荒野との戦い(3)エピローグ
「暑い・・・」
「そうだな・・・」
フィルの発言に賛同した十代。ムキー!私の時は無視だったのに!!
「大丈夫?三月・・・」
やっぱ優しいよ〜ナッチャンは・・・癒し系だし〜!!
とりあえず私は「大丈夫!」と言った。すると、十代は「馬鹿だからな」と言った。
バカは関係無いじゃん!!
「・・・雲一つ無いから暑いね」
「大丈夫ですか?お嬢」
ナッチャンを心配する琉川。なんか羨ましいなぁ〜ナッチャンの役に立てて・・・私だって頑張るもん!!
「近くに噴水の街があるから」
「噴水!?」
フィルの言葉に喜ぶ私。だって涼しいだろうね!!
他のみんなも嬉しそうだなぁ〜。
「・・・どんな街?」
ナッチャンがフィルに聞いた。
確かに気になるしね!!
「水が豊かで水上レースとかもあるんだ」
「レース!?」
十代はレースとか好きだもんなぁ。フィルに詰め寄ってる。フィル可哀相だなぁ。
「食べ物も美味しいですし」
「ホント!?」
うへへへ・・・たくさん食べたいなぁ!!
あれっ?なんでナッチャン暗い顔してんだろ?
「どうしました?」
「学校に・・・生徒・・まだ残ってる」
ナッチャンの言葉にみんなは「あっ・・・」と暗くなっちゃった。
暗いの嫌なのになぁ!!
「だったら、王様に頼もうよ!!食べ物送ってくれるかもよ!?」
なんで、みんな驚いてんのさ・・・
「三月にしては考えるじゃねーか」
「失敬な!!」
なんだよ・・・私だって考えてるんだから!!
「でも・・・一般人の私達が会えるわけ・・・」
また、ズーンと暗くなっちゃった。
にゃー、そんなつもり無かったのに・・・
「・・・一応、行ってみましょう」
フィルの言葉に、うなだれてた頭を上げた。
「でも・・・」
「とりあえず今日は泊まりましょう。明日、王様に会いましょう」
強引に決まった。良いのかなぁ?
十代なんて「レースは!?」って言ってたけど「十代だけ残りますか?」と、琉川の発言で首が千切れるかという位振った。
何があるか分らない世界だしね。怖いよ。
みんなで、宿屋に着いた。
魚の絵が描かれてる宿屋・・・ってかホテルかな?
中は水族館みたいだった。魚が気持ち良さそうに泳いでた。
「じゃあ男と女で別れるか」
十代は、パッと決めた。
「あ、あのさ・・・僕一人が良いな」
「まぁ・・・払うのフィルだし・・・いいぞ」
「ありがとう・・・」
どうしたんだろう?なんで一人?
あ、いきなり知らない人と寝るのは嫌だもんね!!
「こちらこそありがとう・・・」
私も、お金のことお礼を言ったよ。ナッチャンは偉いな。みんなより先にお礼を言って・・・
単価だっけ?そういうのが違うんだね・・・
「じゃあ・・・おやすみ」
不安だってあるけどさ、私が暗かったら誰が明るくすんだよってね!!だから絶対私は明るくなる。
みんなの電気になるんだから!!