四章 ❺ ハンターズギルドと緊急クエスト③
いつも読んでくださって誠に有難うございます。
お手数ではございますがちょっとした感想等を
頂ければ幸いです。
「師匠…何やってたんですか?」
「えっ?」
ルイとゾッドの視線が痛い。
「昨日、日付が変わる前には戻って来るって言いましたよね?」
「あぁ。それがどうした?」
「どうしたじゃないですよ!
僕とゾッドはモーラとミラさんとセリアさんから監禁されて詰められたんですよ!?」
「えっ、えぇ〜。なんかごめん」
「ぼ、僕らも男だし?分かりますよ?そういうところに行きたい気持ちは?」
「あぁ。行くなら連れて行って欲しかった」
何言ってんだコイツら?
「いや、行ってないし!そーいうとこ行ってないし!!」
ここはハンターズギルドの中だ。
あの後、知識欲が睡眠欲を上回り、担当分の全て魔穴を封滅するまで夜のドライブを楽しんでしまった。
聞き耳を立てているのは今日早番の受付嬢ラムさんだ。
朝一で戻ってきてからずっとテーブルで寝ている所を毛布を掛けてくれた。
そしてルイとゾッドに起こされた感じだ。
「ちょっと裏の井戸で顔洗ってくる…」
弟子達に説教を受けた後、装備を脱いで井戸水で体を拭いてサッパリした。
戻ってくると既に面子が揃っている。
「お早う御座います」
「お早う。朝早いな」
「あぁ、お早う。今日は頼むぞ。」
「あのー。今日の事なんですけどね?」
ボルドさんとゴドフリーさんに既に自分の分は終わった事を伝えると顔を引きつらせた。
そして、計画の変更を伝えた。俺はハンターズギルドに常駐し、何か予想外の事があった所に駆けつけるという遊撃隊をやると言うのがその内容だ。
「お、お前…」
「流石は最年少三等星といったところか…」
「いや、三等星は臨時なので…」
「お前…知らんのか?ゴドフリー教えてやれ」
付き合いきれんといったボルドさんはゴドフリーさんに説明を投げた。
「この緊急クエストは、サードに至る最速の近道だ。
そしてコレで試されるのは集団先頭の適正だ。
サードは国家間、又は魔族の侵攻に対し集団を率いて戦わなければならない。
その為の試験だ」
「あー…。そう言う?
じゃぁ今回のって独断専行になるのかな?まぁいいや。
それよりですね、俺の分が終わったので、今日からの三日間で、もし何か不測の事態や人手が足りない時は俺が駆けつけます。
なので、ギルドにガンガン連絡入れてください。」
「あぁ、分かった。」
「定時報告は十時、十二時、十五時でお願いします。
では…行きましょう!」
「「おぅ!!」」
〜・〜・〜・〜・〜・〜
「暇だなぁ…」
全員を送り出してギルドでじっとしているのも性に合わない。
そこで練武場で素振りをしていた。そこへ…
「あれー?レンくん。魔穴はどうしたんだい?」
「あ、ギルマス。魔穴は報告待ちです」
「そうか…。」
「じゃー、一手手合わせどうかな?」
「ん〜。」
各パーティーから連絡が入り次第動かなければならない。
下手に消耗するのは得策じゃないがこんな機会滅多にない。
「お手柔らかにお願いします」
「分かってるよー」
向き合う。
急に空気の密度が濃くなっていく感じがする。
身体中に纏わりつく緊張という鎖。
深く息を吐く。
ギルマスの体が蜃気楼のようにブレる。
左!
摺足で一歩前に踏み込みつつ、木刀を縦にして受け止める。
練気剣で木刀の硬度を上げていなければ、この一合で終わっていただろう。
そして骨まで伝わる衝撃に
『魂魄憑依』
発動した。
このところ練気剣、烈光剣、精霊術、虚術と根元の何かを忘れていた気がする。
元々はこの烈光剣でさえ借り物だった気がする。
それが今はどうだ、状況に応じて硬度の振り分けができている。
更に途切れない。流れの中でやれている。
ギルマスの一手一手は考えさせられる。
この位のスピードなら次の一手を考えられる。
後一歩で何かを掴める気がする。
作り物の勇者ではない。
別の何かになれる気がする。
相変わらずギルマスは早い。一撃も重い。
でも、深度が深まったからか追えている。
耐えれている。
「ん〜。ギアを上げるよ?」
どうやらここからが本番らしい…。
「じゃぁ…セカンド。行くよ。」
単にスピードが上がるだけじゃない。
一撃の重みも上がっている。
でも、でもまだだ。まだ頭で考える『余裕』がある。
三合に一合は此方が仕掛ける事ができる。
更に打ち合いコツを掴んで来た。慣れたという感じだ。
「いい感じだねー。じゃぁサード。いくよー?」
「くっ?」
〜・〜・〜・〜・〜
「ほい。お疲れ様ー。今日はサードまでかなー」
「はぁはぁはぁ…。あ、有難う御座います」
大の字になって天井を見上げたまま、首を横にして感謝を伝える。
「次はフォースまで出させるように頑張ってねー」
と、ニコニコ笑いながら二階の執務室へ降りていくギルマス。
化け物だな…。汗一つかいてるようにみえない。
頭の中で今の打ち合いを反芻する。
何回も何回も反芻する。
思い上がっていた自分を嗜めるように…。
柱に持たれかかって休憩していると壁のランプが赤く点滅しはじめた。
シンシアさんからの緊急要請だ。
まだあちこち痛む体を奮起させ立ち上がる。
さてと、行きますか!
いつも読んでくださって誠に有難うございます。
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