やっぱり 乙女ゲームですか
婚約破棄の四人目の話しです。
前回の話しと被せてます。
やっぱり話しが、ずれます。
私の名前は、アウレイリア・スタリオンです。
伯爵令嬢をしてます。
因みにこの世界は、異世界です。
何故って?
だって、髪の毛、瞳の色があり得ませんから。
赤、青、黄色(金色)、緑に紫ですからね。
本当に、カラフルです。
最近、銀色を見かけました。
目がチカチカします。
私の髪の色、普通で良かったと、安心したことは、良い思い出です。
異世界なら、獣人族がいるかも知らないと思い、探しましたが、残念です。いませんでした。
ショコンの犬耳、もしくはロリコンの猫耳、(尻尾でも可)見たかったです。
そして撫で回したかった。
本当に残念でなりません。
生意気な弟で我慢します。
10歳の時、王都の学院に入学した時、親友が出来たのよ。
シェルビー・レクストン子爵令嬢。
愛称はシェルね。
彼女も私の事をイリアと呼んでくれてるの。
ちょっと目つきがきついけど、美人の部類に入る子なんだ。
お互い、言いたい放題言える中なんだけど、秘密にしてる事があるの。
シェルの弟でカイエン・レクストン子爵令息
彼、将来イケメンになること間違いない!
その彼をこっそり観察して、薄い本書いてるのは、絶対に言えないの!
だって弟が、受けの主人公の話しだし。
攻めは、シェルの婚約者のディオン・ラグルス伯爵令息。
本当に何故その二人?と思うでしょう?
私も思ったのよ。
だけどシェルからよくその二人の話しを聞かされていたし、紹介するからと、挨拶した時に、天啓が降りて来た気がしたの!
『この二人の話しを書きたい。いや、書きなさい!』って聞こえた気がするし、
更に、抱きしめ合う漫画、いえ!スチル画面がチラッと見えた気がしたの!
私も危ない橋を渡ってるのは、解っているけど
元腐女子としては、止められませんでした。
そう 私は、餓えていることに気がついてしまったの!
漫画もアニメも無い。娯楽が無い!
だから、娯楽作品を自分の手で生み出すしか道は、無かったの!
それにシェル、ブラコン程じゃあ無いけど、片鱗はちょくちょく見え隠れしてるからね。
だって、弟の裸 覗き見します?
しかも定期的に!
普通しないでしょ?
更に報告までしてくれるからね。
色々と!
お陰様で役立たせて貰ってますけども?
弟君、天然なのかも知れません。
確か騎士団に入団するって聞いたけど気配とかで、気付けなのかなぁ?
弟と婚約者の薄い本、バレたらマジで怖いもの。
それとこれとは、話が別でしょ?て言ってきそう。
ですので 最近は、隣国の王子様と侍従の薄い本に切り替えてます。
更にダミーで、騎士の熱い男の友情物語を書きましたから。
これでバレても乗り切ります。
かなり話しが反れましたが、今日卒業パーティーです。
エスコートは、同級生に頼みました。
彼も、相手がいなくて困っていたそうでお互いラッキーでした。
薄い本に夢中になり、学院で彼氏を作れなかったのは、本当痛いです。
放課後デートしたかったなぁ。
会場に入り同級生に挨拶し、その場で離れ、ホールの中に進みます。
「まだシェルきてないみたい?」
他の友人に挨拶しながらホールを回っていると、
あの有名な残念君が、ホールをキョロキョロしながら、ウロついてます。
何やらブツブツ言ってますが?大丈夫?
「未来の嫁ーっ! 何処ですかねーっ?」
すれ違いに聞こえてきた声にマジで引きます。
心の声?ダダ漏れですよ。
残念君、学院では無理だと思いますけど。
君、かなりやらかしてるからね。
「メルトスラッシュ!」と叫びながら剣振り回したり、
「精霊召喚 こい! イフリート!」と言いながら魔法で、炎の玉を空に向かって打ち出して、重力でそれが自分に落ちた記憶は無いのでしょうか?
因みに、精霊いませんからね?
彼は、転生者で日本人だったかも知れません。
やはり彼には、近付かないのが一番ですね。
本当にシェルの弟君、よく友達でいられますね?
やっとシェルが来ましたね。
シェルのエスコートは、弟君なのね。
ディオン様なら、良かったのに。
薄い本仲間で、遠くから二人を見つめ、ハァハァ出来たのに!
残念です。
シェル、弟とはここで一旦放れるのね。
前世の記憶を使ってドレスを、新しく作ったのよ。
本当、この世界のドレスにびっくりだった。
重いし、ゴテゴテと装飾品が付きすぎだし、
挙げ句に太って見えるし、でもコルセットで、腰だけ細いの強調し過ぎだし!
下半身デフじゃあないっての!
こっちの世界は、ケツがでかいのが好きなのか?て本気で思ったわ!
胸よりケツか!てね。
コルセット苦しすぎで、マジであり得ないと!知恵を絞ったのよ!
苦労したわよ。
前世の知恵を使って良いのかも悩んだし、
それに目立つて何かのフラグ立つのもやだし、
こっちの世界で薄い本仲間同士が増えた来て、楽しくなってきた所なのに!
ちょっとづつバレない程度の範囲にしたからね。
それに淑女は、足を出すのははしたないと言う癖に、学院の制服、膝丈だからね!
衝撃受けたわよ!この世界の常識に!
前世の女子高のノリで暑い日にスカートをパタパタしてたら母親に起こられたからね!
シェル、自信作を褒めててょうだい。
「イリア、今日のドレス良く似合ってますわよ。」
「ウフフッ、ありがとう。シェル。気合いが入ってるからね。」
「気合い?」
「そうよ!隣国の王子様! ステルビオ・レイ・イプシロン殿下を見れるのも最後でしょ? 気合い入りまくりよ!」
最後なのよシェル。近くで観察出来る最後の時間なのよ!
薄い本制作の脳内変換の為には、もう少し近づいて観察したいの!
「…。」
何故かしら?シェルの目が母親の様に見えます。
「何よ。ちょっと位夢見たって良いでしょ?」
「…。」
何とか言って。
「ダンス出来るかも知れないじゃ無い!」
「…。」
まさかその目、王子様とお近づきになりたいの?て聞いてます?
違いますよ?
ちょっと近づいて、アップで顔見て、匂いも嗅いで、脳内変換の効率を高めたいだけだからね?
やましい気持ち在るけど、薄い本の為だからね?
「貴様とは婚約を破棄する!」
今、不穏な声が聞こえましたけど?
ホール中央の方からですね。
あれは…! 王子様とその婚約者様かな?
えーっ? あのピンク頭の令嬢、噂話の子だよね?
間違いない! この世界は、乙女ゲームかーっ。
そしてお約束の、婚約破棄イベントだね。
何だかイケメンが、沢山いるなーって思ってだけど。
予想が当たり、微妙だわー。
「イリア、ちょっと外すわね。」
シェルに向かって、手を振っておきます。
何処に行くのか解らないけど、イベント観察しないのかなぁ?
嗚呼、弟君の所ね。
何話してるか解らないけど相変わらず仲が宜しいようで。
腕なんか掴んで何してんの?イチャイチャですか?
そうですか。
あれは、有名な残念君だねーっ。
なんか両肩をガシッと掴まれてるけど、大丈夫かなぁ弟君。
更に顔まで近づいてるけど?
あの二人のカップリング、需要無いからなーっ。
残念君。振り向きざまに、崩れ落ちたけど?
何?どうなってんの?
あれ?いつの間にホール中央の状況変わってんの?
ステルビオ・レイ・イプシロン殿下 令嬢がばったの!
ダメだよ殿下。貴方には、侍従がいるでしょう?(妄想中)
彼に冷たい目で、攻められながら嫌だと言いつつ、受け入れるのが好きでしょう?(妄想中)
私の脳内どうしたらいいのよ!(現実)
せめて、三角関係にするなら、護衛騎士の男で!(現実+妄想)
おのれ、婚約破棄イベント!
私の楽しみを!
匂い嗅げないのでは無いか!
今回こそは、彼に名前と思って考えたんですけど、何だかしっくりこなかったのです。
また、誤魔化しました。すみません。
従事から侍従に変更しました。