消えた学校(2)
あ、来た。
この学校で一番・・・いや世界一美しい姫が。
彼女の名前は、那瀬 優妃
彼女の名前を呼べる者はいない。友達でさえ名字だ。
彼女には、何故か名字のほうが似合うのだ。
彼女は、那瀬財閥の御令嬢なのだ。
あまりの美しさに彼女は嫉妬されるどころか愛されてる。
「よっ!!十代」
遅れたがオレの名前は、十代だ。
那瀬と同じ大学で同級生だ。
みんなはオレを十代と呼ぶ。別にオレが極道だったり、財閥とかの十番目の代というわけじゃない。むしろ、普通のサラリーマン家庭だ。
「だりぃな・・・サボりてー」
「あぁ・・・でもな、那瀬サマのお姿を見れねーからな」
オレの友人が顔を赤めながら言った。
みんなが顔を赤らめるのは日常茶飯事なのだ。
確かに、那瀬の顔は一度見たいしな。
そして、オレ達は教室に入ってった。
「ッス。那瀬」
「・・・・・おはよう十代」
くぅ〜!!幸せだぜ!!那瀬は、あんまり話をする子では無いから中々名前で呼んでくれなかったんだが、つい最近呼んでもらえるようになったんだ!!
幸せったらないぜ。
「・・・?」
「どーしたんだ?那瀬」
急に辺りを見回した那瀬。ホントにどーしたんだ?
「・・・気のせい・・・かな」
「は?」
気のせい、ってなんだよ・・・
オレはまだ、これから起きる出来事に気付かなかったのだ。
視点は同級生の男の子です。みんな主人公が大好きです。