私だってその笑顔が好きだよ by 風岡恵
はーい! 羽純ちゃんの愛しの恵です!
えへへ〜、羽純ちゃん、私のことをたくさん書いてくれて嬉しい! けど、後で冷静になって一人でモンゼツする羽純ちゃんの姿が思い浮かぶなぁ笑
普段なら、『愛しの恵』なんて言い方、絶対にしないのに、きっとみんなの日記にあてられて変なテンションになっちゃったんだろうね。
けど、私はいつもと違う羽純ちゃんの一面が見られて嬉しい! 普段は割とクールぶってるくせに、私のことをい〜っぱい想ってくれてるんだなぁって、すっごく幸せな気持ちになっちゃった!
それじゃあ、今度は私が羽純ちゃんの好きなところについて書こうかな。いっぱいあるから、今回はひとつだけにしておくけど!
最初の日記で、羽純ちゃんは自分のことを「特徴がない」とか「やる時だけ最低限やる」とか言っていたけど、私は決してそんなことはないと思っているの。
だって羽純ちゃん、すっごく優しいもん。私のわがままに付き合ってくれるし、私がついイジワルなことを言っても笑って許してくれるんだもん!笑
今日だって、私が「バイトで帰りが遅くなります」ってみんなに連絡したら、グループトークでは「了解」って返すだけだったのに、その後すぐに個人LINEで「終わる時間教えて。迎えに行くわ」って言ってくれて。
私が「遅い時間だし暗くて危ないから大丈夫だよ!」って答えたら、「だから迎えに行くんでしょ」って。
こうなった時の羽純ちゃん、頑固で聞かないからなぁって思って、観念してバイトが終わる時間を伝えたら、羽純ちゃんったら「よろしい」だなんてカッコつけちゃってさ。
バイトが終わってお店を出たら、勝手口から少し離れたところで羽純ちゃんは待っていて。
「待たせてごめんね?」って近づけば、「全然待ってないし、私が好きでやってるだけだから」って言ってくれた。
暗いし誰にも見られていないだろうと思って、おもむろに手を繋いでみたら、羽純ちゃんは少しびっくりしたみたいだけど、やっぱり今日もその手を振り解いたりはしないでくれて。
その手がちょっとだけ冷たかったから、寒い中待っててくれたんだなぁって、感謝の気持ちと、少しだけ申し訳ない気持ちがあって、せめて私の熱で少しでも羽純ちゃんを温めることができたらなって、手をぎゅ〜っと握った。
けど、やがて気持ちは「献身」から「悪戯心」に変わっていって、私はもっともっと手に力を込めていた。
すると羽純ちゃんは「ちょっと? 痛いんだけど」って叱り口調になるけれど、私が「イジワルしてるの!」ってあえて明言すれば、羽純ちゃんは「何を開き直ってるのよ!」って言いながら、まるで子どものかわいいわがままをあやす時みたいに笑ってくれた。
その笑顔は、みんなの前でよく見せる少しぎこちない大人びた笑顔とは違って、くしゃりとした年相応の笑顔。
私の、一番好きな、羽純ちゃんの表情。
その顔が見たくて、私はつい羽純ちゃんにイタズラをしてしまうの。
そして私の思い通り、今日もその笑顔が見れた。
それがくすぐったくて、私は羽純ちゃんの前でだけ、くひひ、なんて可愛くない笑い方をしちゃうんだ。
羽純ちゃんが私の笑顔を好きって言ってくれたから、私も羽純ちゃんの笑顔が好きだよって伝えたかったの。だから、今日ここで書けてよかった!
今日はこれにておしまい! 明日は絵莉叶ちゃん、お願いね!




