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ゆうこのゆううつ。

バフッ、、、

悠子は枕に顔を埋めた。

「なんかなぁ〜もうチョット無いのかな〜あんなにドキドキして、いい雰囲気になったのにあれから何にも無い。今日なんて おはよう の一言だけ。気が付いたら帰ってるし、、、」


悠子は仰向けになると枕を抱きしめた。

「仕方無いよね。お母さんのお見舞いに家事、勉強で、私に構う暇ないよねぇ〜」


悠子は、人指し指で唇をなぞる。

「、、、あの時、キス、したんだよね、、、」


悠子は真っ赤な顔を枕で隠し、足をバタバタさせる。

「明日、、、話しかけてみようかなぁ〜。文化祭の事もあるし、、、」



        翌日

女の子達「あ、あの!仲先輩ですか!わ、私1年2組の山田香菜と言います!あの、写真撮っても良いですか?」


真「、、、えっと、写真くらいなら、、、」


美紀「ありゃりゃ、一躍、時の人だね〜仲は!」

悠子「、、、。」


田中「オラッオラッオラッ!撮影禁止だ!誰の許可で撮ってんだ!散れ散れ!」

女の子達「キャッ」


美紀、悠子(ナイスだ!デブ中!)


田中「真!安心しろ!俺はお前の護衛だ!」


真「ありがとう!デブ中!」


女の子達「何あのデブ!超ムカツク!」


田中「だ、だれだ!今、デブって言ったやつ!」


女の子達「キャ−!」


田中「クソッ!真一が凄い人と知った途端にこれだ!」


村田「オッス、デブ、仲!遂にバレちまったな!マスコミとかは大丈夫なのか?」


真「まぁ僕自身、活動停止してるからそこまでの話題性は無いよ。過去の産物って感じ。」


村田「でも仲は何で絵を描かなくなったんだ?コンクール受賞は中学1年の時だろ?」


真「、、、。」


田中「まぁ、いいじゃねぇか!真は真だ!」

村田「だな!悪かったよ、仲!」


真「いや、気にするな。」

ふと、悠子と目が合う。

悠子は思わず目をそらす。


それを、見ていた美紀は

美紀「、、、悠子、仲と何かあった?」

悠子「な、な、な、何も無いよ!あるわけ、あるわけないでしょ!ホラ、教室行くよ!」


美紀「なんて、わかりやすいリアクションなの」



授業中も私は何度も彼を見てしまう。そして今日は何でもいいから話がしたい。一言でもいいから、、、


   放課後

悠子「な、仲君。げ、元気?」

私は何を言っている!


真「、、ああ。元気だよ!綾坂は元気か?」


うっ、、、カウンターだ!

悠子「わ、私はめっちゃ元気!」


真「元気で健康が一番だよね!世の中には病気で苦しんでいる人は沢山いる…」


悠子「、、、今日、お見舞い?」


真「うん。最近、母さん元気無いんだ。」


悠子「わ、私も行っていい?、、、」


真「綾坂はいいのか?つまらないよ。」


悠子「えっ!い、いいの?行きます!行きたい」


私は、仲君のお母さんのお見舞いに一緒に行く事になった。お見舞いに行く目的なのに私は仲君をチラチラ見てしまう。

綺麗な指、女の子の手みたい。優しい目、黒目の割合が大きいから、つぶらで可愛い目。柔らかそうな唇、実際、柔らかかったけど。

今まで意識しなかったけど、よく見ると仲って中性的。

隠れファンがいるのが分かる気がする。肉食女子なら飛びかかると思う。


真「綾坂!さっきからジロジロ見てない?」


悠子「な、な、み、見てない!見てない!」

ヤバイ見過ぎた!


結菜が先に病院のロビーで待っていた。


結菜「お兄遅い!、、、えっ、もしかして、綾坂悠子?」

真「、、、呼び捨てかよ。」


悠子「はじめまして。結菜ちゃん?綾坂悠子と申します。」


結菜「凄い!本当に綾坂悠子だ!凄い綺麗!噂以上だ!」

真「だから、呼び捨てはよせ。」


結菜は、興奮している。

「この辺で綾坂さんを知らない人は、いませんよ!綾坂さん目的で誠凛高校受ける人がいるくらいです!、、、でもどうしてここに?」


悠子「仲君と同じクラスメ−トなの。私が無理に付いて来てしまって、、、」


結菜は悠子の手を引っ張り「こっちだよ。お母さんきっと喜ぶよ!」



真「母さん、こちら同じクラスメ−トの綾坂悠子さん。」

悠子「は、はじめまして。綾坂悠子です。」

綺麗な人、青白く、痩せているけど間違い無く美人だ。仲君に、似ている。、、当たり前か。


涼子「はじめまして。こんな綺麗なお客さんは、はじめてね。」

真「母さん。最近元気ないから心配だよ。」

涼子「フフッ。大丈夫よ。お薬が変わったから慣れないだけよ。」







真「あ、もう、こんな時間かぁ。母さんもう行くよ。」

涼子「無理に来なくて良いからね。ちゃんとご飯食べなさいよ。」


僕たちは病室を出た。

涼子「綾坂さん!少しいいかしら。」

涼子は綾坂を呼び止めた。母さんが二人で話したいと言うので僕と結菜は外で待った。


涼子「今日はありがとうね。真一は学校ではどうかしら?イジメられてないかしら?」


悠子「仲君は元気ですよ!仲間や親友も居て、私は羨ましい時があります。」


涼子「、、、そう。安心した。ありがとう。、、、綾坂さん、貴方に聞いて欲しい事があるの。お門違いかもしれないけど聞いてくれるかしら?」

悠子「、、はい。私で良ければ。」


涼子「あの子の絵の事は知ってるわね。、、、あの子から絵を奪ったのは私なの。あの子の父親も画家だった。努力を惜しまない画家だった。しかし あの子は天才だった。誰に教えて貰った訳でもなく、構図、色使い、天からの才能だった。それに加え瞬間記憶能力、、、一度見たらその映像を正確に記憶出来る。、、、一度ピカソ展に連れて行って、家で模写させたの。、、、正直、本物かと思ったわ。私達は我が子の才能に歓喜したわ。しかし、それと同時に恐怖した。目覚めるには余りに早すぎたの。だから私は真一が当たり前の教育を受けて当たり前の大人になるまで絵を封印させたの。だけど、我慢しているあの子が不憫

で高校入学時に美術部の入部を促したわ。そんな真一が、この間どうしても描きたい女性が出来たと話してくれたわ。、、、貴方ね。

のんびり屋で少し抜けている所もあるけど真一をお願いします。」


悠子「お、お母さん。やめてください!、、、私こそ、何も出来ませんがお願いします。」


バタン、、、悠子が出て来た。


真「母さん何て?」


悠子「気になる?」


真「何だよ!イヤらしい目だな!」


結菜「そうだ!綾坂さん、今日一緒に晩御飯食べようよ!お兄が作るからさ!


真「おい!兄ちゃん6日連続で作ってるぞ」


結菜「そんな事言わずにお兄様お願いします!

私、今日カルボナーラ!汁ダクで−!」


真「綾坂。良かったら一緒に食べよう。」


悠子「はい!」

昨日までの憂鬱は吹き飛びました。




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