三十秒も掛からずに焦燥の声が聞こえてきた。近い。
林の中ということで、グレイブではなく小太刀を二対カードから顕現させる。
勿論烈光剣を使えば、成熟した木ごと断ち切って真っ二つにすることはできる。
だが、倒木に周りが被害を受けるならそれは回避したい。
目視で確認できるようになった。更に三十メートルくらい近付いて、ブラドの背を足場に真上に飛ぶ。
慣性の法則に則って目前に現れる木を蹴って、最初のターゲットに襲いかかる。
ヒュッ!
左手の小太刀を逆手に持って、ウルフの真上を通り抜けながら胴を断つ。血と内臓が溢れ出す前に次の獲物に飛びかかる。
ビックリしたのは双方だ。シックスのパーティーはハイウルフに囲まれていたところに彗星の如く現れる人影に、囲んでいたハイウルフは統率していた群のリーダーがいなくなった事に驚いた。
無論、この間を逃す手も無く十一頭のハイウルフを切り捨てた。
あとはフィフスのパーティー方だ。あと数匹。使ってみよう。
シュシュシュッ!
右腕の盾から何かが発射された。
「「「ギャン!!」」」
飛びかかろうとしていたハイウルフ達の体を何かが貫通した。
そこへトドメの一撃を刺していく。
「ふぅ…。お疲れ様です。」
「「有難う!」」
近寄って来たフィフスとシックスのパーティーリーダーから素直に御礼を言われた。
フィフスもシックスもリーダーが女性という事もあり、俺もまんざらでは無い。
「いやいや、気にしないで良いですよ。今回のクエストの俺の位置付けは遊撃なんで。」
「うんうん。私達だけじゃあんな数のハイウルフを無傷で捌けなかった…。本当に有難う。」
フィフスのリーダーが改めて感謝を述べる。
「まぁまぁ、それよりパパッと終わらせちゃいましょう。」
「あーそうだった。じゃぁお願い。」
フィフスのメンバーであろう方術師の男性がスッと前に出て杖を前に出す。
その所作をジッと観察する。少し時間がかかり過ぎている節がある。あとでミラ姉さんに聞くとしよう。
「では、一旦戻りますので、また何かあったら呼んでください。」
「あっ!うん。有難ーう!」
スッとブラドに跨ってブラドの背をポンポンと叩くとゆっくり歩き出した。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
ハンターズギルドへの帰り道、小盾の新しい使い道にホッとした。これからの戦力として有益になる。
やった事は薄い練気剣を、盾の発射装置内に発生させ打ち出したのだ。
昨日色々とやっている最中に、烈光剣ではなく練気剣でも飛ばす事に気が付いた。それを応用したのだ。
あれこれと試案する事で更なる一手を生み出す。そこからの更なる一手が、勇者達に人造勇者として対抗できる一手になる。
などと考えていたら…
ヴヴッヴヴッヴヴッ
ハンターズリングが震え出す。読むとシンシアさんからだ。急行ポイントと簡潔な状況が左から右へ流れ出す。
カードを取り出し、マップを顕現。ざっとの位置と方向。そしてマハに指示を出し、先に現場調査をやってもらう。
踵を東へ向ける。ブラドに『感覚共有』で方向を伝える。少し早足になる。
『疾風!』
ブラドは駆け出す。分かってくれているようだ。
場所はゴドフリーさんの隊が向かった。最南東の魔穴だ。まだ戦闘状態には入っていないがかなりの数らしい。
たった半日でどれほどの魔物や魔獣が集まったんだ?昨日はそんなにいなかったはずなのに…。
一度立て直しも考える。もしかすると、思った以上に重症かもしれない。
先ずは目先のゴトフリーさんの隊に合流して封滅を考える。対策はその後に考えよう。焦る気持ちを何とか抑えていた。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
ゴトフリーさんの隊は、魔穴の六十メートル程手前で立往生していた。
「お待たせしました。」
「ぅお、お、おう。すまんな。」
ブラドに少し驚いたみたいだ。ブラドのことはあらかじめ伝えてあったが、ブラドの大きさに引いてしまったみたいだ。
「あー呼び立ててすまん。ちと数が多くてな。」
「はい。その様ですね。」
既にマハの偵察で粗方の情報は得ている。ゴブリンが六十体と多めではある。因みにマハは上空を旋回している。
向こうは裾野の開けた場所に魔穴があり、それを囲む様に布陣している。このまま魔穴からの魔素の供給があればゴブリンの進化が早まってしまう。
カードから長弓を顕現させる。
「ん?一体ずつ仕留めるのか?」
こちらは見下ろす感じで丘の岩陰に隠れている。
「いえ、では武器を構えて下さい。」
「何?」
「地の利はこちらにあるので奇襲をかけます。四発撃ち込みますので粉塵が収まったら突撃します。」
「お、おぅ。」
岩の上に飛び乗り弓を構える。
「ハァァァ…」
矢を番えるさまに、ただらぬ雰囲気に九名が息を飲む。
「ハッ!」
ヒュッ
直ぐに二射、三射、四射と撃ち込む。
ドォォーーン!
ドォォーーン!
ドォォーーン!
ドォォーーン!
いきなりの爆発。ゴトフリーさん以下九名は目を丸くして驚いている。それよりも驚いているのはゴブリンだ。
直ぐマハに直上を風を纏って飛ぶ様に指令を出す。
するとマハは旋回下降し、魔素の真上五メートル上空を駆け抜け粉塵を連れ去る。
ゴブリン達の半数以上は驚く間も無く生き絶えている。残りは何らかの負傷をしているものが多数。…決める。
岩から飛び降り、真下のブラドに跨る。
「突撃!!」
「「「「おおぅ!!」」」」
ゴトフリーさん含む前衛四人が俺に続く。その後から弓兵と法術師、魔術師が続く。
言ってもブラドの早さについて来れない。それでも待つ気は無い。時間が惜しい。
武器はグレイブを選択。狼上の優位を活かす。
「ハァァァッ!!」
狙うは余り傷を負っていないゴブリン。動けないゴブリンや気絶しているゴブリンは後ろに任せる。
数度駆け抜けた時、漸くゴトフリーさん達が追いついた。
「ゴトフリーさん!」
「おぉ!」
「後は大丈夫ですよね!?」
「あぁ!ここまでしてくれたら大丈夫だ!」
「俺は他のとこが心配なのでもう行きます!ギルドで会いましょう!」
「分かった!気をつけてな!」
「はい!トドメと封滅お願いします!」
直ぐに場を離れ、レーテの街へブラドを走らせた。
いつも読んでくださって誠に有難うございます。
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