表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「初心者VRMMO(仮)」小話部屋  作者: 神無 乃愛


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/47

素朴な疑問~ブクマ2400件突破&300万PV突破御礼~


 毎度のことだが、カナリアは疑問に思うことがある。


 当人たちは「じゃれあい」などと称しているが、似たような例で「PK」扱いされ、「イエローカード」や「レッドカード」を食らっている実例を目にしているからだ。


 特に、前回のジャッジに対するジャスティスの対応や、その前のオークゴブリン戦のときのディッチに対する周囲の反応……。全てとってもおかしくない。


「何で『PK』扱いにならないかって? そりゃうちらが同じギルメンなのが一つ」

 スカーレットがけたけたと笑いながら説明し始めた。

「あとは、うちらの恒例行事だからねぇ。だって、前の運営会社のときからやってたし。大体が前の会話に問題ありで突っ込みを入れてるだけだし」

 その突っ込みが過激なだけよ。そう言ってきたスカーレットに少しばかり尊敬してしまう。

「昔、一回食らいそうになったよ。……あん時初めて大砲訓練入れたときだったけど」

 傍から見れば、大砲でPKをしているようにも見えるという。

「食らって速攻苦情言って、『そこまで文句あるなら、レイド戦の戦果を見てからいえ』ってジャスが言い放って、それでおしまい」

 結局、ジャスティスのステータスはかなりアップしてるわ、大砲の命中精度が上がってるわで、運営側も何もいえなかったという。

 ただし、その訓練をする時は運営側に一報入れること、それから目立たないところですること、この二つが盛り込まれた。


 突っ込みは言わずもがな。

「記録を少し前から見やがれ」とスカーレットが言い放ち、見た運営側が絶句したというものだ。「失礼しました。今後は話の内容も加味させていただきます」と言っていたが、それがトールの横暴に繋がるとは思いもしなかったと説明された。

「うちらはね、そういうことはオープンにしてるの。だから今の運営会社も、『PK』の基準として、『いきなりの攻撃』『アイテムを奪うこと』に加えて『前後の会話が重要』『その内容の公開』にしてるわけ」

 ある意味、ガイドラインを作ってる人たちなのだとカナリアは感激していた。

「凄いです! さすが皆さんです!」

「ふふふ。カナリアちゃん可愛い。このまま連れ去りたい……」

「……レット」

 強くスカーレットに抱擁されている後ろから、凄まじい殺気が流れてきた。

「やぁねぇ。器の狭い男は嫌われるわよ」

(おとこ)らしすぎて、婚期逃し続けてるやつに言われたくない」

「いいの~。あたしはアルブスにユーリさんとカナリアちゃんを愛でていれば幸せ~~。軟弱な男はごめん被るわ」

 ナンダカモノスゴクコワインデスガ。

 二人のかもし出す雰囲気がカナリアを怯えさせていく。


 そして、怯えるあまりとんでもないことを言ってしまったのだ。

「お……お二人とも仲良しですね!!」


 PvPに入ろうとしていた二人はその言葉に、切々と違うとカナリアに説明する羽目になっていた。



 それを見ていたディッチとディスカスは……。

「仲良きことは美しきかな」

「……全くだな」

 とのんびりいいながら、セバスチャンの淹れたコーヒーもどきを飲んでいた。


いやね、普通であればPK扱いな訳ですよ。どうしてならないのか、という素朴な疑問にスポットを当ててみましたww

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ