帰郷3
駅から川沿いの道を歩くと小さなお店が軒を連ねる。綾坂はふくれている為に僕の少し後ろを歩く、、、まずいなぁ。どうしよう?
ふと一軒のお店に目が行く。アクセサリーや小物が売っているお店だ。、、、これだ!
僕は綾坂を店の方に促す。
悠子「わぁーコレ可愛い。」悠子は四つ葉のクローバーのネックレスを手に取る。
よし!いける!僕の心の声だ!
店の中から店主が出てくる。50代後半の少し頭の薄いオヤジだ。
店主「いらっしゃい!うちのは全部、手作りだよ! おっ、綺麗な子だね!彼氏君、買ってあげなよ!、、、ん。」
店主は目を丸くして真一を見つめる。
店主「、、、真ちゃん。真ちゃんだよな!大丈夫だったか?元気だったか?、、、皆、心配してたんだよ!いつ帰ったの?」
真「おじさん久しぶり。僕は元気さ!今さっき駅に着いて米婆さんの所行くんだよ。」
店主は少し涙ぐんで「大変だったもんな!お前は偉いよ!俺の誇りだ!」
真「そんな事ないよ。おばさんは元気?」
店主「ピンピンしてるよ!丁度買い物いっちまったよ。、、、それよか、この綺麗過ぎる子は彼女か?」
来た!これを待っていたんだ!
真「僕の大切な人です!」
き、決まった!!!綾坂の方をチラリと見る。
悠子「、、、わざとらしい。」
眉間にシワを寄せてブーとなる。
真「は、はずしたーー!」
(悟空が元気玉を外した時のイメージ)
店主「ハッハハハッ!そうか、でもこんな綺麗な子を引っ掛けるとは、やっぱり真ちゃんは凡人じゃないな!、、、よし!好きな物選べ!二人にプレゼントしてやろう!」
悠子「エッ!本当に!、、、仲君選んで!」
良かった。いつもの綾坂に戻った。
真「う〜ん。どうしょうかな?、、、よし、これにする!、、、綾坂!後ろ向いて。」
悠子「う、うん。」
僕は後ろからネックレスを綾坂に付けた。
四つ葉のクローバーのネックレス。
綾坂が一番最初に気に入ったやつだ。
悠子は四葉を指でつまんで嬉しそうに笑う。
真「おじさんありがとう!おばさんに宜しく伝えて!」
店主「、、、もう、行ってしまうのか?この町には住まないのか?」
真一「大丈夫だよ!また来る!」
僕達は米婆さんの所へ向かった。
ガシッ。綾坂が僕の腕にしがみついてきた。
真一「、、、あの、綾坂?どうした?」
悠子「だって、嬉しいから」
米婆さんの店が見えてきた。
店の前に人影が2つ。
山下ともう一人、、、静香だ。、、、頼むぜ山下!
静香はまずいだろう。せっかく綾坂の機嫌が直ったのに。
僕は嫌な汗をかいている。
波乱の予感。




