パーティー結成
「えぇ~っと、君が何で俺をつけていたのか理由を教えてくれるかな?場合によっては俺も人を殺す覚悟を持たなくちゃいけないからさ・・・」
冷徹な笑みを浮かべフローラさんを見つめる。
「ちっ違うのただ昼間のお礼が言いたくて・・・ただ、グラムさんがこういうプレイがいいなら特別にいいですよ。」
「どういうプレイだよ!興味無いから!」
つっこみ(゜o゜)\(-_-)を入れながらルナが投げた鋼鉄網を取ってあげ借りている部屋にあげる。
「で、本当にそれだけの用事で俺をつけ回してたの?」
疑いの目をフローラさんにむけると彼女はうつむいて何かを言いたそうにしている。
「実はですね、ギルドでサイクロプスを倒した方がグラムさんってことを聞いて凄いと思ったのと、珊瑚の洞窟にモルジアナの秘宝を取りに行くとおっしゃっていたので盗賊のスキルを持つ私がグラムさんの役に立てるのではと思ったのでついていっていいか聞くのになかなかタイミングが無くて後をつける形になってしまったんです。ちなみにグラムさんは、どんな職ジョブについたのですか?」
この世界には職と呼ばれるものがあり、簡単に言うと前衛のアタッカー、前衛・後衛どっちもこなせるバランサー、主に後衛のリアガード。
ちなみに俺はバランサーの魔法剣士でルナは
リアガードで賢者に就いた。どうやら勇者って職は無いらしい、だから魔法と剣術を学んでいた俺は両方取って魔法剣士に就いた。
「俺はバランサーの魔法剣士、ルナは賢者に就いた。あぁ、彼女の事は知ってると思うけどルナって言うから仲良くしてやって。」
そういってルナの紹介をする。
「私はグラムさんさえいればいいので彼女には興味無いです。ですがグラムさんがそう言うなら仕方ないです。よろしくどうぞ。」
うわぁ~目が死んでる、マジで興味無さそう。
「話を戻しますがグラムさん、凄いですね魔法剣士なんて、冒険者になったばっかですよね?基礎能力がスゴく高かったんですね、さすが私の見込んだ愛しい人です♪」
「そりゃどうも。ちなみにフローラさんは盗賊だっけ昼間、フローラさんを襲ってた男が言ってたけど。」
「そうです。私は盗賊です!だから珊瑚の洞窟には色々とトラップがあるので、そういったトラップの解除など得意なので手伝えないかなと思って、どうですか?一緒に行っても
いいですか?」
確かにトラップが解除できる盗賊の技は欲しい、だけど俺が1人で決めていい問題ではないのでルナに聞いてみる事にした。
「ルナ、どうする?」
「う~ん、特に問題は無いと思うよ。」
ルナは椅子に座り足をぶらぶらさせている。
「ルナからも了承が得られたし、フローラさんよろしく頼むよ。」
手を差し出すとフローラさんは笑顔で俺の手を胸元に押し付けた。
「フローラさん、当たってるから放して。」
フローラさんにお願いすると
「フローラさんじゃ嫌です!フローラって親しみを込めて呼んでください。じゃないとこの手は放しませんから。」
そういって、よりいっそう胸を寄せてきた。
「分かった、分かったからフローラ、お願いだからやめてくれ~!」
「やめてくれって言っておきながら顔がにやけてますよグラム様。」
ルナが頬を膨らまし腕を組んでこちらを見ている。
そりゃあ、俺だって元魔王とは言え男だから異性にこんなにも好意を寄せられたら嬉しいよ。何て言えるわけがない。
「そんなことよりフローラ、珊瑚の洞窟のトラップの解除とかよろしく頼むよ。」
「勿論です。こちらこそよろしくお願いします。」
こうして、一時的に盗賊のフローラさんとパーティーを結成して明日、珊瑚の洞窟にむかう事にした。
「じゃあ、また明日。今日はゆっくり休んで明日に備えよう、フローラもまた明日ね」
そういって2人を部屋から出し扉を締めシャワーを浴びる事にした。
シャワーを浴びていると扉を叩く音がした。
「ルナ?ちょっと待ってて!今シャワー浴びてるから。」
声をかけても反応がない。
「あれ?違ったのかな?」
疑問に思いながらもシャワーを浴びていると扉が開く音がしたので後ろを振り返るとそこには身体にタオルをくるんだ状態のフローラがいた・・・。
「驚かそうと思ったのに・・・バレちゃいました。」
「バレちゃいました、じゃねぇーだろ!どんな格好で入ってきてんだ!てか、どうやって入ってきたんだよ!」
前を向き直し後ろにいるフローラに声をかける。
「えぇ~っと扉の鍵は盗賊のスキルを用いて開けました。そしてなぜ私がここにいるかと言うと私は貴方に尽くすと決めたので、なのでご奉仕に来ました。」
真剣な顔つきでそんなことを言ってきた。
「何を言っているんですか、冗談はやめてください。それより早く風呂場から出てってください。」
そういって風呂場と脱衣場からフローラさんを追い出し、身体を拭いて服を着てから部屋に戻った。
「何でいきなりこんなことをしたんですか?」
フローラに聞くとフローラは悲しそうな顔をして
「ごめんなさいなさい・・・私の純潔はじめてはせめて私が好きになった人に捧げたくて、私にはもう時間が無いから。」
今にも泣き出しそうな顔でフローラは抱きついてきた。
「時間が無いってどういう事?」
深く聞いてはいけないことだとは分かっているのだが今後の事を考えた聞くことにした。。
「実は、20歳になる3日後までに100万ギルを払わないと富豪ブタの性奴隷にさせられるの、私は元々身寄りがいなくて貧困街で育った街中で死にかけていた私は奴隷商人に拾われて20歳になったら富豪に性奴隷として売られるの、だから売られる前に好きになった男性に私の純潔はじめてをもらってもらおうと思ってダメですか?」
「事情は分かったけどそれとこれは別だ!とりあえず明日に備えよう。」
そういってフローラの身体を戻す。
フローラは落ち着きを取り戻し抱きついた事が恥ずかしかったのであろう、顔を真っ赤にして悶えている。
「大丈夫か?フローラの事情は分かった、俺も出来ることをして絶対にフローラを助けてやるから、だからそのためにも俺に手を貸してくれるか?」
フローラは泣きながら嬉しそうな顔で頷いてくれた。
フローラの事情が分かり彼女を奴隷商人から助けるためにもモルジアナの秘宝を絶対に手に入れなくてはと改めて心に誓った。