『古物屋』
スキル石を買い取ってもらえないということが判明した午後。
僕は再び『古物屋』へとやってきた。
ガラガラと音をたてて引き戸を開ける。
前来たのは10日前だったがほとんど変わっていない。
いや、普通そこまで変わるものじゃないか。
どうも、ゲームと現実が混ざってごちゃごちゃになる。
「おや、ひさしぶりじゃのう。」
お爺さんも変わらずにそこにいた。
◆ ◆ ◆
スキル石は聞いていた通り1つ100万エーンで売れた。これで一気に大金持ちだぜ!
さて、気になっていることを聞いてしまおう。
「どうしてお爺さんはスキル石を買い取ってくれるんです?住人には使えないものだと聞きましたが。」
お爺さんは少し驚いたように目を開く。そして答えにくそうに口を開いた。
「買い取ってくれるルートもあるのじゃよ。」
「好事家が欲しがるということですかね?」
「まあ、そういうことも、あるのう。」
なんだか、少し歯切れが悪い。
「他にもなにかあるので?」
「・・・。」
お爺さんは少し逡巡しているようだったが、一応話してくれた。
「『生け贄の儀式』を知っているかの?
ああ、そんな変な顔をするでない。
危ないものではない。
例えば、神殿にその土地でとれた作物を捧げて土地の安寧と発展を祈るみたいなものじゃよ。」
『生け贄』とはまた物騒な……。
「その『生け贄』に神器を使う、と?」
「うむ。あまり広まってない話じゃし……、対外的にもあまり言って良いものではないからのう……。
ここにあるのはそういったものの残り物じゃったりするんじゃよ。」
なるほど……。
「納得してくれたかのう?」
「ええ。」
やけに高いのもあるのもそこら辺が理由なのか。
「あとは流行の廃れたものなどもあるのう。」
流行???
「昔は多少性能が悪くても見栄えの方が重視されとったんじゃが……、最近は性能重視でのう。」
骨董品に性能もなにもなくね?
「いやいや、そんなことはない。
例えば、常に水で満たされる瓶、魔除けの効果を持つ掛け軸、傷を癒やすペンダント、悪夢を祓う壺など、魔法の研究と共にそれらが作られるようになったんじゃよ。」
なんかちょいちょい、胡散臭いものまで混じってるな。
でも、こっちの世界なら本当にあるのかもしれない。『幸運の壺』とか。
「これらの骨董品は値段こそ高いが機能性はほとんど0じゃからのう。
もはや、美術館でくらいしか見れんわい。」
そう呟くお爺さんの顔は・・・どこか寂しそうだった。
お爺さんも少し恥ずかしかったのか、唐突に話題を変えてきた。
「そういえば、もう一つスキル石があればお主の欲しがっとった『夢現の寝具』が買えるのう。」
そういえばあったな。
「なんでこれは売れ残ってるんです?」
「貴族なんかは見栄っ張りじゃからのう。
こんなボロい布団なんて買わんよ。」
そんなもんか。
そろそろ帰りますか。
「っと、忘れてた。お爺さんは名前はなんていうんです?ずっと聞くの忘れてました。」
「そういえば、言っておらんかったのう。
ま、『古物屋のお爺さん』で通じるからのう。
儂の名前はアガーラじゃよ。
これからもよろしくな。虎徹くん。」
◆ ◆ ◆
それからも、また特に代わり映えしない日々が始まった。
朝起きてはギルドの手伝い。
お昼まで舞宮さんのところで畑の手伝い。
夕方まで北門から外にでて採集。
夕方は酒場でコック見習い兼給仕係り。
夜はトムさんに料理を教えてもらう。
なんやかんや事件があったり魔物に追いかけられたりといったことはあったが、「日常」というものがそこにはあった。
これ、ゲームだよね?という思いはあったけども、こうした日常の一つ一つが僕達にとっては初めての出来事なんだ。
歩くことすらできなかったのに、走り回ることができる。自分の足で自由に動くことができる。
心臓の病気のせいでスポーツをするどころか見ることすらできなかったのに、冒険者から数多くの冒険の話を聞くことができる。
このD-woという世界は本当に素晴らしいと思う。
◆ ◆ ◆
なんだかんだで三週間がたち、ゲームを初めてから1ヶ月。
このゲーム初めてのイベントが行われようとしていた。
【ゴブリンの群れ一万匹がワンネストの街の南から迫っています。
プレイヤーの皆さんには貢献度に応じて賞金とポイントが進呈されます。こぞってご参加ください。】
◆ ◆ ◆
1ヶ月経過時ステータス
時遡 虎徹 lv32
HP 2600 MP 2600
SP 2600
STR 260 DEF260
INT 260 MND 260
DEX 324 AGI 260
所持ポイント 4952
所持金 2065000
メインジョブ「料理人」
サブジョブ 「従魔師」
固有スキル 「契約」
所持スキル 「値踏み lv11」
「魔力操作 lv37」
「採集 lv46」
「餌付け lv41」
「料理 lv38」
りんご lv46
種族 跳ねウサギ
HP 1320 MP 2760
SP 1320
STR 132 DEF 92
INT 92 min 184
DEX 132 AGI 322
固有スキル 「 」
所持スキル 「飛び跳ねる lv5」
「魔力操作 lv18」
「回復魔法 lv14」
「歌唱 lv7」
「 」
舞宮 うらら lv47
hp3350 mp4350
sp3350
str335 def335
int395 min335
dex349 agi335
所持ポイント 5389
所持金 192000
メインジョブ「アイドル」
サブジョブ 「農家」
固有スキル 「応援」
所持スキル 「感覚強化 lv30」
「栽培 lv58」
「歌唱 lv39」
「光魔法 lv14」
「魔力操作 lv28」
面白いと思ってくださったら、評価、ブックマーク登録お願いします




