1375 「紹介-外伝Ⅱ-Ⅱ」
コスモロギア=ゼネラリス
傑達が迷い込んだ異世界で六つの世界が世界回廊というもので連結する事で成立している。
六つの世界が連なっているので『六界巨塔』と総称。
それぞれが独自の文化、生態系を持っており、開発に成功した言語共通化の魔法を用いて互いに交流を行う事で相互に発展している。
総体宇宙
世界の外に広がる空間。 詳細不明。
時間、距離の概念があやふやで一度外に出てしまうと元居た場所の時間軸から切り離されるので、僅かな時間であっても放り出されると元の場所、元の時間に戻る事は不可能。 なんの対策もせずに外に出て戻っただけで一億年経過していたという事も起こりうる。
安全に移動する手段が存在しない上、正体不明の何かが棲息しているので非常に危険。 少なくともコスモロギア=ゼネラリスの技術力では安全に調査する事は不可能。
世界回廊
名前の通り世界を連結する回廊で、繋がった世界から魔力を総体宇宙に放出する性質があるので本来なら片方を滅ぼして繋がりを断つのが対処法。 だが、コスモロギア=ゼネラリスは蓋壁という壁を内部に張り巡らせる事で放出を最小限に抑える事で無害なレベルにまで魔力の放出を抑えている。
地平の塔
コスモロギア=ゼネラリスを構成する世界の一つ。
広大な陸地と無数の浮島からなる。 バランスの取れた気候と補助なしに生存できる大気環境、そして支配している生物は人間なので、異世界から迷い込んだ者達にとって一番馴染み易い世界といえる。
守護騎士、守護術士
地平の塔の最強戦力。 この世界の守り手にして外敵を屠る剣。
この世界の戦闘を司る身分は大きく分けて二種類存在し、守護騎士はその中で最も階級が高い。
他は騎士と術士。 騎士は守護騎士の下位互換で近接戦闘を担い術士は遠距離戦や回復などの後衛に特化している。 肩書に守護とつくのはこの世界に認められた高いモラルと実力を認められた存在。
大きな括り方をしている分、個々――特に上位と下位の実力差は大きいが、下位であっても一騎当千の実力者である事には変わりない。
他には領主としての側面も持っているので守護の銘を冠した者達は各々が自ら領主として民を率い、平和を守っている。
魔力
この世界における主要なエネルギー。
本質的には本編などでも扱われている物と同様だが、地平の塔は特に収束させる技術に長けており、守護騎士が使用する魔力剣は非常に高い切断力を誇る。 また、装備品などに対する応用技術も進んでおり、完成度は非常に高く鎧というよりはパワードスーツに近い。
魔法の類も洗練されており、本編世界で使用されていたものより増幅率などにかなりの差があり、威力精度とどれをとっても非常に優れている。
ギュードゥルン・グン・グンヒルド
コスモロギア=ゼネラリス六界巨塔の一、地平の塔 守護騎士。
並べると長ったらしい肩書だが要は傑達の落ちて来た土地を治めている領主。
守護騎士としては平均よりは上。 総合で言うなら上の下なので割と強い。
元々、騎士としてこの地で務めていたが頭角を現し、気が付けば守護騎士となっていた。
後述のアルヴァーとは結婚の約束もしていたのだが、二人ともが守護騎士に選ばれた事もあって断念。
この世界に奉仕する道を選んだ。 できなくはなかったが領地が別になるのであまり意味がないので、各々別の道を歩む事となった。 特別な関係にこそなれなかったが、友人として今でも仲はいい。
危険な異世界――オラトリアムの接近に対して強硬偵察を行う際、それに参加。
異様な環境下で比較的、冷静さを失わずに堅実に立ち回ったが、相手が悪く部下が変異したレブナントの群れ相手に奮戦したが敗北。 そのまま殺されたが、魂を肉体に強引に戻された後、グロブスターに寄生され異形と化して故郷である地平の塔へと襲い掛かったが最期はペッレルヴォの剣の前に斃れた。 死亡。
テレーシア・テク・テオドーラ
守護術士。 ギュードゥルンの副官。
守護の肩書があるのに彼女の副官なのは成り立てなので領地を与えられる準備期間中だったから。
その為、元の業務であるギュードゥルンの副官としての仕事を行っている。
術士としては優れていたが、守護術士の中では平凡。
オラトリアムへの偵察に参加しギュードゥルンと共にレブナントの群れに敗北し、彼女と同様グロブスターに寄生され異形と成り果てた。 地平の塔での戦いに参加しており、そこで討伐されている。 死亡。
アルヴァー・アン・アードルフ
守護騎士。 ギュードゥルンの元カレ。 実は未練タラタラだったが、ギュードゥルンのキラキラした目で共に守護騎士として頑張っていこうという言葉に前に失恋した。
守護騎士として上の中なのでかなり強い方。 少なくともギュードゥルンよりは強い。
やや軽そうな印象を受けるが守護騎士の称号を与えられるだけあって仕事には誠実で、領主としての評判はかなりいい。 オラトリアムへの偵察に参加。
その際にハリシャに目を付けられ一騎打ちとなったが、まるで歯が立たずに敗北。
逃げようとしたので捕まってグロブスターに寄生され異形と化した。 ちなみに逃げなかったらそのまま殺されて終わっていた。 変異後は地平の塔の襲撃に参加しペッレルヴォによって討伐された。 死亡。
ディック・エデ・エドヴィン
守護術士。 アルヴァーの副官。
オラトリアムへの偵察に参加したが、ロヴィーサに囚われレブナントに変えられた。
一応、侵攻戦に参加していたが人知れず撃破されていた。 死亡。
ペッレルヴォ・ピレ・シュルヴェステル
守護騎士筆頭。 地平の塔、最強の騎士。
卓越した剣技、高潔な人格と非の打ちどころのない人物として地平の塔では英雄として扱われている。
過去に起こった異世界間戦争でも多数の戦果を上げている大英雄。
『五宝剣』と呼称される伝説級の剣技を全て扱える事もあって生ける伝説として尊敬と憧憬を一心に集めている。
異形と化したギュードゥルン、アルヴァーを葬るといった戦果を上げていたが、本気を出したハリシャに血煙へと変えられた。 死亡。
一応、フォローしておくと本編基準で見ると英雄級の実力があったので相手が悪かっただけでしっかり強かった。
五宝剣
地平の塔に伝わる伝説の剣技。
前準備として専用の短剣を地面に突き刺し発生した魔法陣を踏む必要がある。
一つ扱えるだけでも永遠に名を残すとまで言われるほどに習得難度が高い。
使用するに当たっての最低条件が維管形成層への接続なので、並の人間にはまず扱えない。 本編でいう極伝に類する大技。
無鋒の剣、慈悲の剣
本来であるなら前者が正式なもので後者はペッレルヴォが使用する発展型。
技としてはシンプルに魔力でブーストした身体能力で放つ刺突で、あまりの速さに光の矢に見える。
喰らった相手は何が起こったのかすら理解できずに死に至る大技。
後者の場合は魔力剣を格子状にしてから放つので相手は細切れになって即死する。
細切れにすることで即座にその命を絶つ慈悲の剣。
俗界正義の剣
地面から無数の剣を生み出し敵を串刺しにする大技。
発生した剣は膨大な魔力と熱を纏っており、突き刺した相手を内部から焼き尽くす。
攻撃範囲が非常に広く、大群相手だと非常に高い効果を発揮する。
聖界正義の剣
前述の俗界正義の剣と対になっている剣技でこちらは無数の光の剣を使用者の頭上に出現させ、広範囲を焼き払う殲滅技。
複数の魔法陣を用いて威力をブーストする場合、名称に『真』が付く。 今回はこの技を強化する為に使用した。
パールエーリク・ペタ・ランヴァルド
地平の塔を納める王。
見た目は中年だが、実年齢はもっと上。 長きに渡りこの世界の平和を見守ってきた王。
王としては非常に優れており、地平の塔が平和を維持できているのは彼の功績でもある。
戦争などにおいてもその手腕は発揮され、数多の異世界間戦争で名采配を振るった実績もある有能。
だが、有能故に彼我の実力差を正確に認識してしまい、オラトリアムの力を目にして絶対に勝てないと理解してしまった。
その為、早々に諦めてしまい。 滅びゆく故郷を最後まで見続けた後、その命を絶たれた。 死亡。
アンヌッカ・エイ・エヴェリーナ
地平の塔に存在する未来を予知する巫女と呼ばれる存在で、通称は地平の巫女。
各塔には巫女と呼ばれる未来予知に長けた存在がコスモロギア=ゼネラリスの未来を観測し、危機を伝える役割を担っている。 異世界による侵攻、接触を事前に知らせる警報装置。
オラトリアムとの接触は早い段階で予知していたが、妨害を受けていたので正確には見通せなかったが接触後はある程度の未来視は可能となったがその悍ましい未来に絶望し意識を閉ざした。
その後、オラトリアムへと拉致されラボへと送られる事となる。
死んではいないが未来はあまり明るくない。
誤字報告いつもありがとうございます。
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