不穏な空気(2)
「無事かい?みんな・・・」
部屋に煙りが纏わりつく。
煙りが薄れたら、ボクは、みんなの心配した。
「私は平気だけど・・・」
「みんなが・・・」
やっと煙りが晴れて、辺りを見ると、ゴツい奴等が石にされてる。
「・・・・そんなっ」
サランの悲痛の声が部屋に響いた。
「たぶん・・・他のみんなもね・・・」
那瀬の言いたいことは、こうだろう。無事なのはボク達だけ・・・。
「魔女の呪い?」
「ヒドいよ!!どうして、そんな酷い事出来るのよ!!」
サランは、泣きながら叫んでる。
分るけど、落ち着かなきゃ・・・。
「サラン・・・。まずはルイ様を休ませなくては・・・」
那瀬の言葉に、ハッとしたサラン。
ボクは、ルイを持ち上げた。
場所を聞くと、サランは「こっち・・・」と、元気無く言った。
「那瀬?」
「先に行ってて・・・考え事してるから」
ボクは頷いて、サランを追った。
部屋は、豪華でクイーンサイズのベットがあったり、カーテンも窓もデカい。
ソッとルイをベットに置いた。
男のくせに、細いし軽い。こんなんでサランを守れるのかよ。
サランは、ルイの手を握り締める。
「ボクは那瀬の元に行くから」
「ありがとうノア・・・ごめんね・・・巻き込んで・・・」
弱々しく言ったサランの頭を優しく撫でて出てった。
「那瀬?」
寂しそうに窓の外を見つめる那瀬。
ボクが声を掛けたら・・・。
「・・・苦しいね」
どこか悪いのかと思った。でも、違うようだ。
「あの子の目・・・助けを求めてる目だった」
助け・・・か。理由も無く、あんな事するわけ無いもんね。
「助けたいって・・・ダメかな?」
「良いんじゃない?キミが決めたなら」
ボクに止める権利は無いからね。
ただ、ボクは那瀬を守るためにいるんだから。
「でも、方法が・・・いくら探しても見つからない」
悔しそうに言う那瀬にボクは、どうすることも出来なかった。
助けたいって言う那瀬に、ボクが出来ることは何だろうね。
好きな人のために、戦うしか出来ないボクは、役立つに等しい。