1381 「紹介-外伝Ⅱ-Ⅷ」
ラファエル=サルファマスタード
黙示録シリーズの一体。
情報存在は数多の信仰と共有しているイメージから構成されている。
その特性に目を付け、ベレンガリアが生み出した人造の天使。 ラファエルという天使を下敷きに毒を撒く「設定」を与える事で誕生したのがこのラファエル=サルファマスタードだが、果たしてそう簡単に上手く行くのだろうか?といった疑問が生まれる。 天使や悪魔などの存在は本来、非常に長い時間をかけてイメージとして共有されて生まれるのだが、オラトリアムという特殊すぎる世界ではそう難しくなかった。
まず、ミームの発生に適した内面宇宙の存在。
内面宇宙は文字通り世界に内包された空間なので物理、精神的な距離が近く、干渉が容易である事。
それにより住民の祈りや共有されたイメージが反映されやすい。
第二にオラトリアム教団の存在。
もはや億を軽く上回っている信者数を誇る宗教と呼ぶには巨大すぎるその組織はイメージを共有する事に関しては非常に優れている。 その為、彼らの間にイメージを共有させ、神の僕として存在する天使の実在を思い込ませる事で情報存在としての形を確立させ召喚可能な天使として誕生させる。
繰り返しになるが共有されたイメージの集合体が情報存在だ。
つまり「オラトリアムの神の僕」としてデザインされた天使はその在り方に従って行動する。
その為、オラトリアムに忠実な天使としての側面も得る事になるので運用面でも非常に優れており、使役する分には扱いやすい。 未分化ながら意志も存在するので彼らはオラトリアムの僕として住民を守り敵に対して全力でその力を振るうだろう。
そうして生まれたこのラファエル=サルファマスタードは元々風を司るラファエルを下敷きに毒を撒き散らすといった特性を付加されており、巻き起こす風はあらゆる生物を死滅させる。
そして巻き起こす嵐は物体のみならず命すらも巻き上げ、文明を滅ぼすだろう。
ドミニオン=イペリット
ラファエル=サルファマスタードの眷属として生み出された天使。
能力は下位互換で全体的にダウングレードされてはいるが、能力自体は同じなので都市部にでも現れれば瞬く間に大気を汚染して滅ぼすだろう。 ラファエル=サルファマスタードと同様、広域殲滅には非常に優れているが、汚染された大気の後始末などが必要な場合は非常に面倒なので滅ぼす予定の世界でしか使えないと欠点も多い。
ガブリエル=マリグナントチューマー
黙示録シリーズの一体。 触れた相手を重篤な病に感染させる猛毒の雨を降らせる事ができる。
この雨の厄介な点は雨自体には毒素が含まれておらず接触した対象の肉体を変化させ、毒素を発生させるのでどれだけ耐性があっても自身由来――要は自身にとって抵抗できない毒を体内で強制的に生成されるのでどれだけの耐性を持っていてもまず効果がある点だろう。 一滴触れただけで一分以内に即死するので致死率は非常に高い。 ただ、他の広域殲滅の兵器などと比べると遅いという言うのがベレンガリアの評価なのでオラトリアム基準では微妙だったりする。
ドミニオン=ポリポーシス
ガブリエル=マリグナントチューマーの眷属。
ドミニオン=イペリットと同様に下位互換の能力を持った個体。
毒の威力も同様にダウングレードしているが、単純に濃度が落ちているだけなので感染から死亡までの時間が長くなるだけとなる。
サベージ
オラトリアムの神に仕える最大の僕である神獣。
その能力は謎に包まれており、今回確認できたものは意識を向けた相手を即座に捕食する事のみ。
巨大になりすぎたのであの姿でも可能な限り縮めた状態。
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本編の主人公だった存在の成れの果て。
無限に喰らい無限に成長した彼は遂に世界を喰らうようになった。
その力に限界は存在せず、世界を滅ぼす度に無限に成長を続ける動く特異点。
ルーホッラーと接触したのは本体ではなく、切り離された一部が形を取った切れ端。
もはや人と言い張る事すらできなくなり、彼はただひたすらに未知を貪り既知に変えると新たな未知を求めて旅を続ける。 能力に関してはもはやできない事の方が少なく、ルーホッラーの一撃もノーガードで受けたにもかかわらず無傷だった。 攻撃も喰らった攻撃を模倣して放っただけの雑な物。
コスモロギア=ゼネラリスの全てを喰らい。 少しだけ満たされた彼だったが、求めるものは得られなかったのでこの無限とも呼べる広さの総体宇宙で新たな未知を求めて彷徨う事だろう。
誤字報告いつもありがとうございます。
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