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オレをスキ過ぎる姉達がマジで怖いんですが!!?  作者: 低脳イルカ
フォース(4等星)昇格編
13/97

二章 ❼ ゴブリン洞窟と永久召喚

今からが本番!


出来れば簡単なご意見、ご感想をお願いします。

 これではジリ貧だ。もう三十分近く戦い続けている。


 出てきたオーガを倒す→その魔素を吸収して召喚が始まる→オーガを倒す→その魔素を吸収して召喚が始まる…の螺旋音階だ。


 厄介な事に、さっき倒してきたゴブリン達の魔素と、自然発生する魔素も元に永久召喚の経験値が上がっていく。


 何処かで頭打ちは来るのだろうが、少しづつだがオーガの手応えも上がっているのだから頭打ちの天井はまだ見えない。


 もうこれ第三種魔素災害級では無いのか?あの永久召喚は中位精霊術か中位法術の破邪法でなければ打ち砕くことは出来ないだろう。


「くっ!!」


 こんな事ならミラ姉さんに中級精霊術まで教えてもらっておくべきだった…。


 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜


 あぁ…中級精霊術まで教えておけば…こんなに長々と戦わなくても済んだのに…


『おいミラ、あの永久召喚どうやったら止まるんだ?』


『えっ?私の精霊術か、砲術士の破邪法で一発よ。』


『他には?』


『他?簡単なところで行けば陣を破壊するとか…でもこれには…。』

『よし、分かった陣を破壊すればいいんだな。』


『あっ、ちょっと待ちなさい!こら、そんなことしたらっ!』


 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜


「んっ?何か陣に亀裂が…小石?」


 少しずつ魔素が加速して行く。そして急速に魔素が収束し収束し収斂する!


「やばいっ!!」


 俺は一にも二にも無く倒れ込んだ。


 ドオォッッン!!!!


 十七体目のオーガを倒した後、陣は爆発。


「なんなんだ一体…。あれは永久召喚じゃなかったのか?」


 ズリッズリッ


 ゾクッ…今のは…何だ?


 ズリッズリッズリッ


 この世のものでは無い何かがいる。あの粉塵の向こうに。もう出てきてしまっている。


 ヴォッ!!!


 邪気を乗せた突風が粉塵を払う。這い出てきたのは牛頭馬頭ギュウトウバトウの双頭の化け物だった。


 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜


『貴女なんて事してるのぉっ!!』


『だってお前が陣を壊せばってよ…』


『最後まで話を聞きなさいよ!このお馬鹿!!』


『で、だ。ミラ。ありゃ…なんだ?』


『貴女ちょっとはって…えっ?』


『アタシはあんなの見た事ねぇ。』


『き、奇遇ね?私もよ?』


 このお馬鹿につける薬を発明したい。真摯にそう思いました。


 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜


 恐らく混沌種。何らかの副作用で新種の魔物が生み出されたみたいだ。そして、さっきから冷や汗が止まらない。


 本能的に今の俺では勝てないと察知しているのだろう。けれど…コイツならどうにかなる。そんな感じがする。


『魂魄憑依』


 瞬く間に目の前にあるものとは別種の何かに圧迫される。そして覆い被さってくる。


『ふはははっ!牛頭ゴズ馬頭メズの双頭鬼か!鬼だけでは飽き足らずかようなものとの死合を所望とはな!!』


 何故か分からないが狂喜している。そんなに喜んでるのなら!


『あぁ…だから…手を貸せよ!』


『元よりそのつもりよ!』


 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜


 レン?あの子戦うつもりなの!!?


『ちょっと、あれは今のレンには荷が勝ちすぎるわ!貴女責任取って行きなさいよ!!』


『ミラ、すまんちょっとだけ見させてくれ面白そうだ…』


 あぁ…この戦闘狂…また私がやろうかしら?でもあのクラスを手早く仕留めるとなると私の精霊弓ではちょっと辛い。かと言って精霊砲だと洞窟がもたない…。あーこの戦闘狂めっ!!


 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜


「「ぅおぉぉぉぉぉっ!!!」」


 体が馴染む。どっちがどう馴染んでいるのかは分からない。結局俺の覚悟が足りなかったのだろう。


「「ハァ!!」」


 一歩ずつ近づいていく感じがする。互いの溝が埋まっていく感じがする。


 牛頭馬頭の得物は金棒だ。しかし大きさは普通。長さが体軀に釣り合っているだけ。けれども双棒。しかも俺のふた回り以上の体軀から繰り出される上背の乱打はさながら暴風の様だ。


 そんな暴風をしなやかな何かの様に受け流し、躱し、払う。ミラ姉さんの体術にも、ヴェール姉さんの竜槍術にも無い次の一手を繰り出す為の流れ。


 眼前が限りなく遅くなる。光が溢れる。


 久遠の中に紡がれた、殺める為の技が、眼の前で身体の中からこんこんと湧いている。湧いてくる。


 影追い稽古を朝の鍛錬に取り入れている。しかし眼前のこれは、これを会得するには、影を追うのではなく影を踏まねばならない。


 足捌きは全ての体捌きに繋がる。そうヴェール姉さんが教えてくれた。確かにそうだ。


 しかし、こんなに優秀な師が、身の内に潜むとは誰が気付くだろうか?


 一歩を踏み出せば、深遠な夜がこんなにも輝いている。一つ一つの所作が、一等星の如く輝き、何事も無い息遣いまで六等星の星になって輝く。


 しかし…終わりは唐突に思い掛けない所で訪れる…。


 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜


『なんだ?ありゃあ?』


『ええ…あんなもの私は教えてない。』


『アタシもだ…。』


『エルフの体術とは違う。何というか異国の舞いの様な…。』


『竜槍術にあんな型は無い。そもそも型なんてものがあるのかアレに?』


『でも綺麗…。』

『綺麗だな…。』


 あぁ…ずっとずっとアレを見ていたい。でもそれは…あの子を死地に追いやらなければならないのでしょうね…。

さぁ勝負の行方は!?


出来れば簡単なご意見、ご感想をお願いします。

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