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寮列車79レあるいはEF58の93 銀河鉄道

「そうそう、ブレーキで回収したエネルギーの話なんだけどさ」 水沢先輩が話題を切り替える。

「いま、おおぞら寮の連中とね、化学式の貯蓄方法は無いだろうかと検討中なんだ。

主に気動車向けなんだけど、たとえば、回生電力で水を電気分解する、とか。」

「なるほど、水素を取り出して燃料を再生産するんですね。」

「はとちゃんさすが!そう、そのつもり。だったんだけどね。」水沢先輩はばつが悪そうに苦笑した

「重すぎたんでしょ?兄から聞いたわ。」とピコちゃん。

「そ、プラントと水素貯蔵タンクで1両の床下埋め尽くしちゃって。

ほかにも、アルカリ金属の電気精錬してエネルギーを溜めるのも考えたよ。電気精錬も電流、というか電荷に依存するので電力の安定しない制動電力の回収にはいいかも!と思ったんだけどね。」水沢先輩は続ける

「結局さ、化学的に電荷を溜めるには二次電池に一日の長があってさ。」


車内放送が次の停車駅を告げる

「まもなく京都、京都です。

京都では白鳥、とき、はつかり、つるぎに乗り換えられます。

京都より先、終点大阪宮原まではさくらが最終寮列車になります。

つづいて、新幹線での門限最終列車を案内します。

 … 」

車内放送では今夜の門限までに宮原客車区にたどり着ける最終列車の案内が続いている。

「でも、楽しいよね!実際にみんなで考えて、みんなで作って。実用出来るのはほとんどないけど、だめでも経験値はぐんぐん溜まってる感じがするし!」電気分解式もアルカリ金属式も失敗しているのに、水沢先輩はけらけらと笑う。

気が付けば先輩はみんな表情が明るい。


そう、そうだった。つばめお姉ちゃんのところに遊びに来たときもこの雰囲気だったんだ。

わたしがこの学校に来たかったのは、この和の中に入りたかったんだ。


「そういえばアイリス先輩、銀河鉄道の夜に火星の話なんてありましたっけ?」月光の問いには

「月光の乗客はカムパネルラ。アイリス先輩の乗客は鉄郎ね。」ピコちゃんがつっこむ。


ピコちゃんの答えに?マークのままの月光くんにアニメの話をして、それからピコちゃんが”月光が宮沢賢治をねー”といじって”わるいかよ。”とぶっきらぼうに月光くんが返す、それでも3人、目が合って笑う。

でも、アイリス先輩の鉄郎はきっとあの先輩ね。アイリス先輩、わかりやすすぎです。


ことん、こととん。列車は進む。

そうしてティーパーティーは続く。

かたん、かたたたん。小さな駅を通過する。

そして先輩たちの技術談義は果てしなく続く。


今日の感想。

道明寺がとってもおいしかったです!

あと、御嬢様学校じゃ絶対こんな人間関係、無理。この学校を選んでよかったなーって思った。


伏線は後日回収します。

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