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3話 王都への道(1)プロローグ


「あれ?ナッチャンどこ行くの?」

「・・・散歩」








 僕は、部屋でのんびり・・・なんてしてられないけど、書き物をしている。

 廊下に人の気配がして書くのを止めた。


「だれ・・・?」


 僕は、ソッと扉を開けた。そこには、那瀬サマがいた。


「・・・・どうかしたの?」

「・・・」


 黙ってた那瀬サマを部屋に招入れてお茶を出した。

 那瀬サマは飲んで「美味しい」と言ってくれた。自分のじゃないのに、なぜか嬉しかった。


「話・・・って?」


 僕は、自分から切り出した。那瀬サマは言い辛そうにしていたから。


「・・・アナタは誰?」


 何を言ってるの?僕はフィルだよ。


「じゃあ・・・本当の名前は?」


 何を知ってるの?君は・・・どこまで・・・


「言いたくないなら・・・・いいから」


 那瀬サマだけには秘密を作りたくないな・・・だから、言うよ?嫌わないで・・・


「僕の正体は――――」


 全て話したあと、息を呑む声がした。

 ビックリした様子だけど表情は変わらない。


「やっぱり・・・か」


 どこまで分ってるの?キミは・・・


「黙ってる・・・みんなには・・・」

「ありがとう・・・」


 拒否しないでいてくれたのは嬉しかった。僕の味方・・・本当の味方が出来た気がした。


「ありがとう・・・協力してくれて・・・」


 あぁ。あの事か・・・なんか、嬉しいな。那瀬サマにお礼言われるの。やっぱり好きなんだなぁ。


「いつ“出すの”?」

「これから・・・多分間に合うから・・・」


 僕達の会話が分らないだろうけど、いつか分るよ。嫌でもね。

 だから首を長くして待ってて・・・って、誰に言ってんだ?


「じゃあ着いたらフィルはどうするの?」


 初めて名前で呼んでくれた。はぁ・・・幸せだ。三月の気持ちも分るなぁ。


「・・・言い訳作って街を探索するよ」

「・・・うん」


 なんか暗い顔になったな。理由が知りたいんだろうな・・・でも、言えないから・・・







 今はまだ・・・


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