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俺の体ってすごい?

説明が多い!多すぎる!作者から見てもそんな感じなので説明は流し読みでも全くとして構わないっていうか流し読み推奨みたいな。


難しいですねこの口調

 MMORPG『ワン・オブ・ロード』通称《一本道》。キャッチコピーは一粒で二つ美味しいRPG兼シュミゲー。RPGとしての評価は普通かいささか悪いくらい。斜め上から見るタイプの典型的なRPG。キャラメイクは性別と、目や鼻やまゆの形などを何種類かから組み合わせて自分のキャラを作るという簡単なもの。基本の職業に、戦士・盗賊・弓兵・僧侶・魔術師の五つがあり、それぞれ50のスキルがある。ここで覚えたスキルの組み合わせにより上位職が解放されるという仕組み。能力値には、筋力・敏捷・体力・知識・知恵・運の六つ。レベルアップ時に5の能力地ポイントが与えられ、それを自由に割り振っていく。レベルキャップは1000まで解放されているが、モンスターが750付近までしかいないため、実質750が限界。500以上のレベルで転生でき一部の能力を引き継げる。転生者専用の装備や転生していないと狩るのが困難な狩り場も多々ある。今現在、転生は五回まで解放されている。

 

 このゲームの一番の特色であり、キャッチコピーの元にもなっているのがキングダムシステム。各キャラクターにはマイキングダムという個人スペースが存在する。25レベルごとに拡張が可能であり、拡張には、キャラ生成・兵生成・建築・領地拡大の四つがある。そしてマイキングダムは人とギルドを組むことで他人のとつなげることが出来る。キングダムの順位を決めるキングダム・ウォーの際には、三つ以上のギルドのキングダムが専用のフィールドを中心につながることになる。そこで自分の兵たちを指揮し、相手のキングダムの核を壊せば勝利となる。これが一粒で二つ美味しいの二つ目に当たる、戦略シュミレーションな要素である。


 ただし、それはゲームのシステム面であってプレイヤーに本当に人気があるのはそこではない。プレイヤーの間では、このゲームはGMGRPGと呼ばれることもある。GMG―――ゲームマスターが元気―――の由来はよくサプライズを仕掛けてくるGM陣による。人気狩り場等にふらふらっと出てくるのは当たり前、街中で決闘を申し込まれて相手を見たらGMだったなんてこともある。キングダム・ウォーの時に活躍したプレイヤーに対し二つ名と称してキャラネームの前に《閃光》とか《最速死》とか表示させたりと、結構やりたい放題である。その分プレイヤーの要望もよく聞くという良くも悪くも活動的で積極的なGMが愛されるゲームなのだ。 



◆ 

「っ!? △〇¥&%$~~~!!」


 たたき落とされた俺はあまりの恐怖に声にならない声を上げる。紐無しバンジーなんて誰も経験したいなんて普通思わないだろ? 俺だって思わないさ。


 下の方にはどんどん迫る森。やばいやばいやばいって、なにか無いか打開策!


「ってこの状況で思いつくかあああああぁぁぁぁああああ~~」


 ドゴォン!! と、伸びた言葉尻を悲鳴にしながら俺は枝の間を抜けて行き地面に突き刺さった。


 ……突き刺さった。それはもう見事なほどに足の先から臍のあたりまでガッツリと地面に刺さっている。が、不思議なことに体の痛みは少々強く打った程度。不思議なんてもんじゃない、不気味だ。


「……何というか、人から外れた、かな?」


 自分の足を地面から抜くことに苦労しながら思う。 


 五回転生済みLv750、所属サーバ内で言えば上から100人くらいには入っていたと思う。最高難易度狩り場でソロ狩りできるし、最高レベルシークレットダンジョンソロも果たした。まあそこらは職業や育て方の相性もあるだろうが。筋力で火力を、運でプラクリとレアドロを上げ希少品を求めてソロで狩り場を彷徨い歩く。キングダムには所属せず、良い品が出ると市場に流すか有名キングダムのトップ連中と取り引きしたり。得た金で装備や自分のアイテムコレクションを作り、そんなプレイスタイルから二つ名で《戦う行商人》とかつけられた。《館長》やら《相場荒らし》とかつけられたこともあったが。


 この世界があのゲームを元にしているなら俺はかなり強いんではないかと思っていたが、上空から落ちて地面に刺さっても少々痛いだけとか、はっきり言って規格外レベルなんじゃなかろうか。もしかしなくても人類に共通の敵と認識されるレベルなんじゃなかろうか。


 …頭が痛い。


 あーっもーっ知るか!人の話よりも自分の感覚を信じる俺としてはこれが現実だと認めざるを得ないけどっ、けどもっ、神の酒の肴なんて運命は回避したい。俺TUEEEEできるって聞いたなら意地でもやらないのが俺ですからっ。


 地面から抜け出してグキグキと首を回す。周りを見ると突き刺さったとこを中心に小さいがクレーターが出来ていた。 


 あいつどんな力で蹴ったんだよ…。


 

 さて、さて、さてさてさて。どこか見知らぬ森に降り立った俺だったわけですが


「イイィィヤァッホオオオォォォォォ!!!」


 今現在、物理法則を無視した三次元走法に実践中である。なんつーか、アレだ。俺もこんなことが出来るとは思わなかった。最初は身体能力を試すつもりで木を垂直に登ってみようと思ったのだが、いざ実行してみたら思いのほかうまくいったんだ。

 それで調子に乗ってそのまま走ってたら、世界が反転してることに気付いた。


 そう、世界が反転してたんだ。こう、グルンッって感じに。

 

 思わず足をとめたけどそれでも落ちない。上を見上げたら地面が見えた。下を見ると木の枝に立ってる。その時の俺はさぞ間抜けな顔をしていただろうとは思うが、それは置いといて、だ。なんでこんなことが出来ているのか。まあ、心当たりは、ある。だがそれもあっちに蹴飛ばしといて


「何これたのっしいいいいぃぃぃぃぃぃィイイヤァッフゥゥゥゥゥゥゥ!!」


 走る走る走る!! だって地面も、木も、枝も、岩も、全部が全部俺の道なんだぜ? どうも身体能力も上方に上書きされてる様だし、面白い様に体を使えるんだ。走って飛んで一回転して着地して、こんな前は出来なかった新体操じみたことが余裕で出来ることが楽しくて仕方がない。


 満足するまで走った後、一番大きな木のてっぺんまで走りそこから飛び降りくるくると回転しながら、ポーズを決めて着地。


「フッ…決まったな(キリッ」


 はたから見れば完全に変人、というか人外の行動だが、見てる人もいないし…


「いない…よね?」


 キョロキョロと周りを見まわす。あるのはうっそうと茂る木々だけで、まーひと安心?


「さて、問題はこれから、だよなぁ」


 現実逃避にはしゃいでしまったものの、逃避したくらいで現実は変わらない。だからこそ逃避する人が後を絶たないのだが。

 

 今いる世界はゲームじゃない、なれば死ぬ時は死ぬのだろう。神の言葉を考えると餓死はありそうだしな。まずは衣食住か。衣はとりあえずあるし、住もマイキングダムが使えるなら、ある。食はどうだろう。マイキンの倉庫の中に食料系のアイテムも放り込んであったと思うけど。そこから始めるかな。


 左手の中指にはまっている、金に幾何学模様と魔法文字をびっしり掘り込んである指輪を意識しながら振る。すると前方に淡く光る両開きの光の門―――キングダムゲートが出現する。


「ほう、アイテムの説明文はそのまま現実に適用されているのかな? ゲームの時は使用ボタンを押せば開いたけど、動作は無かったしな~。まあいちいちそんな細かいところまで再現出来るかって話なんだろうけどねー。」


 そう呟きながら無造作に門をくぐる。そこにはどでかい大理石の建築物―――俺のアイテムコレクターとしての集大成である《博物館》が建っている。


「いやはや、現実になると美しい物だねぃ。GMに頼んで白い建築やらアイテム展示機能やら追加してもらったかいがあるってもんだ」


 どうやら他の人たちからも似たような提案が出ていたらしい。

 

 建物の中の作りは単純かつ簡素、奥まで長い廊下が続いていて左右の壁には等間隔に五つの扉があり付きあたりの壁には他の扉の三倍程の大きさの両開きの扉がある。左右の扉の部屋では一部屋につき一つのアイテムが飾ってある。倉庫に新しく放り込んだ順に飾られていくので同じものが飾られていることは少ない。奥の大部屋は、倉庫への入り口やらアイテムに魔法を付与するエンチャントテーブル、ソファー等の普通の生活用品が置いてある。実はこの建物の中で唯一の生活空間だったりする。


 俺は脇の部屋には目もくれずにまっすぐに進む。なんせ今の俺を突き進ませているのは三大欲求の一つ、食欲なのだ。そんな俺を誰が止められようか!!


 ……いやまあ、壁の装飾がきれいだったんでよそ見してたら柱にぶつかって止まったわけだが。


 コホン、気を取り直して、奥の部屋から倉庫に入る。実はこの建物、外側から見た大きさと内側の合計十一の部屋の大きさとが全く合っていない。しかも内側が圧倒的に小さい方向で。なんでこんなことになっているかと言うと…


「う~ん、何というか、斬新過ぎるだろうこの建築設定。我ながら呆れる」


 部屋じゃない部分の、つまり余白のスペースはすべてが倉庫に使われている。すべてが。ぶっちゃけると、もともとここは増築に増築を重ねた超が付く程の巨大倉庫であり、内側の部屋が後付けで、内部をぶち抜いて作ってあったりする。


 なんで部屋を作ったりしたのか?それはだなぁ、イベントに踊らされたからだよ!自分が作った建物を紹介しよう!入賞者にはレアアイテムをプレゼント!なんて言われたら参加するしかないだろ、普通。で、どんなのがいいか友人と相談してたら俺のすべての拡張を注ぎ込んだ倉庫をぶち抜くことになった。まあ、入賞出来なかったわけだが。


 そんな秘話?がある倉庫内をぶらつく俺だが、一つ忘れていたことがあった。


「そうだった…。食料は全部冷蔵庫に預けてるんだった…」


 腐った料理が食いたいという、正気かどうか問いかけたくなるような理由でGMに提案され採用された機能、食料系アイテムに鮮度というパラメータを追加するアップデートが先日行われ、それに伴い影響のあるアイテムを殆ど町の冷蔵庫に移したのだった。幸いと言うか何というか、食料系アイテムに貴重なものは少なかったので、こちらで急遽用意した小型冷蔵庫に希少品だけは保管中だが、拡張を全て倉庫に割り振っていた俺にはそこが限界だった。小型冷蔵庫だって友人から買ったものである。そこまでして残した物に手を出したくない。


 結論、現在食せるものなし。


 となるとこの世界で調達するしかなさそうだ。引き籠りはどこでも難しいってことか。だがそれにも問題がある。俺はこの世界の常識を全く知らない。


 ヤバイな、既にピンチじゃないか。


 ピンチに燃え上がる様な勇者な(あるいはマゾな)思考は持ってない。なんせ俺は盗賊シーフだし。となると、誰か協力者を見つけたいなぁ。人に頼るのは楽だし、一人よりはよほど楽しい。


「まずはこの森を抜けて村探し、とかかな?食料確保が先か?とりあえず動k……ふむ?」


 俺は元の森に戻り、行動を起こそうと一歩踏み出す。が、


 踏み出した途端視界が暗転した、したのだが体が転がったような感覚もなく落ちて行くような感覚もない。まるで目の前にいきなり闇が広がったような状況(事実そうなのだが)に戸惑いの声をあげていると、上から女性の声が聞こえてきた。


 「かかったわね!!そこの君、おとなしく私にそのマジックアイテムをわったしなさ~い!!」


 …なんか面倒な予感。

長くかかって申し訳ないです。言い訳するなら書けってはなしですが。

そのうち用語解説兼能力値なんかの説明会を作りますんで、不明点はしばしお待ちを。

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