ごめん。
香織は真一の上に股がったまま上着を脱ぎ始めた。下着まで取るとアトリエの窓から入る月明かりに照らされて白い肌は更に透明感を増していた。
香織は真一のシャツのボタンを外し肌を露出させた。
真一の身体に自分の身体を密着させると。
香織「あったかいね、、、」
真「、、、」
香織は真一の首筋にキスをするとそのまま唇まで舌を這わせた。
真一の意識は尊重される事無く、口は開かれ強引なまでに貪られる。
理性と本能の合間で真一は思う。
悠子、、、ごめんね、、、でも僕達はもう戻れない、、、君の中の僕は消え、僕の中の僕だけが置き去りにされてしまった、、、これで、いいんだ、、、こんなに本能を剥き出しにしてまで僕が欲しいのなら香織ちゃんに全てを委ねてもいいでしょ、、、僕も悠子の事を忘れるから、、、
香織は貪欲に真一を求める。寒いはずのアトリエの温度が上がって行く、、、
不思議だね。自分の意思とは別に僕の生殖器官はその役割を果たそうとする。
恍惚の表情で香織はそれに手を延ばす。
慣れない手付きで香織はそれを玩び、自分の中へ導く。
真一は無意識に、、、
「悠子、、、ごめん、、、」
香織の動きが止まる。
理性が本能に追いつく。
香織「、、、それ、言っちゃうかな、、、」
香織は静かに真一から離れ壁際まで行くと膝を抱えて顔を伏せる。
真一はズボンとシャツを戻すと、うずくまる香織にコートを掛ける、、、
真「香織ちゃん。ごめん。今の香織ちゃんみたいに僕を愛してくれた女性がいたんだ。僕もその女性が大好きだった。幸せの絶頂時に突然彼女の記憶から僕が消えた。2人だけの世界で1人取り残された僕は悲しみの世界を1人彷徨っている、、、無意識で出ちゃったんだ、、、ごめん」
香織「、、、どんな子?」
真「、、、可愛いくて、美人、強引でワガママ、優しくて、子供みたいで、無鉄砲、、、本当に愛してたんだよ。」
真一は涙を堪える事が出来なかった。
香織「、、、ごめんなさい、、、私、何してんだろうね、、、真一君の心を犯してまで私利私欲な最低な行為だよね、、、」
真「また、絵を見に来てくれる?」
香織「うん。、、、真一君優しすぎるよ、、、」
香織は翌朝、笑顔で帰って行った。
勿論、行為はなかった。