6話 別れと出会い(1)プロローグ
「さて、先公に会いに行かなくちゃな」
十代が言った。ひぇーー!!先生に怒られる!!
「じゃあ・・・リフィル」
「うん・・・また来てね」
ナッチャンの声に泣きそうに言ったフィル。
「三月も・・・来てね」
「約束!!」
小指と小指を繋いで約束した。
また、貴女に会えますように・・・と。
「あれっ?」
「地震だな・・・」
まただ、あの〜恐い地震だよ〜〜!!
「震度6くらいだよな?」
「えぇ・・・」
琉川はナッチャンを支えながら十代に答える。
「学校入った途端に・・・なんて」
「そうだな・・・」
玄関がグラグラする。頭もフラフラする。
「っ・・・治まったな」
「あぁ・・・外を見ろ」
琉川の発言にみんなは外を見た。すると・・・。
「あ、戻って来たな・・・」
元の世界に戻ったんだ。良かったぁぁ!!
「私、みんなに知らせてくるねー!!」
「私、帰るわ」
「お送りします」
ナッチャンは帰ると言ったら、琉川は言った。
「またリムジンかぁ」
良いなぁ。私も乗ってみたいなぁ!!
「十代は?」
「俺も行くよ・・・友達残ってるから」
私と十代は体育館に向かった。
「那瀬様は〜〜?」
私達が入ったら、すぐに囲まれた。
「帰っちゃったよ?」
私が言うと「ご飯のお礼言えなかった〜」って、言ってた。私だって頑張ってたんだよ〜!!あれ?頑張ったかな?
十代は友達を見付けて、さっさと帰った。裏切り者〜〜!!
「あ、みんな!!元の世界に帰って来たよ!!」
私の言葉に皆は興奮した。そして、足早に出てった。
「良かった良かった!!」
本当に良かったね!!
長かったなぁ・・・。たった数日だけどさ、なんか数ヶ月って感じだった。
私は未だ、まだある彼女の苦悩に気付かなかったんだ。
でも、私にライバルが現れるなんて考えて無かったんだよなぁ!!