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イベント開始

イベント第一弾! 

とりあえず、割とありふれてますがモンスターの襲撃です。

さて、主人公は活躍するんでしょうか?


 ゲーム開始より1ヶ月、初のイベントが起こると告げるアナウンスが流れた。


 ゴブリン一万に対し、プレイヤーは20。

 

 1人あたり500も倒さなければならない。



 かなり難しいイベントなのでは無いだろうか。




       ◆ ◆ ◆



 目の前でゴブリンが吹っ飛んでいる。

 今ので・・・300くらいいなくなったかな?


 魔物が死ぬ際になる光の粒子がキラキラと輝いている。

 

 今、まさにゴブリンにとっての悪夢としか思えない魔法を撃ったギルド長・・・・はさらにもう一発、魔法を撃つ準備をしている。



 どうでも良いことだが、このゲームの魔法は魔法陣を描くことで発動される。 


 基本的に魔法陣が大きいほど、必要な魔力(MP)も多くなって、魔法の威力も上がる。

 前に舞宮さんに見せてもらった魔法は、小さな光の球を生み出すものだったけど、魔法陣は手のひらサイズだったはず。



 ギルド長の前には直径2メートル・・・・・・・くらいの魔法陣が展開されている。


 

 それを見たプレイヤーから「これ、俺達いらなくね・・・?」と思っている雰囲気が伝わってくる。



 ギルド長が魔法を撃っているところに以外に目を移すと、トムさんが包丁でゴブリンを真っ二つにしていた。・・・盾ごと。


 どう見ても刃の長さが足りないはずなんだけど……。


 そのまま流れるような動きで何十匹ものゴブリンを切り飛ばしている。



 他にも、「にゃにゃにゃにゃにゃあ!」みたいなかけ声とともにゴブリンが吹っ飛んだり、「ゴブリン一匹で100エーン、100匹でも10000エーン……。」みたいな声が聞こえてきたりもする。



 おかしい。どうしてこうなった。




       ◆ ◆ ◆



 時は3日前、運営からアナウンスがきた日まで遡る。



 大半のプレイヤー……というか僕たち以外のプレイヤーはみんな2つ目の街「トゥーラ」まで行ってしまっているので、帰ってくるのに2日はかかる。



 とりあえず、いつも通りに行動しようとしてギルドへと行ったとき、僕は気づいた。気づいてしまった。


「ギルドに依頼として出せばいいんじゃね?」と。



 そこからはトントン拍子に話が進んだ。


 というか、ゴブリンが一万も襲ってくるのならば冒険者をかき集めて対処しなければならない「緊急事態」となるそうだ。


 

 一応、斥候も出したが大規模な魔物の群は確認されなかった。


 僕たちが嘘をついてるんじゃないかとも疑われたが、ギルド長以下ギルド職員のみんなが信じてくれたおかげでとりあえず警戒態勢をとることとなった。


 プレイヤーも戻ってきて、僕達がいることやギルドの迎撃態勢を見て驚いたりもしていたがそこは割愛。



 で、3日後のお昼、突然ゴブリンの大群が街の外へと現れた。

 ・・・ゲーム的にはそれでいいんだろうけど。


 少し、釈然としない。



 そこからは完全なワンサイドゲーム。

 ゴブリンはそこまで強くない……というか弱いので冒険者1人でも10は楽に倒せる。


 それに一部の強者はそれこそ1人で千を相手とれるそうだ。


 ・・・あ、また吹っ飛んだ。




       ◆ ◆ ◆





 もはや完全に押せ押せムードだった。


 しかし、ゴブリンの数が1/3くらいになったときにそれは起こった。


 最初にゴブリンが出てきたときと同じように突如として群れの奥にゴブリンの集団が現れる。


 その数は少ない。

 残ってるゴブリンがおよそ3000。

 今出てきたのがおよそ1000。


 足したところで、最初の半分くらいだ。



 だが、その装備が問題だった。

 最初にでてきたゴブリンはみな、みすぼらしい装備で、動きも悪い。


 僕でも勝てる。(多分)



 一方、今出てきたゴブリンはみなそれなりの防具と武器を持っている。

 所々に、鎧を着たものもいる。


 なにより、一番奥に現れた一際大きいゴブリン。僕の身長程もあろうかという剣と盾を手にし、フルプレートの甲冑を身にまとい、頭には王冠をかぶっている。


 

 それを見たギルド長が撤退の命令を出す。

 それを聞いて冒険者たちは門の周りに集まり、防衛戦の構えをとる。


 しかし、それに反する連中もいる。

 プレイヤーたちだ。


「よっしゃ!邪魔なNPCがいなくなった!」

「奥に強そうなのがいるぞ!あれを狙う!」

 などと口にして、新たに現れた集団に向かっていく。


 確かに、さっきまでならば十分相手とれていた。

 しかし、住民の補助もなくなり、さらに敵のレベルも上がっている。



 今、6人パーティーを組んでいるグループが突撃しーーー魔法の一斉掃射を食らって光となった。

 



 中心近くにローブを着たゴブリン(後にゴブリンメイジということを知った)がおり、それを剣や盾を持ったゴブリンが守っている。


 近づくには盾を持ったゴブリンと戦わなければいけないが、そうしていると魔法を避けれない。


 100に及ぶような魔法の一斉掃射を受け、ほとんどのプレイヤーは即死する。


 しかし、中には耐えるプレイヤーもいる。



 特にレベルが高い集団だったのだろう。

 今の6人パーティーは6人中3人が生き残った。


 そして、集団へとたどり着き、数匹のゴブリンを屠る。


 だが、それだけだった。

 数の暴力によりただでさえ魔法で減ったHPは簡単にゼロとなる。


 とはいえ、プレイヤーなので神殿へと強制的に戻されるだけなのだが。


 このゲームにおけるデスペナルティは所持金の半分の損失、ランダムで一つのアイテムの消失、そしてポイント-1000だ。


 逆にいえば、ゾンビアタック(死んで生き返ってをえんえんと繰り返して相手を削ってく戦法のこと)はできる。


 実際、二度目の挑戦しているプレイヤーもいる。

 けれども、そういったのは3000の雑魚ゴブリンすら突破できない。


 さっきまで戦えていたのは住人の存在が大きいのだ。




 ギルド長のところへトムさんがやってくる。


「どうだい、トム。アレ、あんたならなんとかできるかい?」

「……さすがに無理だ。

 ……せめて200程度だったらなんとかできないこともなかったが。」

「はあ、そうかい。」

「……あんたでも無理なのか?」

「せめてメイジがいなけりゃどうとでもなったんだけどねぇ。あんだけいりゃ、あたしの魔法も防がれるだろうさ。」

「……では。」

「このままプレイヤーが相手を削ってくれるのを期待するしかないかねぇ。」



 さすがのギルド長とトムさんでも、どうにもならないみたい。

 このまま守りに徹して各個撃破だろう。

 りんごや舞宮さんも回復に駆り出されてるし。

(歌唱スキルにはバフや回復の効果があるものもある。)


 ・・・あれ?何もしてないの僕だけ?



 でも、プレイヤーもそろそろ迂闊には動けなくなる。

 死んでもいいとはいえ、死ぬことはポイントの損失ーーーすなわちゲームの勝敗に直接関わってくるから。



 それに、今ここにいるプレイヤーがあのゴブリンキングを倒せるとは思えない。


 ・・・何もしないのもなんだから料理でも作って差し入れに行こう。




       ◆ ◆ ◆



 その少し後、ワンネストの街、神殿内部。


「おい、お前も死んだのか。」

「そういうお前もだろう。ったく、先行してる奴らはもうスリードの近くまで行ってるってのに。

 俺たちはこのレベルアップのモブにさえ苦戦するのかよ。

 ・・・というかさ、ゲームバランスおかしくね?二つ目の町までほとんど敵はいなかったっていうのにそこから急に強いモブがでてくるようになりやがった。」

「確かに、大体は次の町に進めてないからな。先行してる奴見たことあるんだが、刀でバッタバッタと敵をなぎ倒してたぜ。


 まあ、そのおかげであいつらはこのイベントに参加するのが遅れるだろ?

 ここであいつらとの差を埋めにゃ。」

「でも、このままだと赤字だぞ?」

「だよなぁ。というかNPCも対応してるみたいだし俺たちは待ちでいいんじゃないか?みんなほとんど倒してないから貢献度にそこまで差は無いはずだし。」

「それもそうだな。」

「そういえば料理スキル持ちのプレイヤーがめっちゃ上手い飯作ってるって評判になってるぞ!食いに行こうぜ!」



 そのとき、また神殿へと誰かが帰還してきた。

 2人のプレイヤーはまた誰かが死んだのかと思って気にも止めない。

 そのまま神殿を出て行く。



 もし、2人が帰還してきた人物を見たら驚いていただろう。


 その人物はこのイベントに参加していなかった人物の1人。トゥーラの街におらず、次の街へと進んだと思われていた人物。

 さらに言うならば、ゲーム初日からトゥーラへと進み、攻略においてトップにいる人物。

 そして、今まで一度も死んでいないプレイヤーである。


 白髪ながらもキリッとした態度は60を越えているとはまるで感じさせない。

 よくよく見れば引き締まった体には無駄な筋肉がついておらず、その佇まいも隙がない。


 名をおおとり花月かげつ

 今や全国数万人の門下生を持つ鳳流格闘術の開祖。


 現実世界での世界最強・・・・である。

 


 

主人公は戦闘には参加しませんでしたwww


周りが勝手に倒してくれるという。

最後に出てきた人は次回本格的に登場します。


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