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運営sideその①

運営側のお話

( )の中は補足です。



「ふうー。ようやく、ここまでこぎつけれたな。」

「世界中から応募が来てますからね!それで選考はどうしますか?」

「あー、まずは日本語使える奴じゃないとな。ゲーム内の言語、日本語に設定しちまったから。


 ・・・あとは、テレビ写りを気にして選ばなきゃいけないんじゃないか?」

「まあ、数が数ですもんね・・・。

 でも、そうすると一部の層から批判が飛んできませんか?」

「なら、実況者あたりを呼ぶか。あとは・・・女性多めにしておけばそこまで批判来ないだろ。」

「そんな適当でいいんですか・・・?

 芸能人枠が三人、特別枠としてこの二人はほぼ確定として・・・。

 おっ。この人なんていいんじゃないんですか?去年の格闘VR日本大会一位ですよ。見て下さい!特技のところに鳳流格闘術って書いてあります。」

「それならこっちもいいな。鳳流格闘術開祖って書いてあるぞ。

 戦える人がいないとあまり面白くないからな。よく分からんが、開祖ってことは強いんだろうし。」

「じゃあ、その二人も決まりでいいか。


 おお、この人もよさそうだぞ。狩猟経験ありだとさ。」

「部長、視線が完全に写真に向いてますよ。その気持ちは分からなくともないですが、今は仕事してください。」



(20人を決めるのは割と主観。あとはちゃんとゲームができるかどうかで見る。


 このころは余裕があったので、面白そうな人を集めようとしていた。

 あとはテレビ的に戦えるひとがいないとまずいので花月さんを採用。・・・それが後の地獄になるとは知らずに。


 特別枠とは、虎徹と舞宮さんのことです。)



     ◆ ◆ ◆



「よし、出だしは好調だな。」

「まあ、トゥーラの町まではチュートリアルみたいなものですからね。敵はそこそこ出てきますがステータスはかなり低めですし、プレイヤーのステもかなり高くしてありますから。」

「あれって正式版のレベル20相当だろ?やりすぎじゃないか?」

「そうでもしないとほとんどの人はモンスターを倒すのが難しいですよ。最初の町にずっといてもらうのも困ります。」


「大変です!もうトゥーラの町の近くまで来ているプレイヤーが!」


「「なにぃ⁉」」


「この人です!」

「本当ですね。」

「どうやってここまで・・・。」

「記録を見てみたところ、ずっと走り続けていました。」

「おかしいですね。・・・身体能力、心肺機能の再現もしてあるはずなのに・・・。」

「町の間はだいたい50キロメートルだったか?

 一応走り切れない距離ではないだろう。」

「だいぶグネグネ曲がってますし、モンスターも出現するんですよ!?決して一日やそこらで踏破できるはずが・・・。」

「それなんですが・・・。(映像を二人に見せる。)」

「・・・おおう、なんだこの無双ゲー。」

「走りながらモンスターを倒してますね。それもものすごく的確に。一般人は蛇やらゴブリンやらとの戦闘経験なんてないはずなんですが。」

「今までのゲームで慣れているのでは?」

「いや、メンタル的にはともかく、実際に体を動かしているようなもんなんだぞ。今までのゲームの感覚でやってもうまくいかないはずだ。」

「というか、せっかく触覚まで再現したんですよ?他の人が見せるような戸惑いとか、少しは持ちましょうよ!」

「いや待て。まだボスは倒していないんだろ?あれは魔法と物理の両方がないと倒せないモンスターだし、このおじいさん一人では倒せないはずだ!」

「そもそもパーティ推奨のモンスターなのに突っ込むところはそこですか・・・。」

「だって、普通に勝ちそうだし・・・。」

「本来は無理やりにでもパーティを組ませるためのモンスターでしたが、別のところで役に・・・」


「部長!ボスモンスターが倒されました!」


「「はぁ⁉」」


「ちょっと待て!どうやって倒したし!」

「なぜかテンテンの町の到着報酬にしていたはずの『気力操作』スキルを獲得しまして・・・。」

「(ちらっ)ミスかね?」

「いや、ミスじゃないですね・・・。どうやら自力で獲得したようです。」


「「「・・・・。」」」


「どどどうすんだよ!これ!」

「知りませんよ!」

「・・・。よし。この人に関しては好きに動いてもらおう!そうそう変なことは起きないはずだ!(なげやり)」

「そうですね!じゃあ、他の人も見ていきましょう。」


「ふむ・・・。『アイドル』を獲得したのがいるじゃないか。『光魔法』と『歌唱』スキルが必要なのに・・・。まあ、『光魔法』がレアとはいえ、能力値的におかしくはならないだろ。・・・さっきのに比べればな。はあ。」

「だいぶ感覚がおかしくなってますね・・・。おや、魔力操作のスキル石の秘密に気づいちゃいましたよ。この人。勘がいいですね。

 ・・・まあ、その後捕まって『執行猶予』のジョブを得てますけど。」

「ん?少しまずくないか、それ。後々大変なことになるやもしれん。」

「まあ、がっつり悪の道に入らなければ大丈夫でしょう。まあ、なったところでさっきのに比べてしまえば、まだましですよ。」


(オータがやらかしたくらいのことは、全然大丈夫。

 けれども、このあと魔法☆少女(物理)とか、マイコが暴走しだすなどあり、またもや突っ込みの嵐が巻き起こった。

 とはいえ、そこらへんは突っ込みと編集が大変になっただけなので、実はそこまで外れたことをしていたわけでもない。


 ”気”とかいうのは、なんか呼吸法みたいなのを実践していると手に入ったようです。魔法と物理の両方の性質を持っている感じです。

 というか、住人が持ってるスキルはどれも(一応)スキル石なくても身に着けることができるのです。

 ・・・取得されるとはカケラも思ってなかったけど。)



    ◆ ◆ ◆



「なんか、モンスター少なくないか?」

「そうですか?三日で何か変なことが起こるわけもないと思うんですけど・・・。」

「初日のアレが飛びぬけていたが、そのあとも色々とあっただろ・・・。」

「なんであんなにイロモノが多いんでしょうね。・・・人選、間違えましたかね?」

「まあ、ソロ勢は大概だったよな・・・。おかげで正式版までの改善点が見えたと思えばいいじゃないか。」

「あとは、あれ!あのギルドで働きたいっていうのは傑作だったよな!」

「ああいうのはいい方向に想定外ですからね。心が休まります。というか普通に見ていて面白いですから。」

「他も、突っ込みどころは多かったが(一人を除いて)全て想定の範囲内だしな。」

「これなら最初のイベントは用意していた奴で大丈夫そうですね。イベント担当にはそう言っときます。」

「おう。」


(住民は高度なAIを使っているので、どう動くかは運営側も分からない。


 だから、こういった想定外はむしろ大歓迎!・・・だった。)



     ◆ ◆ ◆



「なあ、やっぱりモンスター少ないって。」

「確かに・・・。全員だいぶサクサク進んでますものね。というか、エンカウント率低すぎ・・・。

 何があったんでしょうか?」

「それを調べるのがお前の仕事だろうが。」

「と言われましても・・・ん?」

「どうした?なにがあったんだ?」

「いや、花月さんのチェックを久しぶりにしたんですよ。」

「花月さんって初日の人か。そういえばあれから話題に上らなかったな。」

「というのも、ずっとモンスター退治だけをやっていたのでそこまで気に留めていなかったんですが。」

「が?」

「そこら一体のモンスターを全滅させてました。」

「え?」

「いやー、これは想定外ですね。襲い掛かってくるモンスターすべてを倒すというのを続けるとこんなことになるんですね。ボスモンスターなんて群れごと全滅させられてますよ。ははっ。


 ・・・生態系の調整とかがんばったの誰だと思ってるんだよおおおおお!!!」

「お、おい。少し抑えようぜ・・・。」

「おかしいですよ!調整にどれだけ時間かけたと思ってるんですか!数が減ってもすぐに元に戻るような・・・それでいてちゃんとした均衡がとれるような環境整えるのにどんだけ苦労したと思ってるんですか!


 まさか、一週間でこんなことになるなんて・・・。泣けてくる。」

「すまん。さすがにかける言葉がないわ。」


(ほかに気にすることが多すぎて、花月さんを放置してたらこの様。

 なお、本人はもう少し強い敵と戦っていたい、くらいにしか思っていなかった。


 現実でやったら、そりゃあ動物愛護団体が黙ってないという。)



      ◆ ◆ ◆



「おかしいな。月末くらいまではワンネストにそこそこプレイヤーが残ると思っていたんだが。」

「どっかの誰かが、付近の魔物を全滅させましたからね。こっちが調整に追われている間にみんなトゥーラまで行きましたよ。


 というか、あの人調整入れるたんびに全滅させに来るんですけど!いい加減にしろし!」

「まあ、そろそろ移動するか的なこと言ってたし・・・。


 というか、そんなことよりイベントどうするよ。このままだとプレイヤーがいないままなんだけど。」

「告知を早めに出せばいいんじゃないですかー。」

「適当だな・・・。まあ、それでいいか。」



     ◆ ◆ ◆



「転移魔法の発動は終わったか?」

「ゴブリンキングやその側近はまだ出してないですけど、予定通り9000は展開済みです!」




「さて・・・プレイヤーはどこまで粘れるかな?

 1人頭500とはいえ、倒せない数ではない。

 ワンネストの強い住民もいるしな。

 

 しかし、本当にワンネストが破壊されるようなことがあればこれから少しばかりキツくなるぞ?」


「冒険者に数で対抗されないように、依頼で出払ってる時間帯を狙いましたしね!

 強い住民はギルドに集中してますし、混乱の最中は出てこれないでしょうから今から六時間くらいが勝負所ですね!」





「・・・おい、なんかバネッサがもう出てきてるんだけど。」

「トムもでてますね。というか冒険者が全員そろってるんですけど。」

「これ、プレイヤー必要か?」

「・・・いや、ゴブリンキングはさすがに住民だけならどうしようもないはずですし!」

「・・・ちょっと予定を早めてゴブリンキングを投入するか。」

「オーケーです!」

「こんだけ住人そろってるとそれでもきついな。そいつらはレベル20分くらいあげとけ。」

「了解です!」


「そういえば花月さんは?またなにかやらかしていないだろうな(笑)」

「えーと・・・。通行封鎖していたはずのファイバルに向かう道で熊相手に大立ち回り繰り広げてますね。」

「は⁉


 ・・・いやいや、今回ばかりはさすがにどうしようもないだろう。ステータス差も相当なんだし、数も生態系とかそんなの気にしないで大量に突っ込んだんだし。」

「それがもう100以上の熊が犠牲に・・・あ、また一匹逝った。」

「熊ぁああ!もっと根性見せろよぉおおお!」


「あ・・・れ?

 なんかワンネストがガチで滅びそうなんですけど。

「なぜだ⁉」

「モンスターが少なかったせいでプレイヤーのレベルが想定よりも上がってないです!」

「なんだって⁉」

「というか誰ですか!ゴブリン達のレベル無駄に上げたの!」

「あ・・・。」


(本来ならゴブリンなんて影も形もないからギルドに相談したところで信じられず、ギルドは通常営業中。突然出てきたゴブリンに混乱して、ギルド職員はその対応に追われる。

 例えギルドと多少関係があったところで他の住民が信じてくれなければ、彼らの依頼を解決せねばならず、結局冒険者は出払ってる。強い住民いても、数的にプレイヤーは必須となる。

 ・・・という筋書きだった。



 ところが、どっかの2人がギルドどころか大体の住民と関係を築いてたせいで住民ひっくるめての警戒態勢ができあがってた。


 常時依頼すら取り下げられ、冒険者が全員きっちりそろってるなんて完全に運営の想定外。

 襲撃イベントがイベントとして機能しないという。)






       ◆ ◆ ◆



「結局、花月さんがなんとかしましたね。」

「まじで何者なんだあの人・・・。」

「さらっと赤毛狂乱大熊と相打ちだしな。あれって推奨レベルいくつだっけ?」

「まともに戦うのならばレベル100三十人くらいは必要ですかね。


 まあ、良かったじゃないですか。これで『夢世界』の機能を開放できますよ。」


「それはいいんだけどさあ、さすがにやりすぎたと思ってブラントに神託を下しちゃったんだよねWWW


 ・・・どうしよう。」

「なにやってるんですか!」

「なるようになるだろ、もう・・・。」



(ゴブリン達のレベルが20も低かったら町の冒険者総出でなんとかできなくもない、くらいだった。

 被害は出ただろうけど。そのくらいだったらプレイヤーももう少し善戦できた。)


  


とりあえず、花月さんが規格外すぎたのが原因。


明日は掲示板回の予定です。

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『神様からチートもらったけど俺yoeee!』
チートもらって異世界転生!?やったぜ、これで勝つる
・・・と思ったら、チートにデメリットがあるなんて聞いてない!
なんだこれ、俺yoeee! というお話です。

『病んでない(自称)な私が愛する人の妻と娘を可愛がる話』
愛している人に妻と娘が・・・これはもうたっぷりねっとりと可愛がってあげましょ「おかーさん! 絵本読んでなの!」やれやれ仕方ないですねえ・・・。
あれ? その娘から実の母のように慕われているのはなぜ?
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