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クライアント。

悠子「おはよう。ちゃんと朝ごはん食べた?」


悠子「次の英語プリントやってきた?」


悠子「お昼は学食行こうよ…」


悠子「今日はお見舞い行かないよね?一緒に帰ろ。」


悠子「手を繋いでいい?いいよね!」


真「綾坂、、、この前、学校内ルール作らなかった?」


悠子「ん、、作ってないよ。」


手を繋いで嬉しそうに歩く綾坂を見ると怒りたくても怒れないのが現実だ。


この前、田中に「真、やり過ぎた!もう少し何とかならんか?」

と言われたがその通りだ。


手を繋いで鼻歌を口ずさみながらご機嫌な綾坂を見ていると思わず笑顔になるのは事実だ。


僕らの前に一台の高級車が止まる。

車から一人の男が降りてきた。

男は僕に深く頭を下げると近づいてきた。


友永「仲真一君、突然申し訳ない。出来れば少しお時間を頂けないかな?」


僕は綾坂を見た。


悠子「あ、私は先にかえるよ。大丈夫だよ。」


友永「綾坂の娘さんだね。はじめまして。友永一樹と申します。よろしければご一緒で構いません。」



僕達は近くの喫茶店に入る。


友永「、、、まずはありがとう。素晴らしい絵だ感動した。君の絵には魂を感じる。本来ならば直ぐにお礼を言いたかっんだがバタバタしていて遅くなってしまった。申し訳無い」


真「いいえ、構いません。」

友永さん大分変わったな。凄く丸くなった。


友永「新しい病院に飾らせて貰うよ。、、

まずはこれを納めてくれ。」


茶色の紙袋、中身は100万円。


真「こんなに?い、頂けません。」

悠子「、、、凄い。」


友永「これは、ある意味ビジネスだ。綾坂から電話を貰った時に君はクライアントと話がしたいと言ったんだね。、、、そう、私がクライアントで君は報酬を受ける資格がある。


、、、本当に君には感謝している。最後に娘からのメッセージ貰ったよ。」


友永は少し涙ぐんでいたが悟られぬ様に少し上を向く。


「それと、君のお母さんの件だ。、、、内の病院で、手術しないか?僕にオペをさせて貰えないか?、、、確かにカルテから手術が難しいと判断する医師も多いが私なら出来る。是非やらせて欲しい。」


真「、、、とてもありがたいお話しです。、、、

ありがとうございます。、、、一度、母と話しても宜しいでしょうか?」


友永「ああ、構わない。いつでも連絡をくれるといい。」

友永は名刺を差しだし、頭を下げると出て行った。


僕達はまた手を繋ぎ歩き出した。


悠子「、、、真一どうするの?」


真「、、、分からない。友永さんの申し出はありがたいけど、今まで母さんの手術は難しいって言われてきたから正直考えてしまう。」

僕は少し下を向く。


悠子「大丈夫だよ。」

悠子は手を離し真一を抱きしめて頭を撫ぜる。

「真一の隣にはいつも私がいるからね。」


僕は綾坂の柔らかく細い身体を強く抱きしめた。


悠子「そうだ!今日はステーキにしょうよ!結菜ちゃん喜ぶよ!」

「真一の初お給料入ったし。」


真「あ、そうだ。これ綾坂のお父さんに渡して、

やっぱり僕は貰えないや。」


真一はいつも、そう。欲が無く、優しくて、真っ白な人間。だから私は真一から離れられない。

真一以外考えられない。


悠子「バカね、、、返したかったら今週日曜日に綾坂家に来る事!いい?いいよね。、ハイ決まり!今週日曜日は綾坂家にきてください!

時間はまたラインします。」


悠子は真一の手を取り歩き出した。

悠子「じゃあ、今日はお魚でも焼こっか?」


真「作るのは僕でしょ?」


悠子「そうだよ。私は食べる専門です。」


綾坂、いつも隣にいてくれてありがとう。




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