プロローグ
格闘技。それは人類が自ら身を護る為、あるいは敵と戦う為に開発された肉体的行動。数多くの格闘家が己の格闘技を携え、決戦に臨み、一度なら誰でも世界最強の夢を見る。
それは体捌きや技で相手を翻弄し、伝統という修練で己を心身ともに強く成長させる中国拳法や空手か?
それは真っ向から受け止め、力強さを武器に猛攻を繰り広げる相撲やプロレスか?
または、護身を胸に、相手の力をいなしたり、無力化させる合気道や太極拳?
はたまた観衆に見守られながら、試合で駆け引きを行い、一撃で仕留めるボクシングやムエタイか?
あるいは、それらを含む数多の格闘技を吸収し、実戦を身に着ける総合格闘技や軍隊格闘術、截拳道か?
もしくは、剣や槍などの武器を使う武芸百般の古武道や騎士道か?
あらゆる議論が渦巻く漢の夢があった…でも、そこに女がない、男だけの世界がある。
確かに、女子格闘家が存在する。しかし、女と対等に戦う男はいないし、差別的で申し訳ないが、女故に男に手加減される始末だ。
それは男尊女卑が今でも根付く倫理的社会背景があるからではない。生理的に、身体的に、遺伝的に、女が舐められるからだ。
私は格闘技に魅せられた女性として生まれた。でも、男性に生まれなかった後悔や女性として生まれた屈辱は私は決して感じない。なぜなら、
「女が最強を目指して、何が悪いんですか?」