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under 500 Ⅱ

隠し事しない

やさしい。


先輩はやさしい。


女性だから、惚れそうだ。


おっとりしている。


癒しがある。


真面目すぎるくらいだ。


何事にも、一生懸命。


隠し事も、していないだろう。


イライラしている姿は、一度も見たことがない。


文句を言わず、世話してくれる。


本当に、優しい先輩だ。




「ごはん、食べてる?」


「だいたいが、カップ麺です」


「野菜も食べてよ」


「面倒なので」


「よし。じゃあ、私が作りに行ってあげる」


先輩が、料理を作ってくれることになった。




食材を買ってきてくれた。


先輩が、強く短い息を吐き、後ろ手に結んだ蝶々結びは、縦型になっていた。



しばらく待った。


テレビを見ていた。


テレビに映る藤の花が、キレイだった。



「焦がした」


そう、キッチンの方から声がした。


駆けつけると、ハンバーグのような形のものが、フライパンにあった。


それは、限りなく黒に近い、茶色だった。



失敗した先輩は、ペロッと舌を出した。


その舌の奥の方に、ベロピアスが覗く。


一気に、首筋に寒気が走った。

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