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きっとすべてを断ち切って、ここじゃないどこかへ旅立ちたい

作者: 清水 波衣


 ここにあるのは不安定な天秤です。


 僕は面白いです。よく笑われます。僕が真剣に何かをしていても、他の人にとっては面白く感じる何かがあるようです。きっと一つの才能だと思います。でも、僕にはその感覚が理解できないことが少し寂しいです。周りの人が笑っていて僕だけが笑えないとき、どうしようもなく孤独を感じます。でも、周りの人が笑っているのは嬉しいから、普段はほとんどふざけて踊っています。


 よく誤解を生みます。些細なこともありますが、結構重大なときもあります。でも、言い訳はしたくありません。僕が誤解を解こうとすると言い訳になってしまいます。言い訳をするより、不利益が自分の中で済むなら、受け入れたほうが穏便に済むと思います。誰も悪くありません。ただ、上手くやれない僕が悪いです。いつか、誰にも迷惑をかけることなく自分を上手く表現できるようになれたらと思います。でも、本当にそんなことができるでしょうか。僕には身の丈に合わない願いかもしれません。


 何をやっても上手くいきません。そんなことだらけです。不器用なのでしょうか。何か、何か。せめて一つ。ずっと探し回っています。僕に何ができるでしょうか。そんなことを考えることさえ甘えなのでしょうか。甘えなのでしょう。


 僕は生きています。衣食住は満たされています。職もあります。両親祖母は健在で、仲の良い兄もあります。たまにしか会えませんが、おじ、おば、従兄弟もあります。恋人はありませんが、得難い友もあります。上司は優しく導いてくれます。同期も気の良い人ばかりです。皆、立派な人ばかりです。僕に何ができるでしょうか。僕に何ができるでしょうか。まだ、何もできません。ただ、生きねばならないのでしょう。まだこっちに引っ張られています。



ただ。

道場の駅から駐車場に行く途中の橋の上で。

名塩の駅から駐車場に行く途中の橋の上で。

岡庭の駅から家に帰る途中の橋の上で。

遥か下に流れる川を見下ろしたとき、湧き上がるこの気持ちの名前は何でしょうか。

ふわっと何かに引かれるような、この憧れにも似た衝動は。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 文章の流れが気持ちいいです。 [気になる点] 最後の結びの部分がすこしあまいかなと思いました。 [一言] 私もこんな感じでいたじきがあって、周りは理解してくれないのが当然で、「道化」を演じ…
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