12月24日前編
12月24日
朝7時ってよく考えたらバスも無いし、始発って8時じゃあなかったか?駅までの足がないから自転車で駅に向かう。
6時45分
真「少し早く着いたかな?」
香織「真一君!こっちこっち!」
真「朝から元気だなぁ。」
香織「おはようございます!今日は宜しくお願いします!」
香織は深々と頭を下げ、ニコリと笑う。
ミニスカートにコートでブーツを履いていてスラッとして、まるでモデルの様だ。
真「早いね!何時に来たの?バス無かったでしょ!送って貰ったの?」
香織「あれです!私の愛車レオナルドです。」
香織は指差す方向に自転車がある。
真「その格好で自転車乗ってきたの?
フフフッ。香織ちゃん面白いね!」
香織「はい!めっちゃ漕いできました!」
最初は男慣れした今時の子かと思ったけどバイトしてお小遣いを稼いで、自転車とかで来て、挨拶もちゃんと出来る、、、良い子だなぁ。
香織「真一君、朝ご飯たべた?私、おにぎり作ってきたから始発までに食べませんか?」
真「本当に!凄いな!頂くよ!、、、でも今日何時に起きたの?」
香織「う-んとね、色々服、迷ってご飯作ってたら朝になりました!」
真「え、徹夜?それでチャリ漕いできたの?凄いね!」
香織「えへへ。」
香織は赤くなり首を斜めにして笑う。
真「うわぁ、美味しそう!食べていい?」
おにぎり、卵焼き、唐揚げ、ウインナーこれ作るの時間掛かったよな、、、
香織「沢山食べてください!」
真「う、上手いよ!卵焼きも甘くて美味しい!」
香織「良かった!卵は甘いの嫌いな人いるじゃないですか!真一君好き?」
真「うん、好き。」
香織「私の事は?」
真「、、、嫌いじゃない。」
香織「ちぇ、、、でも、いいんだ。あんなに憧れてた仲真一とこうしていられるから。」
真「でも、なんで僕が好きなの?1億ドルの男だから?」
香織「、、、私、小さな頃、お母さん死んでしまって居ないの、中学の時テレビで真一君が描いた女の人、お母さんに似てた気がして、もし、お願い出来るならあの絵を近くでみせて欲しくて。」
香織は下を向く。
「ご、ごめんね。1億ドルの絵を私ごときにみせれないよね!図々しい事言ってごめんね。」
真「良いよ!今日、帰りに見においでよ。気が済むまで見ればいいよ!」
香織「本当に!嬉しい!本当に嬉しいよ!ありがとう真一君!」
香織は、瞳を輝かせて本当に嬉しそうだ。
僕の中で香織の笑顔が胸を締め付ける。
僕は香織の頭をなぜる。
真「香織ちゃんも食べよう。」
8時、始発に乗る。
香織「街へ出かけるの久しぶりだよ!真一君の今住んでる所は都会?」
真「う〜ん。東京程じゃないけど生活は便利だよ。」
香織「ふ〜ん。いいなぁ。」
香織は真一の肩に頭を乗せる。
真「寝ていいよ。昨日寝てないでしょ?」
香織「いや、いい。寝たら勿体ないから。」
真「フフッ。」
電車で1時間、それなりの街に着く。
やはり香織はモデル体型の為、目を引く。
綾坂の時もこんな感じだったな、、、僕はハッとした。僕は香織ちゃんと綾坂をついダブらせてしまう。それが彼女にどれだけ失礼な事か、、、もう綾坂と比べるのは辞めよう。僕の知っている綾坂はもういない。僕は香織の手を握る。
香織「え、、、」
香織は恥ずかしがって下を向く。
真「?いつも大胆なのに恥ずかしいの?」
香織「だ、大胆なんて、私、デートとかした事ないし、男の人から手を握られた事なんて無いよ!」
真「え、だって初めて会って時にいきなり腕組んで来たじゃん!」
香織「、、、本当に憧れてたの、仲真一に、、、嬉しくて嬉しくて、もし身体で落とせるなら身体をあげてもいいと思ったんだよ。」
真「馬鹿だなぁ。自分を大切にしなよ!絵なんかと身体を天秤に掛けちゃ駄目だ。」
香織は真っ赤になり軽く頷く。
街はクリスマス1色、恋人たちの特別なフィールドになっていた。
手を繋ぎ歩いていると一人の男が声を掛けてきた。
男「すみません!月刊YESです!今、恋人達特集やってて写真1枚良いですか?」
男は名刺を渡してきた。
香織「え、あのファション雑誌の?凄い。ねぇ真一君いいでしょ?」
真「僕はいいから香織ちゃん撮って貰いなよ」
男「駄目ですよ!恋人達特集だから彼氏さんも入らなきゃ!お願いしますよ!」
僕は渋々写真を撮って貰った。ブーツの香織の方が背が高く僕がチンチクリンに見えるだろ。この男の悪意を感じるよ。
お昼は香織の希望でイタリアンのコースを食べた。
香織「うわぁ、高いね。お金足りなくなっちゃう、、、この最安値の2980で手を打つか!」
真「すみません。この10000のコースを2つ下さい。」
香織「え、ちょっと待ってよ!お金無いよ!」
真「ここは僕が出すよ!朝ごはんのお礼!」
香織「真一君、素敵すぎ。」
香織は美味しそうに食べる。豪快に食べるから見ていて気持ちが良い。そんな香織に見とれていると、、、
香織「ハッ、もしかして私間違ってる?作法とか知らないし!」
香織は真っ赤な顔で言う。
真「ごめん、何でも無いよ!美味しそうに食べるから頼んで良かったって思ったんだよ。」
香織は恥ずかしそうに口を尖らせて僕を睨んだ。
それから僕達は街を歩き街のクリスマスイベントを楽しんだ。
真「5時か、バスを考えるともう出ようか?」
香織「う、うん、、まだ、いたいけどね。」
僕は寒さで鼻が赤くなっている香織がトナカイさんみたいで可愛いくて自分のコ−トを広げて香織を包む様に抱きしめた。
香織「え、、、。」
戸惑った香織だが目をつぶり
「あったかいよ。」