3-(6)再会
「ユーリ…大丈夫かな」
心配するのは大好きな親友の事。
「ミナリーも無事かな…」
心配するのは姉のように思っている親友。
2人とも私の大切な親友。昔は3人でよく遊んだし、たくさん話もした。
「ユーア、人間界は今どうなっているの?」
「う~ん、大変そうだったな」
難しい顔で言うユーアストにナオレイアは眉を潜める。
「ナオの弟が生まれて、国民中が大騒ぎだよ」
「…そういうことね」
ナオレイアを見てユーアストが笑った。
「名前、なんだと思う?姫」
タツータが笑顔で質問した。ナオレイアは首を傾げ名前を聞いていないことに気がついた。
「そういえば…なに?」
「エルレイア、だって~」
「エル…レイア」
ナオレイアの呟きにタツータは頷いた。
* * *
「ナオ、人間界に行ってみるか?」
それはある日突然ゆーあストが言った。
「人間界に?」
頭に浮かぶのは大好きな父と母とミナリーゼ、そして最近生まれた弟のこと。
「そろっと行ってもいいと思うわ」
「ユーリスが言うのなら…行きたい!」
ユーアストは頷いた。
久しぶりに戻った人間界は前のままだった。
「久しぶりの人間界…か」
そう呟くナオレイアに、隣にいたユーアストは笑った。
「さて、ケンタイロスに会いに行こうか」
「うん」
2人は歩き出した。
「お父様!」
「ナオレイア!!」
久しぶりの親子の再会にユーアストは微笑んでいた。
「お父様、お元気そうで何よりです」
「お前も…大人らしくなったな」
2人がいろんな話をしていると4歳ぐらいの男の子が部屋に入ってきた。
「!…お父様、この子が?」
「ああ、お前の弟、エルレイアだ」
するとエルレイアはケンタイロスに抱きついた。
「エルレイア、お前の姉のナオレイアだ」
レオルストは目を輝かせた。
「ははうえとちちうえが話していたあねうえですね!!はじめまして!!」
「まぁ…はじめましてエルレイア、ナオレイアです」
ナオレイアは抱きついてきたエルレイアに笑いながら頭を撫でた。
「エルレイア、あれだけ廊下を走るなと、メルに怒られていたでしょう」
そう言いながら入ってきたのはミアージェだった。
「ははうえ!ごめんさい」
ナオレイアに抱きついたまま謝るエルレイアにミアージェは苦笑いをしてナオレイアを見た。
「元気そうでよかったわ…おかえりなさいナオレイア」
「お母様も…無事に子を生むことができて……おめでとうございます、そして…ただいま帰りました」
ナオレイアは堪らえられずに涙が溢れ、ミアージェに抱きついた。ミアージェはナオレイアの背中を優しく撫でた。
「泣くとすぐに抱きついてくるのはナオレイア譲りなのね。相変わらずでとてもよかった…あちらの生活には慣れた?」
「…はい、みんなからよくしてもらってます」
「そう、よかったわ…レオルストはもうあなたに懐いてしまったのね~さすがナオレイアね」
ミアージェは笑った。釣られてナオレイアも笑い、両親との再会を果たした。