2-(1) 出会い
「ナオレイア、今日は楽しめたか?」
「はい!二人とも元気そうで何よりでした」
「よかったわね」
食事中、ナオレイアは今日の話をした。もちろんその話の中には破壊神の事もあった。破壊神についてはナオレイアの父、ケンタイロスは難しい顔をした。
「それで、ユーリが今日は特に注意しろって言っていたの」
ミアージェは頷いた。
「気を付けるのよ?ナオレイア」
ナオレイアは頷きケンタイロスを見た。だがケンタイロスは何か呟いていた。
「破壊神…だが目撃情報はある…しかし、いや、あやつの娘だしな…ふむ」
「お父様?」
ケンタイロスは一つ頷いてからナオレイアを見た。
「うむ、ナオレイア…ユーリスの言うとおりこれからはあまり部屋を出るな、出るときは護衛を連れて行くんだぞ?」
「はい。分かりました…お父様もお母様もどうかお気を付けて」
ナオレリアはそう言って食卓宮を出た。
ナオレイアは王宮の廊下を歩きながら斜め後ろに歩いている専属侍女であるリアに声を掛けた。
「ねぇリア、破壊神なんて本当にいるのかしら?」
「私も見たことはありませんので分かりませんが、目撃情報は確かな事のようですし本当にいると思われますが…」
「そうよね~」
《破壊神は本当にいるよ》
「え?」
「どうかしましたかナオレイア様?」
ナオレイアは声が聞こえた方を見た。しかしそこには誰も居なかった。不思議そうに見るリアに何でもない、と言いまた歩き出した。
* * *
ナオレイア達が歩き出した時、ナオレイアが見た場所には一人の少年がいた。茶髪に金色の瞳、整った顔立ちの少年はニヤッと笑った。
「面白そうな姫発見」
少年はナオレイア達の後ろを見た。ナオレイアは気付いていなかった。
「よし決めた、あの姫に会おう」
少年はククッと笑うと一瞬にして姿を消した。
* * *
ナオレイアは自分の部屋の椅子に座った。窓を見たら外はもう真っ暗だった。町の明かりが綺麗に見える、そう思いながらナオレイアはリアが入れてくれた紅茶を飲んだ。そしてナオレイアは窓の近くに行き下を見た。下には庭がある…だがそこに一人の少年がこちらを見ていた。
「…誰?」
ナオレイアは呟き急いで部屋を出て庭に行った。庭にはまだ少年がいた。少年はナオレイアに気付き振り向いた。ナオレイアは少年の金の瞳が光っている様に見えて驚いた。
「…貴方は誰?」
ナオレイアは警戒した。少年はナオレイアと同じ年齢ぐらいであった。しかしここは王宮、貴族の子息でもありえないと思うがナオレイアは少年が貴族ではない気がした。
「初めまして姫、僕は破壊神ユーアストと申します。以後お見知りおきを」
「破壊神?貴方が?」
ナオレイアは一歩後ろへ下がった。
「疑うのであれば別に信じなくてもいい」
ユーアストは苦笑いを浮かべた。ナオレイアは少し警戒を解いた。
「貴方は何をするためにここへ来たの?」
「ただの散歩だよ…僕は散歩が好きなんだ、人間界は散歩しやすいからね。まあ…無断でこっちに来たからあいつは絶対に怒ってるだろうけど…」
ユーアストは思い出すように言った、その顔は少し青ざめていた。その様子にナオレイアはクスッと笑った。
「ふふ…無断で来たなんて、怒られるのは貴方の自業自得よ」
そう言って笑い出したナオレイアにユーアストは眉をひそめた。
「それはひどいよ姫」




