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イベントの夜、とある老人との出会い


 夜。

 門は固く閉じられ、ゴブリンの夜襲に備えている。

 炎が照らす赤い光と光魔法の白い光が重なりあい、昼ほどではないが十分辺りを見渡せる。


 トムさんに料理をさせるわけにはいかないので、今日ばかりは僕が腕を振るう。



 MPとのかねあいもあるのでそこまで魔力を込めるわけにはいかないが、どうせとっていても何も使わないから気兼ねすることなく魔力を使用していく。



 みんな美味しい、美味しいと言ってくれているが、僕は少し不安になった。

 ーーーこれ『餌付け』スキル働いてね?



 ま、まあ、好感度が変化するくらいだし?も、問題は無いはず。




 そんなこんなで料理を続け、なんかポイントが訳わかんないくらいたまった。

 昨日見たときから倍近くになってるんだけど。



 食材が尽きてしまったので、本日終了の看板を出す。


 最後に注文してくれていた人のところに料理を持っていき、注文通りの品が出せないことを謝った。


 奇しくもその人はプレイヤーだった。

 白髪の老人。鳳花月という人だそうだ。

 物腰も丁寧な人で、謝るとすぐに許してくれた。



 けれど、その後すぐに問題が発生した。

 

「それにしてもやけに賑やかですね。

 何かあったのですか?」

「・・・え?」





 鳳さんは俗に言うゲーム音痴みたいだ。


 ステータスの割り振りもやってないし、持ち物というものも全く活用していなかった。


 そのため、急遽色々と説明することになった。



       ◆ ◆ ◆



 うん。色々とすごかった。

 レベルとかも見せてもらったんだけど、65レベルですって。

 僕がりんごと経験値をわけあってるにしても倍ですよ。まさに規格外。


 周りからも「おい、お前のレベルいくつだ?俺、まだ20なんだけど。」「俺もそんなもんだ。1ヶ月で60って……。化け物かよ。」なんて声が聞こえる。




 少し怖かったけど持ち物を聞くと、数え切れないほどの素材の数が・・・。


 その中の食材を使って簡単なものを作らせてもらいました。


「このゲーム、味覚も再現されていたのですか!?」

 と、驚いていた。


 なぜに今まで気づかなかった。


 


       ◆ ◆ ◆



 私の名前は鳳花月です。鳳流格闘術という、自前の流派も一応持っています。


 五歳のころから父親に連れられ、技を磨く日々でした。

 武術の世界に身をおいてはや五十年、もはや相手していない生物の方が少なくなりました。



 中でも一番手ごわかったのは二メートル五十ほどの大熊ですね。あれは強かった。


 ライオンやら虎やらとも戦いましたが、あの戦いが最も激しいものだったと断言できるでしょう。



 弟子を取るようになり、ぶ、ぶいあーる?とかいうもののために格闘技を学びたいという人も増え、何人かの有望な弟子も増えました。


 私も一度あいうぉっとというものをやってみましたが、あれは駄目ですね。体が上手く動きません。

 

 私にぶいあーるを紹介してくれた弟子によると「そうか……師匠レベルだとi-wotの処理すら追いつかないのか……。」なんて言ってました。


 あ、余談ですがその弟子はゲームのとっぷらんかーというらしいです。ゲーム内の大会で一位をとったとか。

 実際の剣道の大会でも一位だったそうですが、まあ当然でしょう。


 それでも私の足下にも及ばないのですけどね。



 で、そんな弟子が新たなゲームがある、といってきました。

 正直、半信半疑でしたが、弟子と一緒に応募してみました。


 結果は当選。狭い部屋に一年間籠もらねばならないそうですが鍛錬に支障はありません。

 必要なのは無駄のない筋肉なのです。走り込みなど以ての外。



 話が逸れました。


 ええ。こっちの世界はすばらしいですね。思った通りに体が動きます。しかし、遅い。現実の体はデータの参考にはならないそうですから、仕方ないのですが。


 しかし、この完成度なら技の鍛錬は外でやる必要がなさそうです。

 弟子も当選したようですし、こちらの世界で殺しあ・・もとい地獄のとっく・・・もとい指導をしてもいいかもしれません。

 怪我とも無縁そうなので、いつもの三倍は厳しくできますね。



 このゲームですが、弟子と一緒に回ってもよかったのですが、弟子に断られてしまいました。

 「師匠と一緒だったら、死んじゃう!本当に死んじゃうからぁ!」などと言っていましたが、失礼な。

 現実でも怪我などさせたことないでしょうに。



 それはともかくとして、私は強者のいそうな方向へと向かって足を進めます。

 なにやら"強い"人もいるみたいですから期待ができます。


 自分の直感にしたがって南へ南へと進みます。

 途中、

【スキル『格闘』を獲得しました。】

【スキル『気力操作』を獲得しました。】

【スキル『仙術』を獲得しました。】

【メインジョブ『達人』を獲得しました。】

【サブジョブ『サバイバー』を獲得しました。】

 みたいな声が聞こえてきました。

 


 あっちへふらふら、こっちへふらふらとしながら襲ってくる生き物を殺していきます。ときたまそこそこ強いのがでてくるので退屈はしませんでした。

 現実でもできなくはないですが、動物愛護団体とかいうのがうるさいのですよ。

 


 そういえば、魔法というものは初めて見ました。

 なんだかいけそうな気がしたので、"気"を腕に纏ってさばいてみました。

 以前見た、"気弾"という気を飛ばす技に似てますね。あれはなかなか厄介でした。



 あと、困ったことが一つ、食べ物がとれません。殺して肉を得ようにも光となって消えてしまいます。

 植物を採ってみたのですが、それもどこかへときえてしまいます。(全部『持ち物』に入ってたのにはきづきませんでした。)


 仕方がないので、生きているうちに食べました。味がしなかったです。やはり、ここらへんは現実と違うのですね。



 道中、野営をしながらフラフラと進み、その日のうちに街に着きました。

 結局、街には入らなかったのですがね。のどかな街でした。  



 しばらくはその周辺で戦っていたのですが、その街の南に大量の熊が出て、交通が阻害されているという話を聞きました。


 旅なら西か東にしときな、と忠告してもらいました。西なら山、東なら海だそうです。


 それらも興味を惹かれるのですが、私の心は既に決まっていました。

 熊と戦うのは十年ぶりです。




 いやあ、熊は強かったですね。

 一体一体は技術こそ持っていませんでしたが身体能力が高く、総合的に見て熊一体が私と同じくらいの実力でしょう。

 

 いえ、まあ、その程度だったら負けはなく、実際数百の熊を光に変えたのですが、そこでおそらく群れのボスである赤毛の熊が出てきたのです。

 いやあ、強かった。

 私もそれなりに攻撃をいれたのですが信じられないくらいのタフネスさでした。こちらは一発当たれば死にますからね。厳しかったです。

 しかも戦っていると突然、強くなったのです。

 まさかとは思いますが、手加減されていたのでしょうか。くやしいです。


 本気を出した熊の前に私は動揺してしまい、一発もらってしまいました。

 カウンターで一発はいれたのですが。

 今度また、リベンジに行かねば。



 そうして、死に戻って、今、ここにいるのです。



       ◆ ◆ ◆


 

 うん。なんていうか、すごい。

 

 その熊って、多分通行止めのためのイベントモンスターで、多分倒せるとは考えられてなかったんだろうなー。


 赤毛の大熊ってどう考えてもパーティー推奨のボスモンスターで、急に強くなったのはhp低下による強化だろうなー。


 さっき料理した材料の中に「赤毛狂乱大熊の肉」とかあった気がするんだけどなー。

 


 なにこの人、規格外過ぎる。運営の想定してるイベントをぶっ壊してるじゃないですかー(自分も運営の想定を越えている自覚無し。)


 あれか?武術も極めれば誰でもこれくらいできるのか?



 そんなこんなで夜は更けていく。

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