別れと出会い(3)エピローグ
「妙にイラッとくるね」
いい加減ベットに座ってるのも飽きたので部屋を出ると、誰もいなかった。
普通なら、ロビーに人がいてもおかしくないのに・・・。
で、なぜボクが怒ったのかというと、看板に『ここに泊まればアナタもハッピー。私もハッピー。お店もハッピー。さぁ一緒にハッピを着ましょう!!』と、書いてあったから。
店の名前は?と気になったけどスルー。
「なんか騒がしいね」
どこからか出した眼鏡を懸けた那瀬。
似合うけど、可愛いって感じはしない。
多分、初めて会った人は惚れないだろう。
「視力悪いの?」
「ううん。人避け」
なるほど、効果はあるみたいだね。伊達眼鏡ってとこなんだ。
「見るからに悪そうな人・・・」
窓の外を見てた那瀬は言った。ボクも見たら、見るからに悪そうな人達が村人らしき人を捕まえてる。
「助けなきゃ・・・」
「ボクが行くから、ここにいて」
那瀬を残そうとしたが、悲しげにボクを見る。
でも、負けちゃダメだ。
「ボクは強いから大丈夫だよ」
「・・・うん」
頷いた那瀬を置いて、ボクは武器を持って悪い奴等のもとに向かった。
「誰だテメー!!」
「キミに名乗る名前は無いよ」
ボクは武器を構えた。
「ヌンチャクだと!?」
そう。ボクの武器はヌンチャク。
まぁ、もう一つあって鉄扇(てっせん・・・鉄で出来た扇子)なんだけど、ヌンチャクは、鉄よりも硬く軽い。当たれば、骨は砕けれるだろうね。
「とりあえず寝てくれない?」
なんか面倒になってきたから、さっさと倒す。
サッと背後に回る。男が振り向いた瞬間に頬をヌンチャクで殴った。
「ぐはっ!」
勢いが良かったのか、壁にぶつかり穴が開いた。
「穴・・・開いちゃったね。別に良いけど・・・まだまだ足りない。ボクを楽しませてよ」
自分でも分るほどニヤッと笑っている。妖笑ってところだろう。
周りは、そんなボクにゾクッとしたようだ。
ボクは、カンフー映画みたいにヌンチャクを振り回す。
男は起き上がりナイフを構えた。
「まだ、抗ってくれるんだね。とことん潰させて貰うよ?」
ヌンチャクでナイフを払った。飛んだナイフは壁に突き刺さった。
「お、おお・・・お願いだ・・・助けて・・・ください」
男は、土下座で命乞いをした。なんて、みっともないんだろう。
「・・・・分った」
ホッとした男の顎に本気で殴った。
「つまらない人間は必要無いよ。必要なのはボクを楽しませてくれる子と、無条件で那瀬だけ」
卑怯って言うならボクが潰させて貰うよ。
この世はボクだけで良いんだから。
那瀬もボクの物だから奪う奴は、滅多打ち・・・。
掟はボクが作るんだから邪魔はさせない。