10話 文化しゃい(1と見せかけて一日目)プロローグ
色々気になる題名だけど、こんにちはカズネです。妹は、学校で僕は舞台の練習中です。
“文化しゃい”じゃなくて文化祭ですからね。噛んだんだね。誰かとは聞かないで。
「オフコース!!我こそは勇者じゃ!!」
創った人出て来いや。何ちゅーセリフを言わせる気だよ。僕でもキレるよ?
天然って周りが言うけどさ、天然って何さ。自然ってことでしょ?なら良いじゃん!!
「壬生!!勇者の格好でブツブツと根暗に独り言を言ってんじゃねーよ!!」
声に出てたんだね。すみませんでした。
「ふふ、カズネくん頑張ってるね?」
その場に似合わないほどの澄んだ声がした。
みんなは「那瀬様」と、言ってる。
「那瀬・・・呼び捨てでいいって・・・」
僕は、舞台から飛び降りて、那瀬の元へ向かった。
「ごめんね。カズネのところは、演劇なんだ」
「うん。那瀬のところは?」
「私?メイド喫茶だって・・・」
に、似合ってる。絶対行きたい!!
「舞台が優先だぞ」
さっきから話し掛けてくる友人Aがうるさい。
「テメーが頑張れば良いじゃないか」
「うっ・・・」
カナからは、エスだって言われるけどよく分らん。そのつもりも無いし。
「第一、勝手に決めたのはそっちだろ?文句言うなら僕は出ないから」
「わ、悪い!!」
なんかイライラした。那瀬の前だってのに。
「頑張ってね。私見に来るから」
那瀬の言葉に張り切るみんな。凄いな愛されてんだ。
那瀬が来るなら、僕も張り切るかな。
はい。妹です。誰って?はい。呪いますよ?はい。冗談ですよ?はい。見る人がいなくなったら私が消されますよ。
私はカナです。めんどくさい授業を受けてます。ダルいけど。
「三国志の総大将を三人答えろ」
誰かの趣味かよ。とあるゲームから三国志が好きになったからって、小学生に何を質問してんだろ?ってか、私の年だったら出来ないじゃんか、そのゲーム。
「ムカつくーー!!」
「み、壬生さん?何が気に入らないの?」
「なんで女同士で結婚出来ないの!?」
私の言葉にオロオロしだす先生。面白い。このままからかっちゃおう。
「先生どーにかしてください!!」
「む、難しいですね。結婚は・・・うぅ」
この先生も結婚まだな三十路だし。童顔だけどね。オタっ子(オタクな子)って感じ。
「あ、あのね授業・・・」
「魏は、曹操。呉は、孫堅。蜀は、劉備です。私的には一番強い呂布が好きです」
「せ、先生も使いやすくて好きよ?」
何が?やっぱりゲームの話だったんですか?
「オタっ子先生」
私が言った言葉にクラス全員が「オタっ子先生」と、声を合わせた。
泣き出したオタっ子先生は走り去った。
「うーざーいー」
溜め息を吐きながら携帯を見るとメールがきてた。
オタっ子先生は、数分後戻って来るから気にしない。いつもの事だし・・・。
「えとえっとー『那瀬は、メイド喫茶をするらしい』・・・・マジか!!」
兄からのメールに「キャッホイ」と、奇声を上げながら帰る。
途中で、オタっ子先生に会ったけど早退した。
私にとってお姉様は神様に等しいもの。
邪魔をするものは滅せよ!!
私は誓う!!このブラックな本に!!お姉様を守ると!!