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4話 偉大なる台地(1)プロローグ


「那瀬サマ達・・・大丈夫かなぁ?」


 僕は、公園でのんびりとしてる。


「フィル〜〜!!」


 あ、三月だ。

 こっちに向かって走って来た。


「あのね!!異端なる台地に行くんだって!」


 え・・・

 まさか、アレを取りに行かなきゃダメなの?


「場所分かる?」

「分るけど・・・嵐を止めるオカリナが必要なんだよ?」


 僕の言葉に十代は「レアアイテムはオカリナだったかぁ」って、言ってた。どういう意味かな?


「どこにあるの?」


 那瀬サマは、十代の発言を無視して答えた。


「えっと・・・」


 どこだっけ?

 小さい頃に聞いたっきりだから忘れちゃったよ。

 みんな、ハテナマークを頭に浮かべてる。

 僕が浮かべたいよ!!


「あ、オババ!!」


 みんなで声を合わせて「オババ?」と言った。


「占いが得意で魔女って言われてる人・・・確か、その人が持ってた」

「じゃあ行こうよぉ!!」


 三月は、手を上下に動かしながら言った。

 でも・・・


「オババは人が嫌いなんだよ」

「じゃあ、どうすんだよ?」


 うん。十代の言うとおり。だけど、僕に考えがあるんだ。


「僕と那瀬サマで行くよ」

「なんでだ?」

「愚問だね。僕は、オババと知り合いだし、那瀬サマだったら気に入れられる」


 僕の言葉に「私も〜」と、三月が言ったが「殴るぞテメー」と、殴った。それに「もう殴ってんじゃんか〜!!」と、涙目で言った。


「では、フィル・・・お嬢をお願いします」


 やっぱり琉川は、大人だなぁ。冷静だし・・・

 僕は「任せてよ」と、了承した。





 相変わらず恐い屋敷だ。蔦が絡まってて、恐怖の館・・・


「お化け屋敷みたい」


 那瀬サマの発言は、分からなかったけど、何となくピッタリな言葉だった。


「オババ〜〜?」

「お主―――」

「えへへ・・・あのさ、オカリナ貸して?」


 自分の不利になる発言を遮って必要な事だけを話した。

 オババは驚いた顔をして、席を立った。

 オババ・・・昔と変わって無いなぁ・・・

 シワだらけだったし、身長だって小さいし・・・クシャクシャだった。


「クシャクシャで悪かったの」

「ビックリしたぁ。心読まないでよ」


 昔から変わらない。この性格は・・・

 小さい頃は、本当の魔女だって思ってた。


「そういや、その娘は?」


 那瀬サマを見て不思議に思ってた。


「私は那瀬優妃です」

「はて?珍しい名前じゃな」


 うん。僕も思ってた。でも、可愛いし・・・良いかなぁって。


「あの・・・」

「オババで良い」


 那瀬サマは、何て呼べば良いか分らない様子だった。

 また、その姿が愛くるしく可愛かった。


「ふむ・・・那瀬とやら、ワシは主を気に入ったぞ」

「ありがとうございます」


 僕が気に入ったんだもん。当たり前でしょ!!


「それで、オカリナをどうすれば・・・」

「必要な人物が吹けば、おのずと道は開かれるだろう」


 やっぱりかぁ。どうする事も出来ないってわけだね。

 オババは、オカリナを那瀬サマに渡した。僕じゃ頼りないってこと?


「みんな待ってるから行こうか」


 那瀬サマが言った。もっと居たかったな。

 那瀬サマは「また来ます」って、言ったから仕方が無いや。

 僕達は、オババに挨拶をしてから、みんなの元に向かった。





「あ、ナッチャン〜〜フィル〜〜!!」


 手を振ってる三月。

 僕の名前も呼んでくれて嬉しかった。





 これから、僕の正体を明かすんだ。

 例え、分っても・・・嫌わないでくれるかな?


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