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  魔王と姫(3)エピローグ


「幸せだからってまだ抱き合ってんの?」


 羨ましいぜ。俺も那瀬と・・・。

 二時間位あのままだし・・・。


「よく飽きないな・・・」


 琉川も呆れてるし・・・。確かに呆れる。何を考えてんだ?


「・・・帰ろう?取り敢えず学校に」


 え!?学校・・・。ってことは、先公に怒られるだろうな・・・

 言い訳考えなくちゃな。


「那瀬サマ・・・帰っちゃうの?」


 フィルは悲しそうに那瀬を見る。

 別れってのは、いつも思うが嫌だな。


「・・・帰るって言っても元の世界に帰るわけじゃないから」


 那瀬はフィルに優しく話す。


「飛行船で、学校に連れて行ってくれない?」

「・・・う、うん」


 辛そうに頷くフィル。分るけどな。サヨナラなんて、言いたくないし。

 でも、まだ帰るなんて分らないし。







「見えてきたな・・・」

「でけーな。アレってなんだ?」


 魔王、ライゴが那瀬に聞く。気安く話してんじゃね〜よ!!


「あれは勉強するための施設ね」

「・・・なあリフィル。俺らの国にも作らねーか?」


 ふと言ったライゴに「何を勉強するの?」と、言った。


「真実だ。魔族ってのもいるんだって・・・」

「いつか、人間と魔族と一緒っての当たり前になる日が来るわ」


 俺も那瀬と同じ事考えてた。同じヒトなんだから。分り会えるさ。


「契約なんて必要無い世界になれば良いわ」

「そうだな・・・」


 まだ辛そうなフィル。確かに、契約なんて言葉が無くなれば、みんな幸せなんだろうな。


「・・・降りるね」


 飛行船は、荒野に降り立った。

 校門に着くと、那瀬は言い出した。


「ちゃんと向き合ってね。真実と想いに」

「うん。分ってるよ。裏歴史なんて物が無くなるように頑張るよ」


 那瀬とフィルは握手よりも強く握り合ってる。


「また会おうよ!!」

「でもっ!!会えるかな?」


 三月の言葉にフィルは悲しげに言った。

 それでも、三月は叫んだ。


「会えないって思ったら、それが最後だよ!!会えるって思ったら会えるんだもん!!」


 たぶん言ってる意味は分って無いだろうな。

 三月は昔から、こうだったな。

 幼稚園からの幼馴染みの女の子と別れる時も言ってた。

 アイツが言うとその通りになる。

 高校生になったら再会したもんな。


「三月・・・」

「会えるんだから・・・」


 あ〜あ。泣きじゃくって・・・。


「うん。会えるわ。学校でトリップじゃなくってね」


 那瀬の言葉に笑う皆。

那瀬は無表情だったけど、穏やかだ。




 分かってた未来だけどさ、辛いよな?

 いつか、那瀬と別れる時がきたら同じ事言ってくれるか?


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