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文部大臣賞

真「母さん。体の方はどう?大分顔色はいいみたいだけど。」

涼子「大丈夫よ。それより毎週来なくて良いからね。あなた達には家事や食事で迷惑掛けているから。真は部活行けてるの?せっかく美術部入って大好きな絵が書けると喜んでたじゃない?」

真「大丈夫だよお母さん!絵はいつでも書ける!

母さんが早く良くなるまでの辛抱だ!」


涼子「結菜は今年高校受験でしょ?勉強は大丈夫?


結菜「大丈夫だよ!お兄が私の分の家事やってくれているから!お母さんは病気治す事に集中して!」


涼子「本当にごめんなさいね。真は本当に才能に恵まれて生まれて来たの。その才能を伸ばしてあげれない母親なんて、母親失格ね。」


真「母さん。違うよ!仮に僕に才能があったならその時は必ずやって来る。今やる事は母さんの病気が早く治る為に母さんを安心させてあげる事だよ!」


結菜「そうだよ!お兄なんて暇人だから家事なんていくらでも出来るから心配しなくていいよ!私だって必ず誠凛高校受かってみせるし!」


涼子「、、、お母さんあなた達に出合えて本当に幸せよ。ありがとうね。」


僕と結菜は母親に抱き寄せられながら温もりに包まれていた。



結菜「今日はお兄が晩ごはん当番だからね。私ハンバーグが食べたいから帰りス−パ−寄って行こうよ!」

真「今日は、じゃないだろ。今日もだろ!」




男子A「いやぁ悠子ちゃん歌上手いね!男共はメロメロですよ!」

男子B「おっ!お前、勇者イベント行っちゃう?

男子C「ファミレス行こうよ!悠子様も大丈夫ですよね!」


悠子「あまり遅くならないなら大丈夫だよ!」

美紀「いいな〜悠子は。そろそろ誰かに決めちゃえば?悠子なら誰でも選び放題だし!」


悠子「う〜ん。今は皆と一緒の方が楽しいか

な?」


男子A「あれ?あれって仲じゃない?ほら女の子と歩いてる奴!」


美紀「本当だ!彼女いたの?ちょっとショックかも〜…」


男子C「えっ美紀、仲を狙ってたの?」


美紀「そこまでじゃぁないけど何か良くない?仲君って」


男子C「知ってる?仲って超、絵が上手いんだよ中学生の時、文部大臣何とか賞っての貰って雑誌に、乗ったんだぜ!」


美紀「何それ!めっちゃカッコいいじゃん!私、仲に勇者イベントしよかな!」


男子B「アホかお前は彼女と歩いてるだろ!」



悠子「、わ、私やっぱり帰るね!用事があったから今日は楽しかった。ありがとう。後でラインするね!」


男子共「えっ…そんな〜」美紀「ち、ちょっと悠子〜!」


なんだろう、別に仲君の事なんて好きでもないし今まで意識した事ないし彼が誰と何処で何してようが関係無い。

ただ、さっきの女の子を見つめる目がとても優しくてあんな眼差しで見つめられたいと思った。

と同時に委員会をすっぽかしてデ−トしている彼に怒りが湧いて来た。


田辺さんが可哀想!



  翌日

真「田辺さん、昨日はごめんね!委員会大丈夫だった!」


田辺「あっ仲君。、、、実はジャンケンで負けてしまって図書帳簿する事になってしまって、ごめんなさい。」


真「な、何〜!図書帳簿!やばいねそれは!」


図書帳簿とは半年に一度、本棚の本と在庫帳簿が合っているかの確認と適当に戻された本を指定の場所へ戻すという地獄の業務である。


真「、、、大丈夫だよ。田辺さん。それは僕が何とかするよ。しかも今週中に。」


田辺「えっ。駄目ですよ。一人でやるなんて大変です。放課後に二人でやれば一週間内で出来ますから。」


真「大丈夫、大丈夫!いつもサボってしまってるお詫びだから任せてよ!」


「それよりご飯奢るのだけど良かったら昼ご飯を一緒にどう?弁当作ってきたんだ!」


田辺「仲君が作ったの?凄い!食べたい。食べたい!」

田辺は真っ赤な顔をして興奮している。

 

誰かが二人の間に割って入る。


田辺「、、。悠子さん?」


悠子「田辺さんごめんなさい。少しだけ。、、、

仲君、昨日夕方、貴方を見かけました。貴方が何処で誰と会っても私には関係ないけど感心しません。田辺さんが、可哀想です。、、、


   シ−ンと静まり返る教室


はっ、、、ごめんなさい。話に割り込んでしまって。」


クラス中が綾坂の行動と言動に注目していた。


田中「あっ、綾坂さん勘違いしている、、、

真「デブ中!いいから。」

僕は僕を養護しようとしてくれた田中を遮る。


真「別に言い訳はしないし、田辺さんには申し訳ないと思うけど僕は間違っていないよ。綾坂に理解して貰おうとは思わない。

、、、田辺さん。屋上で食べよう。沢山あるからね。」


田辺「う、うん。」

田中「では拙者もおよばれしますか!」

真「何でお前も来るんだよ!」


美紀「、どうしたの悠子。あなたらしくないよ」


悠子「、、、ご、ごめんなさい。」



田辺「す、凄い!卵にウインナー、唐揚げ、ハンバーグまである!これ全部、仲君が作ったの?

 

真「ああ。ハンバーグは残り物だけどね!」


田中「う、うまい!真一お前の才能は絵だけじゃぁ無かったんだな!」


真「あっコラデブ!田辺さんより先に食べるな!」


田辺「、、、絵の才能?仲君、絵を書くの?」


田中「何を隠そう仲は中学生の時にあるコンクールで文部大臣賞を貰ってその絵がアメリカの資産家の目に止まり1億ドルの値が付いたという伝説。雑誌にも載ったんだぜ。また憎いのがこれは病気の母親の為に描いた絵だからいくら積まれても売る気はないと言ったんだ!普通中学生でそんな事言えるか?だから知っている人の間じゃ超有名人!そして何より凄いのがこんな、何の取り柄のないただのデブを親友とよんでくれる。」


真「過去の話しだ。僕は凡人だよ。」


田辺は真っ赤な顔で目がトロンとして真一を見つめている。


パチパチパチ。「やっぱり仲君はあの絵画の作者仲 真一先生だったか!」

村田 創だ。

「僕は分かっていたよ!君の何もしなくても人を引き付ける魅力は凡人のものでは無く天才のみが醸し出す余裕。

だから僕は君を文化祭委員長に賛成したんだ!」


真「あっ田辺さんウインナーなくなっちゃうよ。」

田辺「あっ頂きます。」


田中「マジこのハンバーグうめぇ!真、俺の彼女になってくれよ!」



村田「、、、お−い!無視するな!」



田中「村田!まぁ真が、何者でもいいじゃないか

お前も食べろよ!めっちゃ上手いぞ。」


村田「、、、じゃあ、少しだけ。、、うまっ!」



悠子「別に盗み聞きした訳じゃなく聞こえただけだから、、、」

悠子は図書室に向かっていた。昼間、田辺と真一の話しを聞いていたので真一が図書帳簿の整理をすると考えたのだ。


真「さってと!今、4時だから30分は出来るかな?ス−パ−のタイムセールは5時!」

真一は本棚の本を全て机の上に出すと目をつぶり頭の中の本棚を思い出す。

瞬間記憶能力。

これもまた神が、真一に与えた能力だった。


「よし…!」

真一は迷う事なく本を本棚へ戻していく。

あっと言う間に一つの棚が埋まる。

30分程して図書室半分の本が所定の位置に戻る。


悠子「、、、す、凄い。適当に戻してるの?それとも、、、」

真一が入口でこちらを見ている悠子に気づく。


真「おわっ、!綾坂!びっくりした!本でも見に来たの?僕は用事があるから行くよ!」


悠子「な、仲君。見ていたけど適当に戻すなら意味ないよ!早くても正確でなければやる意味ないよ!」


真「、、、その通り!綾坂もし暇だったら本棚と帳簿が合ってるか確認してよ!僕、タイムセールに行くからさ!」


悠子「な、なんで私がそんな事するのよ! 

何?タイムセールって?」


真「、、、結構自信あるんだ!間違ってたら明日教えてよ!   じゃね!」


真は猛ダッシュで帰って行った。



それから2時間かけて綾坂は真が戻した本棚と帳簿を確認した。

悠子「、、、凄い。全部合ってる。」


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