1-(1) 少女とメイド
本編始まります。
部屋にはペンで書く音しかしなかった。
窓からは青空の中、鳥達のさえずりが聞こえていたがペンの音でかき消されていた。そんな部屋に紙に何かを書いている少女がいた。彼女は13、14歳ぐらいの少女だった。
彼女の机の周りには同じような紙が山のように積み重なっていた。少女は紙に素早く何かを書き、重ねていた。
そんな中、扉がノックされた。
「どうぞ」
少女は手を止めずに言った。誰かが入って来ても視線も紙のほうに行っていてまた、入ってきた人も気にしていなかった。
「お茶をお持ち致しました」
入ってきた人はメイドだった。そしてメイドの言葉にようやく少女は手を止め、顔を上げた。
「ありがとう」
少女はメイドが置いてくれたカップを持ち口を付けた。
「終わりそうですか?」
「もう少しで終わりそうよ、いつも思うのだけどリアが入れるお茶はとてもおいしいわね」
カップを置きメイド…リアに微笑んだ。
「恐れ入ります。明日はユーリス様とミナリーゼ様がいらっしゃいますからね姫様」
「…そうね、来るまでにこの山を片付けなけれなね」
「お手伝い致します」
ありがとう、と言ってペンを持って手を動かし始めた少女にリアは紙の山を整理し始めた。
「やっと終わった~」
「そうでございますね~」
少女とリアは空を見た。そこには綺麗な夕焼けが見えた。
「明日も晴れそうでございますね」
「そうね」
少女はそのままずっと空を見ていた。リアはカップにお茶を入れた。そして少女はカップを口にした。
「やっぱりおいしいわね~」
万遍な笑みで言った少女にリアは微笑んだ。
明日は親友が来る、そう思って少女は目を閉じた。
主人公の名前が出てきませんでしたね…
次回は必ず出ることになります。
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