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モフモフゲットだぜ!


 くきゅるるる~~~



 うん。あれだよね。お腹の鳴った音だ。

 そこまで再現されているとは恐るべしD-wo。



 あ、ちなみに鳴らしたのは僕じゃありません。

 必然的に目の前のコイツしかいないわけで……。



「キュイ。」

 コイツ……思いっきり目を逸らしやがった。


 このウサギで確定だな。

 魔物にも空腹が設定されているとは……。



 『持ち物』の中には食べ物なんて入ってないし、どうしようか。

 


 周りを見渡しても食べれそうなものなんてないし。

  


 ふと、気になって上を見上げてみた。

 林檎がなっている。

  

 それで気づいて周りの木も見てみると所々に果物のなっている木がある。



 だけど、僕の身長じゃあ、一番低いところにあるやつですら取れそうにない。


  

 ゆすってみるか。  

 

 入院生活の中でやった動物達と村を発展させてくゲームではそうやったら簡単に果物が取れてたはず。


 そう思ってゆさぶってみたんだけど……まるで動かない。


 ほんの少ししか前後に動かない。




 あ、でもちょっとずつ揺れ幅が大きくなっているかも。



 落ちろ~落ちろ~と念じながら全身に力を込めて揺さぶる。



【スキル『採集』を獲得しました。】


 スキル獲得のアナウンスの後、ふっと、なっていたリンゴが消えた。


 ひょっとして、と思って『持ち物』を見てみるとさっきまではなかった『リンゴ×2』の文字が!


 

 とりあえず、ウサギにリンゴを与えてみる。


 しばらくの間「???」と首を傾げていたが、僕が試しにかじってみると、食べ物だと理解したのかガツガツと食べ始めた。


 もう少し取ろうかと思って、先ほどのリンゴの木に触れると、


【現在採集不可 クーリングタイム5時間54分】


 という表示が現れた。


 仕方なく、別の木ーー今度はミカンだったーーに触れてみると、それだけで『持ち物』へミカンが移動していた。


 もう一度触れるも


【現在採集不可 クーリングタイム5時間58分】


 という表示が現れる。

 


 とりあえず、法則が分かったので、周囲の木から取れるだけ取ってみた。


 すると、『持ち物』の中が


『リンゴ×10

 ミカン×22

 バナナ×16

 ブドウ×18』


 となった。あと、取っている最中にアナウンスが来て、採集のスキルレベルが3まであがった。


 レベルがあがるごとに取れる量も増えたから、少し得した気分だ。


 

 ウサギもリンゴを食べて満足したのか僕のところまできた。


「きゅい、きゅきゅい!」

 違った。全然満足してない。

 前足でぺしぺししながら催促してきやがりましたよ、このウサギ。


 猫パンチならぬ、ウサギパンチだ。


 しょうがないので、一番数の多いミカンをあげた。


 


 ……一口、皮をかじる。

 

 ぷいっと横を向いた。お気にめさなかったらしい。

 一応、皮をむいて渡してみたけど、食べようともしない。

 


 さっきと同じくリンゴをあげてみる。


 おおう。すごい食いつきっぷりだ。 

 


 僕も自分用にミカンを出して食べてみる。

 うん。なかなか美味しいんでなかろうか。

 

 しばらく、ミカンを口に運びながらウサギを眺めていると、事件は起きた。


【スキル『餌付け』を獲得しました。】

【スキル『料理』を獲得しました、】

【固有スキル『契約』を獲得しました。】

【メインジョブ『料理人』を獲得しました。】

【サブジョブ『従魔師』を獲得しました。】


【配下に『跳ねウサギ lv1』が加わりました。

 名前を付けてください。】


 唐突なアナウンスラッシュ! 

 

 落ち着け。一つずつ処理していこう。

 スキル『餌付け』。

 ウサギにリンゴを食べさせたからだろう。説明には『食事を与えることで好感度変化』と書かれている。


 スキル『料理』。

 なんでこれ手に入ったんだ?ミカンの皮を向いたからか?料理か?それ。

 説明には『料理に関する行動に補正』とある。


 固有スキル『契約』。

 説明は『mpを支払うことで双方の合意のもと契約をかわせる。契約を破ると消費したmpに応じた罰が下る。』

 なんのためにあるのかね。よく分からん。


 ジョブは『料理人』と『従魔師』か……。

 『料理人』はともかく、『従魔師』はこのウサギのせいなんだろうな……。

 どうやってレベル上げるんだろう。

 『料理人』は料理を作ればいいとして。

 『従魔師』は……なんだろう?

 まあ、いいか。


 さて、お次は名付けだけど……。

 ちらっとウサギを見る。

 ムシャムシャとリンゴを食べているウサギ。


 名前は『りんご』にしよう。


【従魔の登録が完了しました。】



 ふと、思った。『りんご』がリンゴを食べている。

 これって共食い?


 なんて馬鹿なことを考えてた。


【固有スキル『契約』によりmpを消費して『主従の契り』を行います。】


 次の瞬間には、そんなアナウンスとともに僕の意識は途切れていた。




          ◆ ◆ ◆


 

 目が覚めた。

 どうやら場所は変わっていないみたいだ。時間を見ると、一時間ほど経っている。


 隣にはウサギーーーいや、りんごがいた。


『うーん。ムニャムニャ。食べきれないよぉ。』


 どうやら、りんごも眠っているみたいだ。



 にしても、何が起きたのだろう?

 『主従の契り』、だったか?


「ステータスオープン」

 とりあえず、ステータスを開いてみた。とりあえず、バナナを食べながら。

 

 すると、新たに『従魔』の項目が増えていた。

 そこの説明を見ると

「『従魔師』になることで解放されるシステム。

 従魔師が命令したとおりに従魔は動く。

 最大五匹まで従魔にすることができる。

 従魔師と従魔の得る経験値は共有される。

 従魔師が死ぬと従魔も同様に協会へと送られるが、従魔が死ぬとロストする。

 

 現在、『従魔の契り』発動中のため、最大数が一匹となり、従魔自身もロストしなくなっている。

 また、意志疎通が可能となっており、命令に背くこともある。」


 ふむふむ。

 一匹しか持てない代わりにロストすることがなくなって、意志疎通ができるようになった代わりに命令にしたがわないこともある。

 

 要するに、普通のペットってことじゃね?

 むしろ、言葉通じる分楽なんじゃね?


 

 あ、りんごのステータスも見えるようになってる。


 

 時遡 虎徹 lv2

 HP 1100  MP 1100

 SP 1100 

 STR 110  DEF 110

 INT 110  MND 110

 DEX 110  AGI 110

 所持ポイント 18

 所持金    100000

 メインジョブ「料理人」

 サブジョブ 「従魔師」

 固有スキル 「契約」

 所持スキル 「値踏み lv1」

       「魔力操作 lv1」

       「採集 lv3」

       「餌付け lv1」

       「料理 lv1」

 持ち物

  リンゴ×7

  ミカン×19

  バナナ×15

  ブドウ×18

  スキル石:生産

  スキル石:武装

  スキル石:魔法

【ステータスの伸ばす部分を選んでください。】



 りんご lv6

 種族 跳ねウサギ

 HP 180  MP 60

 SP 180 

 STR 18  DEF 12

 INT 12  MND 30

 DEX 18  AGI 42

 固有スキル 「  」

 所持スキル 「飛び跳ねる lv1」

       「  」

       「  」

       「  」

       「  」


 自分の分の伸ばすステータスはdexにしておいた。

 すると、DEX110→DEX114 と、変化した。


 にしても、りんご弱いな。初期ステータスに届いてすら無いじゃないか。

 一番高いINTですら初期の1/3か。


 魔物の強さがこれ基準なら噛みつきヘビとやらも大したことなかったかもしれん。


 

 そういえば、なんでレベル上がっているんだろう。

 

 そういえば、皮をむいてたら料理スキルが手にはいった……。



 ハッ!

 まさかバナナの皮をむいただけでレベルが上がったということか!


 まっさかー。そんなわけ無いよなー。(←大正解)



 そうやって時間がたっているうちにりんごも起き出してきた。


『あー、こてつだ。おはよー。』

「ああ、おはよう。って、ちがーう!」

『あ、もうお昼だった。おはようじゃなくて、おひるよう?』

「そこじゃねえ!


 ・・・現状、分かってるか?」


『んー。こてつに飼われることになったんだよね?

 だからこうしてお話できてるし。』

  

 OK。現状は把握しているみたいだ。

 

『ほらほら、モフッてもいんだよ?

 ・・・代わりにご飯を要求するけど。』


 別にそれぐらいだったら構わないんだけどな。


「良いんだな?僕について来て。」

『えへへー。こてつはやさしいねー。

 むしろ、りんごの方がついて行きたい、って想ったんだよ?

 こてつはりんごの嫌がることしなさそうだし?

 それにこてつのくれた、この名前も大好きだし?


 いずれにせよ、食べた分くらいは働くよー。』

 

「食べた分だけかよ!」

『あははー。冗談だって。


 ・・・それとりんごの言葉は周りには聞こえないみたいだから、あんまり大きな声出すと変な人になっちゃうよー。』


 な、に・・・?

「今まで言ったのって、端から見れば一人事言ってる痛い奴ってことになるのか?」

『そうなるねー。

 でも、こてつもりんごと同じように念話ができると思うよー。』


 念話?頭の中で言葉にすればいいの?


『あーテステス。只今マイクのテスト中。聞こえてますか?』

『聞こえてるよー。ばっちりだよー。

 さすが、こてつだね!』


 まだ、少し慣れないな。


 何はともあれ、D-woの中でのモフモフ兼パーティーメンバーゲットだぜ!



 

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