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  王都への道(3)エピローグ


「着いたな」

「テーマパークの城みたい〜!!」


 三月は、俺のセリフに被った。・・・苛立ったから殴った。


「あ、あのさ・・・僕、中に入れないから」


 何でだ?聞いても言わないだろうな・・・


「行ってらっしゃい」


 那瀬は理由を知ってるみたいだな。聞くつもりは無い。

 フィルは、立ち去った。俺達は城の入口に向かった。


「お前達は誰だ!?」


 騎士が俺らを立ち塞いだ。物騒だな・・・真剣だ・・・切れ味よさそうだな。


「・・・手紙が届いてると・・・」


 は?那瀬・・・何言ってんだ?何を知ってるんだ?


「あぁ・・・貴女が・・・確かに美しい」


 は?コイツ・・・那瀬が綺麗なのは分るが・・・


「どうぞ中へ・・・」


 全くわけが分らないまま入って行く。

 とんとん拍子に王の間についた。

 威厳があるな。髭を生やしてるけど・・・


「お前らは、ワシに用があるみたいだな」

「はい・・・」


 那瀬は、王が相手なのに普通だ。


「噴水の街の近く・・・私達の仲間がいる・・・保護してくれませんか?」

「・・・」


 うっ・・・凄いオーラ、というよりも、プレッシャーが掛かる。


「・・・等価交換だ」

「何でしょう?」


 等価交換・・・価値または価値の等しいことを交換する。


「姫の行方が分らないのだ・・・捜してくれないか」

「・・・すみません出来ません」


 那瀬?どういう事なんだ?


「どういう事だ?」


 王様も同じことを考えたようだ。

 珍しく三月も黙ってるから、脱線しなくて済む。


「・・・約束したから」

「・・・そうか。なら良いだろう。他にもあるんだ」


 約束?いつの間にしてんだ?王様も、やけにあっさりしてるし・・・


「“運命の翡翠”を探してほしいのだ」


 「運命の翡翠?」と、みんなで口を合わせた。運命の翡翠って・・・宝石だよな?


「本来なら息子・・・王子が探しに行くのが試練なのだが・・・」

「・・・息子でなく娘だった」

「そうだ。それに・・・姫も行方不明になってしまって・・・」


 王子でなく姫だったから、宝石を探すという試練を受けることが出来なかったのか。

 でも、姫でも護衛を付ければ取りに行けたんじゃないか?


「たぶん、代々・・・男じゃないといけなかったんだ」

「そうだ・・・」


 掟ってわけか・・・厳しいもんだな・・・王族ってのも・・・

 那瀬、詳しいな。やっぱり財閥の娘ってのも理由なのか?


「・・・どこにあるのですか?」


 ずっと黙ってた琉川が聞いた。これを知らなかったら探しに行けないし。


「場所は、異端なる台地だ」

「“異端なる台地”ってなに?」


 三月は頭を振りながら聞いた。俺も分からなかった。いや、たぶん琉川も那瀬も・・・


「ここから東の嵐が吹いてる誰も近付けない台地だ」

「誰も近付けないのに行けるの?」


 おい三月。相手は王様だぞ・・・ヤバくねーか?

 王様は震えてる。怒ってんのか?


「はーっはっはは!!面白い娘じゃ・・・姫とは仲良くなれそうだ」

「そうっすか?」


 だから、喋り方気をつけろよ・・・


「ねぇ・・・異端って何?」

「異端ってのは・・・正統と考えられてる思想・信仰などから外れている事。また、その説」


 やっぱ頭良いな那瀬。辞典で調べたようなセリフだったし・・・生き字引ってところか?

 俺も知らなかったけど知ってるフリしてたし・・・


「台地って大地と、どう違うの?」

「大地は、広く大きい土地です」

「台地は、周囲より一段と高く表面が広く平らな土地って意味」


 琉川も頭良いんだな。羨ましいぜ。俺も協力出来たらカッコいいだろうな。


「だけど、台地にあんのか?翡翠なんて」


 俺は、他のことを考えてた。

 那瀬も頷いて考えるポーズをしてる。可愛いな。


「普通じゃない台地ってことだよね?」

「そうね。嵐ってのも考えると普通じゃ通れないわ・・・三月」


 普通のRPGだったら重要なアイテムとか手に入れるだろうな。


「嵐か・・・竜巻ってとこだろ」

「砂埃凄いよね?きっと・・・」


 完全防備で行かなきゃいけねーな。助けるためとはいえ、面倒なことになった。


「街の人に聞いてみましょう」


 琉川の一言でみんな頷いて、帰ろうとした。


「娘を頼む。地下に宝箱がある好きに使うが良い」


 どこまでRPGでいくんだよ。地下に宝箱って、なんかレアな武器とかアイテムとかあれば良いのにな・・・・






 わけが分らないことばかりだ。

 那瀬なら全て知ってるんだろうな。

 いつになったら教えてくれるんだろうか・・・全てを・・・


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