履歴。
12月26日
悠子「ねぇ美紀、文化祭ってどうだった?」
美紀「え?、あ、うん。悠子は大変だったよね。」
悠子「、、、絵、仲君ってどんな絵を描いたの?」
美紀「、、、そんな事まで忘れてしまうのね、、、悠子!仲の絵を見に行こう!諸事情により今は美術室に保管されているわ!」
悠子「、う、うん。」
ガラガラ、、、
美紀「失礼しま〜す。」
美紀と悠子はそっと美術室へ入ると奥の鍵の掛かった部屋の前に立つ。
美紀「ちっ。やっぱり鍵が掛かってる。」
悠子「仲の絵ってそんなに凄いの?」
美紀「、、、国宝級!」
スタ、スタ、スタ、誰かがこちらへ向かってくる。
思わず2人は隠れる。
校長「いやぁ!本当にすばらしい絵ですよ!是非鑑定をお願いします!」
美術商「そうでしょう、そうでしょう!あの仲真一の待望作ですからね!」
校長と美術商が入ってくる。
校長は奥の鍵が掛かった部屋を開けるとドアを開け、更にセキュリティロックを外す。
美紀「凄い、何個鍵が掛かってるんだよ。」
校長と美術商は奥で真一の絵を見ている。
美術商「ほおー、これは、素晴らしい!色使いが素晴らしい!こんな表情を描き出すとは一体どんな描き方をしたら描けるのだ?、、、校長、この絵は価値がありますよ!オークションに出してみませんか?」
校長「、、、いやぁ、それはなかなか難しいですよ。」
美術商「別に売らなければいいのですよ!価値を確認するだけと言う事で!」
美紀「?何言ってんのあの絵は仲のじゃん!」
校長「ま、まぁ、価値を知る事は大事な事ですな、、、仲君も絵を引き取りに来ませんし、彼は休学中ですし、一度やってみますか?、、、本人に代わって、、、勿論、彼の為ですぞ!」
悠子は立ち上がり校長達のいる奥の部屋へ歩いて行く。
美紀「ちょっと!悠子!」
悠子は絵の前に立つ。
校長と美術商は驚く。
校長「あ、綾坂君な、何故君がここに?」
悠子は絵に心を奪われる。
悠子「、、、素敵。モデルは私だ、、、凄く優しい表情、、、夕陽が私を包んでくれている。」
暫く悠子は絵に魅入られて動けない。
校長「あ、綾坂君、これはだね、別にやましい事では無く、たまたま知り合いに美術のわかる友人がいてだね、、、」
悠子「、、、校長先生。この絵は、、、私の物ですよね?」
校長「な、仲君が譲る人は決まっていると言っていたが、やはり綾坂君だったか…そ、それならば仕方ないな、、、」
悠子「、、、じゃあ引き上げますね。」
校長「え!」
悠子は絵を白いべールに包むと部屋を出た。
校長「、、、ッハー!がっくし。」
校長は肩を落とす。
美紀「悠子!記憶が戻ったの?」
悠子「、、、戻ってないよ。ただ、あんな事を言う人達に見られていたくなかったの。私がモデルなら仲君との間で貰う約束していても不思議はないかなって。」
美紀「はぁ〜。凄いね悠子は。よく機転がきいたわ!」
その晩、悠子の部屋
悠子は壁に絵を飾り、ベッドで膝を抱えて絵を眺めている。
悠子「本当に素敵な絵。ずっと見てられる、、、こんな絵が描ける仲君って本当に凄い、、、私達この時どんな会話していたんだろう。仲君と私はどんな関係だったんだろ。」
悠子は枕に顔を埋める。
悠子「、、、キスとかしたのかな?、、、嫌、無いな!やっぱり仲君はタイプじゃないし、、、でも、絵の中の私の表情は愛情に溢れている。絵の中の悠子は誰を見て、そんな笑顔になってるの?、、、ねぇ、教えて、、、」
悠子はハッとする。
悠子「なんで今まで気が付かなかったんだろう!
ラインの履歴!」
悠子は真一とのライン履歴を読む。
悠子「、、、な、な、何コレ?めっちゃ私、仲君に惚れてるじゃん!!!、、、恥ずかしい!!!」
悠子は枕に顔を埋めて足をバタバタさせる。
悠子「この二人絶対キスとかしてるよ!えーー!マジですか?私、仲君に合わす顔ないよ、、、」
悠子はベッドに横になりながらライン履歴を真っ赤な顔をしながら見ている。無意識に首筋に指が行く、、、!!!
悠子「、、、ネックレスだ、、私、ネックレスしてた、、、。どんなネックレス?誰から貰った?それとも自分で買った?」
ズキン、、。
悠子「駄目、頭痛い。」




