勇者伝説
今から三百年前のこと。平和だったこのハイハド王国に、突如として魔王ボーノレード率いる魔族の軍が侵略してきて大きな戦争になりました。
魔王軍は人間には扱うことの難しい魔法の力を駆使し、数も多く、王国の軍隊ではとても太刀打ちできませんでした。困っていた王さまとお姫さまの前にある日突然一人の若者が現れました。彼の名前はシギエと言い、私が魔王を討伐すると、言いました。
それを聞いたお姫さまは、彼に望みを託すことにして、魔族を打ち倒す聖なる剣、ハイレイカの剣を与えました。
こうして若者シギエは剣を携え、同郷の幼なじみで、魔法を扱うのが上手だった少女、アエーネ・ホーガットと、魔族出身で、お城に潜入して王さまを殺そうとしたが捕らえられ、牢に入れられていたところをシギエに説得され改心した、モノー・クトビアという少年、後のシバイル公爵を連れて、魔王を倒す旅に出ました。
旅に出るとき、彼ら一行の志しに共感した一角獣のタムオーンが同行を願いでました。一角獣は普通の馬とは違い、人の言葉を話す頭の良い生き物ですが、誇り高く決して人間をその背に乗せることはありません。しかしシギエはその一角獣を見事に乗りこなし、二人の仲間とともに王国中を駆け回って魔王軍を退治しました。
まずシギエは、魔王の片腕と言われたオールという魔族をこの国から追い払いました。
次に、魔王に忠実に従う邪竜、ルードをハクーン山という火山の火口に封印し、ついに魔王を追い詰めたのです。
追い詰められた魔王ボーノレードは、自らを鋼の皮膚を持った竜の姿に変じさせてシギエ一行と戦いましたが、ハイレイカの剣の力ととシギエたちの結束の強さの前についに討ち滅ぼされました。
こうして平和が戻ったハイハド王国では、お姫さまが即位して新たな女王になり、シギエに褒美をあげようとしました。しかし、シギエはそれを断り、アエーネと二人でまたどこかへ旅立っていきました。
残った一角獣タムオーンには領地として深い森が与えられ、モノーには高い位と、領地としてシバイルの街が与えられました。そして、彼はシバイル公爵と呼ばれるようになりました。これが勇者さまと、その仲間である、のちのシバイル公爵たちの物語です。そして、ハイレイカの剣は今も王都の旧王城で大切に保管されているのです。