温泉のあとは・・・
この話は今日入れた方がいいかと思い急遽更新しました。
いやー、堪能した堪能した。
名残惜しかったけれども、明日からも入れると自分を納得させて二時間ほどで温泉から出た。
ちなみに服は浴衣だよ。部屋に備え付けのやつ。
ちなみに性能は・・・うん。そこそこいいね。いつもアシュリーさんが持ってくる奴ほどぶっ飛んでるわけじゃないけど。
それでも、ワンネストで見かけるちゃんとした防具の数倍の性能なんだよね・・・。
ここが温泉宿ならアレがあるはず、と思って旅館の中を探索しようかと・・・。あれ?
「ばたんきゅ~~」
「りんご・・・? どうしたの?」
ちょうどお風呂の入り口に、浴衣に身を包んで倒れてるりんごが。目がばってんマークだ。・・・いや、目がばってんマークってどういうこと!?
髪は湿ってるし、頬が赤くなってるからのぼせたのかな?
「ん・・・うう。こてつ?」
「りんご、大丈夫?」
「うん・・・。ちょっと頭がくらくらするだけ・・・。あしゅりーが言うには、お風呂から出てれば治るって。」
やっぱりのぼせたのか。なにか飲ませた方がいいかな?
ちょうどコーヒー牛乳を買いに行こうと思ってたところだし。
「りんご、歩ける?」
「んー。こてつー。」
「なに?」
「だっこ、してー。」
やれやれしょうがないなぁ。
りんごを抱っこして売店まで行き、コーヒー牛乳とスポーツ飲料を買う。
ゆっくりと水分補給をさせながら隣に座ってコーヒー牛乳のふたを開ける。うんうん、やっぱりビンのコーヒー牛乳こそ至高だよ。まあ、今までやったことないんだけど。
テレビとかで見てて、やってみたいなーって常々思ってたんだよね。
ゴク・・・ゴク・・・プハーッ!
うーん、お風呂あがりに飲むと美味しいねぇ。
「いいなー。りんごもそれやりたーい!」
「りんごはのぼせてるからダメだよ。ゆっくり水分取らなきゃ。」
「えー! りんごもうのぼせてないもん!」
そう言って立ち上がったりんごは、まだ治り切っていないからかふらついて倒れそうになる。
「ほら、言わんこっちゃない。まだおとなしくしとこう。ね?」
倒れそうになったりんごを受け止めて、膝の上に乗せる。
少し湿った髪を撫でながら、りんごとのんびり会話する。なんだかこうして二人でのんびりするのが久しぶりな気がするなぁ・・・。
今度の休みはりんごと一緒に釣りにでも行こうかな・・・。
「それで、なんでのぼせるようなことになったの?」
「うーんとね、ルファと勝負してたの! どっちが長く入ってられるか!」
「そんなことしてるからのぼせたんじゃん・・・。」
「でも勝ったのー!」
「それルファちゃんものぼせてるんじゃん!」
「ルファは薬取ってくるって言ってたよ? りんごの分も用意してるって。」
あら・・・。ひょっとしてあの場から動かない方がよかったかも?
「ああー! こんなとこで何してんのー!」
「あ、ルファだー。」
「もう、薬取ってきてあげたのに・・・。どこにいるか探すことになったじゃない。ほら薬飲んで。」
噂をすれば影。ルファちゃんがこっちにやってきたみたい。りんごを膝から降ろす。
りんごはちょっと名残惜しそうにしてたけど、おとなしく言うことを聞いてくれた。やっぱりのぼせた影響が残ってたのかも。
まあ、ルファちゃんの薬を飲んだら一発で元気になったけど。
◆ ◆ ◆
そのあと、みんな卓球場に行ってるとのことで、僕たちも行ってみることにした。
温泉の後の卓球とはまた乙なものを・・・。
トムさんとミレイさん、グウィバーとアンジェラさんのペアが楽しそうにラリーを続けている。
ギルド長とかアシュリーさんとかは結構激しく打ち合ってるなぁ・・・。
僕たちもやってみることにしたんだけど、りんごとルファちゃんはちっちゃいからやりづらいかもしれない。
だからハンデとして2対1で戦ってあげよう・・・そんな風に考えてた時期が僕にもありました。
「『ダブル』なのー!」
「ちょっと、りんご! ボール増やすのは反則じゃない!?」
「えー? 本物は一つだしー?」
まあ確かに対応はできてるけど! 一瞬混乱するの!
「あとルファちゃん、無駄にうまくない!?」
「えへへ、こういう細かい調整は得意だからね! あ、またネットイン。」
「こんなところでも『神の指先』補正が!?」
今のところ何とか勝負になってるのは、こっちのレベルが高いおかげでルファちゃんとの間にAGIの差があるからだよ! なんとかギリギリ反応できてるけど!
というか考えてみれば、りんごにはAGI負けてんじゃん! りんごが運動音痴じゃなかったら普通に負けてるよ!?
結果。
11-9でぎりぎり勝利・・・。なんとか年長者としてのプライドを守り切った・・・。
りんごが初歩的なミスを連発してくれたおかげでだいぶ点を取れた・・・。
もう一回やろ! ってりんごとルファちゃんに言われたけど、ちょっと休ませて・・・。温泉のあとの卓球ってこんなに疲れるものだっけ?
辺りを見渡してみる。
隣からズガガガガガガ! と、卓球で鳴っちゃいけないような音が鳴ってる。
どうやらトムさんとグウィバーが全力で戦ってるっぽい。ミレイさんとアンジェラさんは応援に回ってるし。
何が原因でこうなったの!? さっきのほのぼのした雰囲気はどこへ!?
というか、あの速度で打ち合ってボールって壊れないものなんだね・・・。あ、グウィバーが点取った、って危なっ!?
流れ弾注意なんだけど! 見た感じピンポン玉じゃなくてゴム玉・・・スーパーボールみたいなやつだったよ!? 当たってたら普通に怪我するかもしれないじゃん!
意識をそらそう。
もう一つの卓球台を見て見よう。わりと和やかに進んでいたはず・・・。
「―――『フラッシュ』!」
「にゃんの! お返しにゃ!」
魔法合戦が行われていらっしゃる。
うららさんは光魔法の目くらまし。それに対してミルクさんの打球、一見何の仕掛けもないように見えるけど幻影系統の魔法がかかってるよ。
そういえば、前に『うちのスタイルは幻覚で惑わせて、拳を相手にたたきこむスタイルなのにゃ!』って言ってたね。
横から見てる僕にはわかるけど、対象になってるうららさんにはどれが本物か区別できなくなってるはず。なんで卓球にそんなにガチなんですか・・・?
「普通に卓球、しようか。」
「「―――うん。」」
横の、大人たちがガチになった姿に少し引いたのか、そのあと僕たちはおとなしく普通の卓球を楽しんだのでした。
◆ ◆ ◆
そのあと、結局みんなしてお風呂に入りなおし、上がったところでちょうどいい時間だったのでご飯を食べた。
食事はかなり豪華で美味しかった。
今まで食べたことないような、一風変わった味付けで僕もトムさんも余計なこと考えずに食べることができた。(自分の料理に作風が似てると、どうしても改善点とかを探ってしまうのです。職業柄仕方ないけど。)
むしろトムさんなんかは、この味がどうやったら出せるのかを真剣に考えてたみたい。『……どこかで食べたことあるような…? いやしかし……。』と、なかなか難しそうだ。
そのあとはみんなでトランプをしたり(すごろくは封印中)、雑談をしたりして過ごしていた。
あっという間に寝る時間になっちゃって、男三人は部屋を追い出されてしまった。
りんごがいつものように僕の布団で寝ようとこっちに来かけて、あやうくロリコンのレッテルを張られかけたけど、なんとか誤魔化すことができた、と思う。
「それじゃ、電気消すよー。」
消灯。あとは寝るだけ・・・
「それで? 虎徹よ。さっきのことについて詳しく話を聞こうじゃないか。」
・・・訂正。僕の夜はまだまだ長いようです
ノリが完全に修学旅行なんですよね・・・。まあグウィバーと虎徹君は高校生くらいだし、そんなものなのかな・・・?




