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綾坂の家 中編

教室での綾坂 夕陽に射抜かれた女神


アトリエでの綾坂 太陽と月が重なる時


綾坂はいつも僕に衝動を与えてくれる。


絵も大分進んだので今日はもう大丈夫だろう。

筆を置く。僕は画材を片付けると綾坂に近づく

静かな寝息を立てて深い眠りについている。 

唇が少し開いている。

真「フフッ、可愛いなぁ。」僕は前髪を左右に分ける。綺麗だけど、まだあどけない顔立ち。

柔らかそうな唇。

、、、キスしたい。僕は衝動に駆られる。


いつも近くにいるからあまり感じないけど本当に綺麗で、可愛い子。僕は顔を近づける。唇まで後5センチの所

コンコン。部屋の入口ドアがノックされた。

綾坂母「入るわよ。あなた達お昼どうするの?もう1時過ぎてるけど。」


僕は飛び退き床に座る。

綾坂母が入ってきた。

綾坂母「やだ、この子寝てるの?、、、ねぇ、仲君。この子、可愛いでしょ?」

母は綾坂に布団を掛ける。


しまった。そうだよ。布団を掛けてあげるのが愛情だよね、、、僕は自分の欲求だけで綾坂を見ていた。


真「、はい。僕には勿体ないです。」


綾坂母「ふふっ。この子いつも仲君の事ばかり話すのよ。楽しそうに、、、一生懸命恋してる。、、、親のエゴかもしれないし、こんな事は言うべきではないのだけど、悠子を悲しませないで欲しいの。、、、お願いします。」

綾坂母はペコリと頭を下げる。


真「やめて下さい!悠子さんは僕には勿体ないです。僕が捨てられる事があっても僕が捨てる事なんて考えられません。」


綾坂母「ごめんなさいね。親が頼むなんて反則技よね。、、、悠子は寝かせておいて仲君は一緒にお昼食べましょう。」


僕は綾坂母の後に付いてリビングへ向かう。


綾坂母「そういえば、私が入った時、キスしてなかった?無抵抗の娘に!」


真「、、あ、いえ!してません。してません!余りに静かなんで大丈夫かなって見てただけです。」


綾坂母「フフフッ。冗談よ。嬉しそうに '今日真一とチューした−' って前言ってたわ。」


真「あ、いや。、、、すみません!」

綾坂って何でも言っちゃうんだ、、、


リビングに行くと綾坂父が先に食事をしていた。

休みの日でも髪型オールバックなんだ。


綾坂父「やぁ、仲君いらっしゃい。何も無いけど食べてって。」


真「はい、いただきます。」

やだなー、緊張するし、、、どうせ絵の事聞かれるなら自分から言おう。


真「おじさん。この前の絵の事なんですけど。」


父は箸を止めて真一を見る。

「、、、無理に考えなくても大丈夫だよ。私達大人のワガママだ。」


真「、、、クライアントと話が出来ますか?」


綾坂父はニヤリとする。

「私はビジネスマンだ。君の今の目、嫌いじゃない。もし良ければご飯を食べたらその人に会いに行くかね?」


真「、、、はい。」

、、、綾坂寝てるし大丈夫だろう。


僕は急いでお昼を済ますと綾坂父の高級車でその人物に会いに行く。

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