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ギルド発見


 初ブックマークゲットしました!

 ありがとうございます!


 やはり、自分の話を読んでもらえるのはうれしいですね。

 


 D-wo二日目。

 昨日は夜になってから街に戻ったけれども、お店は閉まっていたし、りんごもおねむだったので、そのまま寝てしまった。


 その代わり、今日は朝四時からスタートだけどな!


 とはいえ、まだ、周りも暗い。


 あ、りんごは起きてるね。僕がログインすると一緒にでてくるみたいだ。


『こてつー。おはよー。』

『おはよう。』

『ご飯ちょうだーい。』


 はいはい。

 僕はミカンを渡してみる。


『ミカンはやだー!』


 案の定断られる。

 そこで、僕はバナナを渡す。


『これなに?』

 

 バナナ、と端的に答える。


『おいしい?』

『美味しいよ。リンゴはちょっと数が少ないから、これで我慢して。』

『しょうがないのー。』


 りんごはバナナを食べだした。昨日よりも勢いはないけど、食べれなくもないみたいだ。


 次に、ブドウを出してみる。

 と、ここで、少し想定外のことがあった。

 てっきり、一房ごと取れるのかと思っていたんだけど、『持ち物』の中の一つ分は丸い実の部分一つ分だった。

 多少、現実よりも大きいとはいえ、少し損した気分だ。


 とにかく、りんごにブドウをあげてみる。


  

 モグモグと食べている。どうやら、バナナよりは気に入ったみたいだ。

 これで、少しは保つだろう。


『おかわりー!』

 

 大丈夫なんだろうか?


【スキル『餌付け』がレベルアップしました。】




         ◆ ◆ ◆



 朝六時頃になると日も出てきて、街の人々も起き出してきた。


 その中でも厳つい恰好をした人がよく同じ方向へと向かっているのを見た。


 これはファンタジーお約束のアレがあるのかもしれない。




 剣、弓、杖を持った三人組がいたのでついていってみる。

 


 30分ほど歩いて、着いたのは一軒の建物。

 剣と杖が交差した看板には『冒険者ギルド』の文字が。


 おおー!

 やっぱりあったな。さすが。


 ん?ここ神殿の真ん前じゃん。

 なんで昨日ここに気づかなかったんだろう。


 

 入っていいものかと少し悩んだが、意を決して入ってみる。


 


 そこはまさに思い描いていたギルドの中身そのもの。

 『総合』『依頼』『クエスト』『買取』と書かれた四つの受付と、そこに並ぶ戦士たち。

 ガヤガヤと聞こえる喧騒に加えて、隣接された酒場から聞こえる怒号。

 いくつもの依頼の書かれた紙が張ってある壁には何人もの人が群がっている。

 

「おおー!」


 僕は思わず声をあげてしまっていた。


 入口にずっといるのも悪いと思い、どうしたもんかとギルド内を見渡せば見知った顔ーーーといっても昨日ちらっと見ただけれどもーーーを見つけた。


 頭上に緑のマーカーを浮かべる六人組はちょうど『クエスト』と書かれた受付の所に並んでいた。


 トタトタと走って話しかけた。


 途中、並んでいる人から何か言われるかともおもったけど、ちらっとこっちを見たっきり何も言わなかった。



「おはようございます。」


 僕はこのパーティーのリーダーであろう筋肉マッチョ、もとい金山かなやま泰造たいぞうさんに話しかけた。


「ああ、おはよう。

 どうしたんだい?なにか気になることでも?」


 少し警戒した声だ。そりゃそうか。今まさにポイント争いの真っ最中なんだし。


 僕は別にポイントに興味は無いんだけどなぁ。


「いえ、ギルドに来たのはいいものの、何すれば良いのか分かんなくて。」

「だったら、そこの『総合』受付のところに行けばいい。基本的なことはそこで教えてもらえるよ。」


 ありがたい。

 きっと根はいい人なんだろう。


「そういえば、君は昨日1日でどれくらいポイントを稼いだんだい?」


 金山さんはこっちを探るような質問をしてきた。 

 別に僕としては稼ぐようなことじゃないので本当のことを言う。


 すると、


「18!?

 馬鹿言うんじゃないよ!

 モンスター1匹倒すだけでポイントがもらえるんだぞ?

 つくならもっとまともな嘘をつけ!」


 本当なんだけどなぁ。


「何を隠したいのか知らないけど、そんな奴とは話すことはできないな。

 もう、順番もくるしな。」


 これ以上は話してくれなさそうだったので、僕はお礼を言って素直に離れる。


『むー!感じわるーい!』


 りんごもお怒りのようだ、


 これなら住人に聞いた方が上手くいきそう。




          ◆ ◆ ◆



 というわけで、『総合』受付へとやってきた。

 

 でも、ここだけ誰も並んでいない。

 受付の人も他の三カ所は若いお姉さんなのにここだけおばさんだ。

 しかも、カウンターの下で本を読んでいる。


「あの、すみません。」


 と、僕が声をかけると、ようやく顔を上げて


「ん?登録かい?」


 と、言ってきた。

 ギルドについて聞きたい、と聞くと、慣れた手つきでカウンターの下から本を取り出し、


「ほいほい、なんでも聞いとくれ。」


 割と気さくに話してくれた。

 

 第一印象はあんまり良くないけど、さっきのに比べれば話ができそうだ。


 


         ◆ ◆ ◆



 だいぶ色々と聞かせてもらったので、簡潔にまとめよう。



 まず、ギルドとは主に街の外での活動、すなわちある程度の強さを必要とする依頼を引き受ける場所のようだ。


 例えば、薬屋が薬草が欲しい、となったときに自分で取りに行こうとすることはない。


 なぜなら、住人にとって街の外は命の危険がある場所だからだ。


 ここ、ワンネストの街の近くにはそんなに強い魔物はいないが、それでも万が一ということがある。


 だから、戦える人間がそれらを行う必要がある。


 しかし、そういった人はレベルが上がるとより稼げる街に行ってしまうことが多く、専属で働くということがあまりない。


 そのため、ギルドはどういった仕事があるのかというのを依頼という形で把握し、クリアできる実力の人へと斡旋するのだそうだ。


 加えて、ここ、ワンネストでは周辺に強い魔物もおらず、取れる素材や採取できる植物や鉱物も最低限のものしかなく、人の出入りが激しいそうだ。


 その分、初心者が集まってくるというメリットもあるので街として回っているそうだ。


 それでも、神器ーーー神より賜る道具がなければとうにすたれてもおかしくないらしい。

 その神器もホントに初心者用であるものや、何のために使うのか分からないものばかりでそこまで儲かっている訳ではないらしい。



 で、ギルドに登録するメリットだけど、斡旋された依頼を受けることができるようになり、日々の生活が安定すること。

 それと、ギルドが身元を確かなものと保証してくれるのでギルドカードがそのまま身分証になり、他の街に入るのが楽になること。


 他にはパーティーの斡旋やおすすめ狩り場の紹介など、登録しておくと便利なことは多いらしい。



 逆にデメリットになるけど、中間マージンを取られるため、仕事あたりの単価が悪くなること。

 それと、ギルド資格の維持のためのノルマがあるということ。


 登録だけして後は放置ってことはできないらしい。

 それと、稼ぎの悪いけども街のために必須な依頼なんかが必要になってくるらしい。



 あと、中間マージンが取られると言っても、安定した仕事に出会えなければ結局ギルドに登録した方が儲かるそうだから、そこまでデメリットではないかもしれない。



 もう一つデメリットとして、強制依頼というものが生じる可能性があること。


 魔物の氾濫などの緊急事態が起こったとき、参加できる実力があると見なされれば依頼が強制される。

 断るとギルド資格の剥奪と多額の罰金もしくは強制労働が課されるらしい。



 やはり、デメリットの方が少ない。

 このゲーム的に考えるとギルドという存在が必要になるように調整されているのだろう。


 


 ギルドに登録した後の話になるが、依頼はギルド内のクエストボードに掲示される。

 

 依頼票というものを『クエスト』の受付のところに持って行くことで依頼を受注したことになる。

 

 依頼には大きく分けて2種類に分けられる。

 採集クエストと討伐クエストだ。

 採集クエストは現物を受付まで持ってこなくてはならないが、討伐クエストはギルドカードに討伐した数が記載されるらしい。


 クエストをこなすごとにギルドポイントが蓄積されて、一定の値になるとランクアップ試験を受けられるそうだ。


 ランクアップするとより報酬の高い(すなわちより危険な)依頼を受けることができる。


 ランクはEからAまであって、Aまでいくとドラゴンの討伐や、ヒヒイロカネなんかの採掘が求められるようだ。


 もちろん、初めはみんなEからです。




          ◆ ◆ ◆



「それでどうすんのさ?

 料理もするみたいだけれど、自分で食材を集めるならやっぱり登録しとくのをおすすめするよ。

 他の街に行くときにも便利だからね。」


 ありがとうございます。

 かなり長い内容だったけどかなり丁寧に教えてもらいました。


 どこかのプレイヤーとは違ってこれだけ長い時間の間、いやな顔一つせずに教えてくれました。

 最初に「なんだ、この人」なんて思ったのが申し訳ない。


 あれだけ長かった列もすでになくなっている。

 騒がしかった酒場もまだ何人か残っているけど、かなり人が減っている。


 


 さて、どうしようか……。


 いや、自分の中でやりたいことは決まってるんだけど……。


 これを言っても良いものか悩むなぁ。


「いえ、僕は登録しようとは思っていません。」


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