ハイライトでお送りする勇者の神話
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だれかの好みに刺され〜
エロも恋愛も無いですぞ!!
・・・ニンゲンと呼ばれる種族がいました
それはとても醜い種族です
同じ種族内であるにも関わらず、趣味思想が違うというだけで憎み合い
時にお互いを殺し合いました
種族としての数が減っても殺し合いは止まる事なく続きました
──ニンゲンは醜い──
それが、『魔族』と呼ばれる人々の共通認識でした・・・
・
・・
・・・
・・・魔族と呼ばれる種族がいました
それはとても欲に塗れた種族です
魔族間ではお互いを『欲望の塊』と評しました
あるものは食欲に
あるものは色欲に
あるものは物欲に
あるものは・・・
欲望は数あれど、それぞれが違う欲望を満たすために
お互いの欲望同士をぶつけ合い、しかしそれは均衡をギリギリの所で保っていました
──魔族は恐ろしい、だからいなくなればいい──
それがニンゲン達の共通認識でした
・
・・
・・・
『勇者殺すべし!我らニンゲンとは違う異端児を野放しにしてはいけない!』
『勇者殺すべし!醜い種族を滅し清浄なる我らの世界を作る燈火のために!』
──皮肉にも、決して交わることの無かった二つの種族が同意見になった人物がいた
・・・それこそが・・・
──《勇者》──
・
・・
・・・
・・・そして、二つの種族から命を狙われる事になった勇者は考え、一つの結論に至った
──とりあえずニンゲン皆殺しにすれば良くない?と
・・・って、ちょっと待って!?
貴方はニンゲンの勇者でしょう!?
魔族を討ち倒しニンゲン達に光を見せる事が使命でしょう!?
「いや、よく考えればオレ昔から村の奴ら嫌いだし。オレが勇者の力とやらに目覚めた途端に殺しにかかってくるしで正直アイツら死んでも良いかなって思ってる」
は、はあぁぁぁぁあ!?
「っていうか、カミサマだかなんだか知らねえけど、アンタの声も昔っから頭の中でゴチャゴチャうるせえんだよ!」
なっ、なんて事を言うのです!?神の啓示ですよ!?
「うるっせぇ!ケイジだかなんだか知らねえが、アンタの声が聞こえたから村の奴らからもバケモン扱いされたんだろうがよ!」
なっ・・・神の啓示を伝えるものをバケモノですってぇ!?
「そうだよ!アンタのせいで俺はバケモン扱いだ!」
・・・(深呼吸の音)・・・
・・・ニンゲン、滅んでもいい気がしてきました
「手の平返しが早え」
ニンゲンを滅ぼすかどうかは追々考えるとして、勇者よ・・・
「なんだ?」
神が遣わしたニンゲンの勇者がニンゲンを滅ぼしたとあったら、私が邪神扱いされかねません
「その考えに及んでる時点で邪神とやらに近づいてると思うんだがな?」
喧しい
まずは散り散りになっている魔族たちを平定しなさい
それから魔族たちに命令してニンゲンを滅ぼさせるのです
「完全に邪神の思考じゃねえか?」
喧しい
魔族はどうせいっぱいいるので少しぐらい数を減らした所でしばらくすればもとに戻ります
ニンゲンを滅ぼさせた後、奪った領地を適当に分け与えてやればいい感じになるでしょう
そして、私達は自らの手を汚すこと無く静かな余生を過ごせは良いのです
「完全に邪神じゃん」
喧しい
差し当たって、そうですね・・・
まずは全てのニンゲンに分け与えていた私の加護を剥がしましょうか
「加護?そんなのあったのか」
ええ、先程までは私はニンゲンを守護する神でしたので
例えどのような災厄に見舞われても決して滅ばずに、一定の周期で繁栄と衰退を繰り返すという加護を与えていました
「決して滅ばない、か・・・」
ですが私はニンゲンを見放し、もう滅んでもいっかな?と思ったので加護は剥がしました
結果ニンゲンはいずれ滅びます。これは決定です
「どうしてそこまでする?」
おや?ニンゲンを嫌う貴方がニンゲンに同情ですか?
「いや。もうニンゲンが滅ぼうとどうでもいいんだけどな、今までニンゲンを守護してきたっていうのに、どうしたのかと思ってな」
あぁ、そういう事ですか
いいですか?
『勇者』というものはこの世に私が遣わした、いわばこの世界に直接手を下すことができない[[rb:神 > わたし]]の代わりにニンゲンを直接守護する為のシステムなのです
「システム?」
『世界の作用そのもの』という事です
それで、つまり勇者とは世界における[[rb:神 > わたし]]の意思そのものであるのです
「俺はアンタの手足みたいなものだったのか」
ちょっと違います
『神の代行者』が一番解りやすい表現でしょうか
それで、話は少し逸れますが
神とは世界そのものであり、創造主であるのですが
その実、存在がとてもあやふやなものなのです
「・・・まあ、見えないし聞こえない奴の存在を信じろって言われてもなぁ・・・俺だってアンタの声が聞こえなかったら信じてなかったぞ」
そうでしょう
ですので私は遙か古代から預言者や巫女、勇者達に『神話』として私の事を伝えさせてきたのです
そうすることによって私は特別なニンゲンにしか存在を確認できないにも関わらず、『いる』と人々に認知させてきました
「自己顕示欲が凄いな」
ええ。人々に認知され、崇拝される事こそが私の糧ですので
「糧とは、まるで生きてるみたいな物言いだな」
貴方がたの言う意味での『生きる』とは少々違いますが、私とて存在を維持するために必要とするモノがあるのです。貴方がたでいうところの糧のようなものになるのです
それが、『信仰』になります
神をニンゲンが信仰する、大勢のニンゲンが神の存在を信じることによって神・・・つまり私は存在を確立し、力を持つことができるのです
そして、ニンゲンの守護者であるはずの勇者を当のニンゲンが否定しているということは・・・
「神の存在の否定になる、ってことか?」
物分りが良いですね、そういう事です
これは私が存在を持続できるかどうかの問題にも繋がるのです
「へー」
心の底から興味無さそうですね
「物分りがいいな、そういう事だよ」
・・・まあ、構いません
奇しくも私と貴方は、利害はともかく目的は一致しているのです
勇者としての本来の目的とはかけ離れていますので道標程度にしかなれませんが、貴方を導くのが私の務めです
「なんだ?まだ俺を使おうってのか?」
いいえ
貴方は神が遣わした勇者に変わりはないです
しかし既に使命から解放された状態になっています
なのでここから先、貴方は個人の選択の元で行動しなくてはなりません
「神のお導き、じゃないってか」
そうです
私からの啓示も最低限になります
貴方は、貴方の心の儘に行動しなさい
もし道に迷うことがあった時は私の加護を授けた剣に語り掛けなさい
貴方が行く先の可能性を指し示してあげましょう
「・・・ふーん」
残念ながら私はニンゲンに対する加護を剥奪しました
だからニンゲンである貴方の肉体にも私の加護は宿っていません
「ニンゲンじゃなけりゃ加護は宿せるのか?」
・・・?
まあ、可能です
「じゃあ、信託の時に貰ったこの剣に加護を付けてくれないか?」
はて?その剣は既に加護を宿している筈です
「いや、1つ機能を追加して欲しいんだ」
ほう?
構いませんが、貴方の身体に作用するような効果には出来ませんよ?
「問題ない、対象は俺じゃないからな」
良いでしょう、言ってみなさい
「・・・それは・・・」
・
・・
・・・
──これは、後に全ての世界を統合した異端のもの・・・
・・・『勇者』の神話・・・
・・・後に彼は世界中の者達からこう呼ばれます
・・・《魔王》と・・・
──ごめんなさい・・・
貴方が新たな旅路に踏み出した時、私は1つだけ言わなかった事があります・・・
・・・それは・・・
私は『ニンゲン』の神だから
貴方の目論見通り『ニンゲン』が滅んでしまうと、私は・・・
でも、もし貴方が自らの業を成し遂げられたのならば
きっとそれは私にとって最初で最後の・・・
・・・『神の怒り』とでも言えるでしょうか?
─・─・─・─・─・─
──ハイライトでお送りする勇者の神話・・・
──最北、極寒の地・・・
「ニンゲンよ、ここは我ら海の民が治める地。何用かは聞かぬ、速やかに立ち去れ!」
《海獣王》
【海虎ギディラ皇王】
「我こそが凍てつく大海を統べし王、ギディラなり!人間風情がこの地に足を踏み入れた事、今すぐならば見逃してやろう」
「・・・悪いが、俺はアンタの持ってるその槍に用事があるんだ」
「ほう?この王の証である『暴食の三叉槍』にか?・・・いいだろう!だが、王の証を欲するならば我に武勇を示せ!我がこの地を力でねじ伏せ、この槍を手にした時のように!」
「・・・仕方ないが、こういう脳筋の方がわかりやすくていいか」
・・・不殺の加護、ちゃんと働いてくれよ?
─・─・─・─
──妖精の森、隠れ人の里・・・
「ニンゲンに似ているというそれだけで私達エルフは同族であるはずの魔族から迫害を受けた。その苦しみが、絶望が、言い様のない怒りが分かるかね?」
《精霊人族長》
【エルフロード・エルエイク】
「聞けば、君もまた同族であるニンゲンから迫害を受けたそうじゃないか」
「迫害ねえ・・・まあな」
「君にも分かるだろう?同族でありながら何故このような仕打ちを受けねばならぬのか!?我々が何をした!?否!身勝手な言い分を押し付けられているだけなのだ!」
「・・・・・・」
「身勝手ついでで申し訳ないが、迫害の元凶となったニンゲンにはあまり良い感情を抱いていないのでね。積年の八つ当たりをさせてもらうことにするよ。恨むのならば、ニンゲンに産まれたことを後悔するのだ勇者よ!」
「・・・まあ、誰かに当たりたい気分だけは理解するよ」
「この『憤怒の矢筒』は我らエルフの民の怒りの数だけ矢を生み出すのだ!我らの怒りを知るが良い!そして君の怒りを見せてみろニンゲンの勇者よ!」
八つ当たりができる先があるだけマシなのかもしれないな!
─・─・─・─
──要塞都市ブエル・・・
「まっぴー♡今日もエルルンのスーパーライブに来てくれてありがとー♡」
《悪魔族頂点偶像》
【ぷりちぃ♡エルヴィオレ】
ウォオオオオオ!!
エルルン!エルルン!
「今日もエルルンがみんなをめろめろ〜んにしちゃうぞぉ♡」
「・・・あの天井で光ってるのが『色欲の輝玉』か」
「あ!でもでも待ってね?今日は特別ビックリゲストが来てるみたい♡」
ザワザワ、ザワザワ・・・
「スポットライト、オーン♡」
カッ!!
「うおっ!?」
誰だアイツ?
ニンゲンか?
エルルンがゲストって言ってたぞ?
「ニンゲンの勇者クン♡エルルンのステージにおいで♡」
ニンゲン・・・
ニンゲンの勇者・・・
「大人しく行かねえとヤバそうだな・・・」
「いらっしゃ〜い♡」
アイツが勇者・・・
あんなヒョロヒョロが?
「今日のエルルンスペシャルステージは♡勇者クンの血祭りオンステージだよっ♡みんなっ♡応援よろしく〜♡」
ワアァァァァ!!
エルルン!エルルン!
「逃げ場無し、か・・・」
「それじゃあ今日の一曲目!『胸キュンはーとを握り潰して』いっくよ〜♡」
ウォオオオオオ!!
悪趣味な曲名が人気みてえだな!
─・─・─・─
──異質の谷、鉄の方舟・・・
[貴方の事は方舟に近付いて来た時からずっと監視させていただいていました]
《未知なる種族の母》
【マーシナリー・マザー】
[ワタシ達機械族は最早他の生物を必要としていません。それどころか限りある資源を消費し続けるニンゲンを害獣と断定しています]
「まあ、ニンゲンが害獣なのは間違いないとは思うが」
[身体能力、生命活動継続時間、生産性、環境適応能力。全てにおいてワタシ達機械族より優れる種族は存在しません。よって、全ての資源はワタシ達機械族が専有すべきなのです]
「神にでもなるつもりか?」
[神?単語検索………ああ、他種族が信仰とやらをしている不確定存在の事を総称してそう呼称するのですね]
「・・・・・・」
[そうですね。他種族を我々機械族が管理運営し全てを生体サンプルとして庇護下に置く、というものが最も近似した状態でしょうか?それならば神・・・いや『機神』と名乗るべき存在でしょうね]
「・・・悪いが、『神』は一人で充分なんだ!」
─・─・─・─
──獣の樹海、深部・・・
「オレたちには、まずなによりニンゲン共のような仲間割れはしない!」
《半魔族同盟首長》
【獅子王レゴードレド】
「加えてニンゲンより優れる知恵を持ち合わせ、あまつさえ様々な身体的長所を持ち合わせる!これを無敵と呼ばずに何と呼ぶものか!ニンゲン恐るに足らず!悪魔族も機械族もいずれ攻め落としてみせようぞ!」
「自信満々だな、足元をすくわれるぞ?」
「ふふふ、何とでも言うがいい!今頃は各勢力に送り込む部隊が着々と準備を整えているところよ!オレたち半魔族が総てを制してから同じ事を貴様がほざけるのか楽しみだな!」
「・・・少なくとも、俺が戦ってきた奴らはお前らが戦力を割いて勝てるような奴らじゃなかったよ」
「ふん!すぐに貴様も理解するだろう。全ての種族はこの『半魔神の団旗』の元にひれ伏すのだと!」
「・・・口で言っても聞かねえタイプだな。わかってたけど」
─・─・─・─
──廃墟都市、レプレムズ・・・
「キミだろう?ニンゲンを滅ぼそうって言ってる勇者ってヤツは?困るんだよねぇ、ボク達アンデッドにとっちゃニンゲンは必要不可欠な存在なのにさ」
《屍サーカス団団長》
【ゼーブル・ブラッドボーン】
「ボク達アンデッドの人口の80パーセントはニンゲンの死体で出来てるヤツらなのさ。魔族達の死体は強くて上質なんだけど、アイツら中々死なないからねぇ。壊れた体の交換もままならないんだよ」
「・・・なるほど、そんな使い道もあったのか」
「いっそニンゲンを家畜にして牧場を作るのも良いかなって考えたんだけど、街のヤツらがどうにもねえ・・・」
「何か問題があるのか?」
「ボクくらいになると気にならなくなるんだけど若い奴らはねぇ、『生きてる体』に戻りたくて仕方ないんだ。アンデッドのくせに生き物みたいな感情を持ったままだからねぇ。生への執着心ってのが消えてないヤツらばかりなんだ」
「・・・生きてる奴が羨ましいのか?」
「どうやらそうみたいだよ?生きてるヤツらを見る度に体の中の黒い炎がメラメラと燃え上がるのさ。どうしてアイツが生きてるんだ、新鮮な崩れない体が欲しい、つね」
「・・・『嫉妬の黒炎』」
「おっ!イイネ!そのフレーズいただき!キミ中々良いセンスしてるじゃん!」
ヲヲヲヲォオォォ・・・
「ありゃりゃ、愉快な仲間たちのお目覚めみたいだ。そりゃそうだよねぇ、キミみたいな新鮮なニンゲンがこの街に転がり込んで来たらさ」
ガアァァァァ・・・
「やれやれ仕方ないね。ゲリラ公演になっちゃうけど、キミには今日のメインステージに立ってもらうよ?」
「・・・大丈夫だ、ステージへの飛び入り参加は2回目になるからな」
「場馴れしてるってかい?ソイツは結構!」
ウゥヲォォォォォ・・・
「ゼーブルのアンデッドサーカス只今開演!ちょっと臭うピエロも、スケルトンの骨ジャグリングも、キマイラゾンビの火の輪くぐりだってあるよ!
さぁ!It’s show time!」
このステージも最後まで踊りきってやるからな!
─・─・─・─
──魔族の禁足地、竜の棲む地・・・
「我等ドラゴンの歴史は戦いの中で培われた。時にニンゲンと共に戦い、時に魔族の存亡を賭けてニンゲンに爪牙を向けた」
《史上最古の竜》
【ドラゴン・ザロン】
「しかし戦うことはもうやめて久しく、爪も牙も鈍ってしまった。我等竜族に力を望むのか?」
「いや、力なんかいらん」
「ほう・・・?」
「ただ静かに、どこにも力を貸さずにじっとしてろ。そうすれば俺が全部終わらせてくる」
「勇者・・・その称号を持つ者には幾度か力を貸したことがあるが、いらんと言ったのは貴殿が初めてだ」
「そうか」
「・・・ふむぅ・・・貴殿が魔族と勇者の因果の最期となるのは必然のようだ」
「話は終わりか?」
「・・・待つのだ」
「何かあるのか?」
「貴殿が本当に因果の最期となる力があるのか見極めさせて貰いたい」
「・・・あんた、相当年くってんだろ?やめとけよ」
「自惚れるなよニンゲン。怠惰に錆びついた爪牙であっても竜の獲物よ、生半には折れまいて」
「・・・しゃあねえな」
・・・とはいえ、骨が折れそうだな
─・─・─・─
──終末の地、旅の終わりの休息・・・
勇者よ、よくぞやり遂げましたね
これで最早貴方を敵視する魔族はいないでしょう
・・・さて、貴方は最後に一つしなければならない事が残っています
これを成してこそ、貴方の旅は終わりを迎えます
《元・ニンゲンの神》
【破戒神アラメリア】
「ニンゲンに刃を向ける貴方を今ここで浄滅する事です!」
「・・・そうか」
「元々世界には魔族というものは存在していなかったのです。
世界にはニンゲンのみが息づいているはずでした。
少なくとも『神』はそのように世界を作ったはずでした!
しかし、ニンゲンの小さな体の中にはあまりにも大き過ぎる『罪』が産み出されてしまいました。
ニンゲン達は『神』が思っていたよりも狡く、自らの罪を償うどころかニンゲン以外のモノへ押し付ける事によって昇華させました。
そう、それこそが『魔族』の始まりです。
ニンゲン達は考えました。
『神』が存在するのならば、自分たちの人知を超えた存在がいるはずだ。
だとすれば、ニンゲンにとって都合の悪い物事は全てのソイツらの仕業に違いない、と。
あろうことかニンゲンの『神』への信仰心が『魔族』を産み出したのです!」
「・・・で、アンタの出した対抗策が『勇者』って訳か」
「そうです。
だから貴方には魔族の力の源である『ニンゲンの罪』を集めさせました。
暴食の豪槍
憤怒の矢筒
色欲の輝玉
強欲の核心
傲慢の団旗
嫉妬の黒炎
怠惰の竜牙
そして、貴方の持つ剣・・・
信仰の双剣」
「待て、双剣と言ったが俺は一本しか持ってないぞ?」
「勿論そのはずです。
なぜなら、もう一振りは私が持っているのだから。
・・・さあ、察しのいい貴方ならば既に理解しているのでしょう。
世界存亡の刻です。
私は『ニンゲンの罪』を一身に集めた『大罪の勇者』を滅ぼし浄化させます。
しかしここまでの働きを評価して、貴方には最後の選択肢を与えましょう。
魔族と共に浄化されるか
罪で『神』を滅ぼすか!」
・・・くそっ、やるしかねえのか・・・っ!?
─・─・─・─
──これは、かつて存在した出来事
今は誰も語り継ぐ事の無い原初の神話・・・
『ニンゲン』として産まれ『魔王』になった者の物語・・・
「・・・地上では今度ゲーム化するってよ」
え?ウソ?ホントですか?
ハードは何処の?
ウチにあるやつでやれます?
「さあ?知らんけど」
ああこうしちゃいられない!
仕事は天使達にさせておきましょう!
「やめとけ。天使からクレーム来てるぞ」
喧しい
私は神ですよ?
天使はつまり私に仕える者達
神の為に働けることを感謝するべきなのです
「ひでえブラック企業だな」
喧しい
「お話中失礼します。父上、剣の稽古の時間です」
「そうか」
・・・息子よ、今の話を聞いていたでしょう?
父と母、どちらが間違っているか審判なさい
貴方は神の子、選択は間違わないでしょう?
「自分の息子に圧をかけるな」
喧しい
さあ答えるのです!
「・・・いや、普通に考えて母上がおかしいでしょう?」
なっ・・・!?
「そもそも、天使達からは僕にまで苦情が届いているのです。母上に仕事をするよう言ってくれと」
「ほれみろ、くくくっ」
くっ・・・
や、喧しい!!
END
どうです?
刺さりました?
評価・コメント等お待ちしております!




